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決断
『よつ葉は看護学生だから噛み砕かずズバリ言うね』
と前置きしてから私に包み隠さず話を始めた。
『種類で言うなら子宮体癌で手術をしてからでないと確定はできないけど大きさや検査の結果からいうとステージ2です。まだ、転移もみられないし二十歳の学生さんに言うのは心苦しいですが…』
と主治医に言われてさぁ。と彼女は淡々とまるで他の人の事を話しているようでした。
それからも先を続ける彼女
『治療は、腫瘍の大きさとステージを考え、子宮全摘とその周辺の卵巣・卵管なども同時に摘出術を行うのが望ましいと考えます』
と告知を受けたと言います。二十歳で子宮全摘だけに留まらず卵巣と卵管まで全てを摘出。
彼女はどれだけの涙を流したのだろう。彼女はどれだけ悩んだのだろう。
主治医の告知を受け、治療方針を丁寧に話してもらった。と言って彼女は重大な決断を出した。
『よつ葉、わたしさぁ…幼稚園の先生になってクラスを受け持ってみたい。園児に囲まれた毎日を過ごしたいから、手術受けるんだ。病気を治して夢に向かって頑張るんだぁ』
と教えてくれた彼女。私は彼女の勇気と決断に心からエールを送る。