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彼の生を望んでいる彼女はもう手遅れだった
【作者より】
今回は前回更新分の「相手が生を望むのならば自分は死を選ぶ」のアンサーポエムとなっています。
わたしは彼には生きていてほしいと望んでいた
たとえ親友だと思わなくていい
もちろん恋人だと思わなくても――
わたしは相棒として生きてほしいから
何度も「死なないで」「生きて」と言う
でも、もう手遅れだった
わたしの望みは彼には届かなかった
彼は自ら囮となって果敢に攻めてくれた
彼は傷だらけになってまでわたしを守ってくれた
彼の口はパクパクと動いているだけで
何を言っているのか分からない
わたしは何度も聞き返したけど
全然分からなかった
その時に察した
彼は生きていないということを
もう二度と彼と話したり
一緒に戦えないと――
なぜ、彼が死ななきゃならないのかと思うと
わたしは後悔の涙が止まらなかった
2022/01/31 本投稿