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REMEMBER 主の戯言

拝啓 夢で出会った愛

作者: CODE393

拝啓

夢の中で出会ったおば様へ


貴方は一体何処の何方だったのでしょう…。

白い子犬を追いかけて。トンネルを抜けて。

出会ったのは優しい顔をした、おば様の家だった。

その人は震える子犬を膝に乗せてなだめるように撫でていて、私が追いかけていたのはこの人の子犬なのかと思っていた。

おば様に何も言わず、開いた玄関でつったていた私をおば様は迎えてくれた。

「あぁ綺麗な手ね。きっと貴方じゃないと私の手は触れられないわ。

私の手は傷だらけで小指すら力を入れて押さえられないの。」

「可愛いお顔ね。いい色の口紅をして。

きっと素敵な恋をしていらっしゃるんだわ。いつか私もそんな口紅をしてみたい。」

口紅は今まで身につけたことも無かった。ポケットを漁ると出てきた真っ赤な口紅。

「どうぞ。」と言って、おば様につけてあげた。

「なんて優しいの。とても心が暖かいわ…。」

そして私を優しくハグして

「未来を求めるのよ 素敵なお姉様 貴方はまだ死んではいけないわ

きっとその愛を 必要としている人が居るわ そうでしょう?

未来を求めるのよ お姉様 貴方は不必要なんかじゃない

このハグが暖かいと思うなら 次は貴方が伝える番よ。」

そういい終わると、おば様はハグを離してしまった。

それはとても暖かくて、もう何年も忘れていたものだった。

「さぁ、この子を連れてお生き。その涙を拭いてね…」


ハッと覚めれば、私は布団で頬を大いに濡らして視界をぼやけさせていた。

「これじゃ見せられないほどみっともねぇ顔なんだろうな…」

って笑ってみせた。

あの暖かさは起きても暫く私の涙を誘った。


私は大事なものを忘れていた気がした。

恋をして、「 」について悩んで、それが正解なのか大いに迷って、自信を無くしかけて。

でももしかしたら無駄だったのかもしれない。もう夢に出てくるほど近くにあったんだ。


貴方は何処の誰なのでしょう。私はお礼を伝えに行きたい。でもきっともう会えないのでしょう。

さようなら。そして有難うございました。


私はこの答えを最愛の人に必ず伝えに行きます。


敬具

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