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第二話 ことの成り行き


4月某日

近頃変な生物を見るとSNS上でよく見かけるようになった。

それは粘着質のゼリー状の移動物体であったり。

二足歩行する子犬であったり。

人の顔のように見える鳥であったり。

河原に転がっている大きな石くらいはある蛙であったりした。

イタズラや加工画像、正しく見れば変な生物に見えるだけただの鳥だったり、さまざまであったが、最近の流行のようにそのような画像と動画の数は増えていった。



4月某日

TVでも面白可笑しく変な生物動物が取り上げられるようになっていた。

普段外で作業する農耕事業者は変な生物を1日に1回は見るようになっていたし。

車で少し遠くまで行けば、やけに統率の取れた編隊飛行を行う鳥の姿が見れた。

森の中に入れば熊に襲われた緑色の毛をした猿の死体が見つかり。

海に出れば漁師は口々に歌が聞こえたと言うようになった。



4月某日

半月も過ぎれば流石におかしいと皆気づいたようで、SNSは連日お祭り騒ぎとなっていた。

世界に怪物があふれている。

そんな冗談みたいな話が日本国内だけでなく世界各地で交わされることとなっていた。



4月結日。

子供の行方不明が増えた。


会社に出てこない社員が出始めた。


車で走っていると手の一部に見える物や靴を履いている靴下をよく見るようになった。


浜辺にはボロボロの大量の衣類が流れ着いた。


山には猿や鹿や熊の姿が見えなくなっていた。



5月某日

政府は緊急事態宣言を発令し、害獣駆除として自衛隊派遣を各地に行った。

各都道府県に害獣駆除対策室を設立し、そこに住んでいる猟師にも協力を依頼した。


5月某日

一部の市民は政府の対応の遅さが今回の犠牲の原因だと騒ぎ立てた。

また一部の市民はこれでも早く動いた方だと称賛した。

マスコミは両方の意見を言い、結局は対応の遅さに焦点を当てて番組を作っていった。



8月某日

東京スカイツリーの頭頂部が破壊され、平らになった部分に両翼30mほどの鳥獣生物が巣を作った。



9月某日

能登半島で水平線に巨大なワニの口のようなものが現れ、海を食べて、また海に帰っていったという話が流れた。


11月某日

北海道網走市にある牧場が人型の狼の群れに襲われたという。

旭川では白い毛皮に覆われた5mほどの巨人が街を歩き始めたという。



2021年1月某日

衛星が全て破壊されたと報道された。

地上波の各地基地局を再設置のため自衛隊の派遣が決まった。



2022年4月現在。


半分終わった世界の中で、人はまだ元気に生きていた。

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