その7
古栗の木の古切口。今日の生ダラなら生学鰹。
早口言葉が今日のマイブームである。ビバ、早口言葉。さあ今日から皆も一日一早口言葉だ。
やったね。
「誰もやらないわよ」
ほら、耳を澄ましてご覧。空間に響き渡る声が聞こえてくるでしょ。呪咀のような。
麦ゴミ麦ゴミ三麦ゴミ、合わせて麦ゴミ六麦ゴミ。坊頭が屏風に上手にジョーンズの絵を描いた。教頭特許許可局許可局長今日急遽許可却下。すももももももももももも。隣の柿はよく顧客食う柿だ。あの高い竹垣に高い竹立て掛けたのは高い竹垣に高い竹立て掛けたかったから高い竹垣に高い竹立て掛けたのです。凝って硬かった肩に買った高かった肩叩き器に勝てない高田。
「うるさいっ」
いたい。高々肩たたき器で叩かれないと高を括ったのが間違いだったのか。
今日も今日とて教官のオキョウに戦々恐々とする教訓を享受する今日この頃である。
「もう突っ込まないからね」
というのは一時の感情。次話にはすわと忘れて突っ込むのだろう。これは予想ではない、確信だ。
次話があれば、の話だが。
「何を言っているの?」
「メタいことよ」
「め、メタ?」
メタメタしい話はここまでにして、目の前の問題を解決しなければ。
「この本くだちゃいっ」
「はい、貸出ですね。利用カードは持ってるかな?」
「ないよ?」
「お母さんは、いっしょかな?」
「いないよ?」
「え?」
「ん?」
貸出作業に戻ったメタのことは置いておいて、私も早口言葉マイスターとして、一日一早口言葉を広めねば。
そのために、まずは世界で一番の早口言葉を考えなければ。
そして、そしてそれがなされたとき、この物語の終焉となるのだ。
もももももももももももももももももももももももももももももももも
「ど、どうした?」
「さあ?」
もももももももももももももももももももももももももももももももも
「お、お姉ちゃん?」
幼女が!
「どうしちゃったの!?」
そして少女が、応援してくれている!
刮目せよ!
これがっ!
これが、私の考えた最強の早口言葉よっ!
さあ、ランダルフィーネ、復唱なさいっ!
「だから名前、違うから」