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最強魔術師が魔法世界で無双する?!  作者: 金糸雀
一章 テルミニア帝国で英雄譚の始まり
8/73

国王様が何故か感情豊かなんですけど

ヤンデレを上手く描けないどうしてだろ?

 



 一瞬デジャブだわとか思ったけど、そんなことより取り敢えずこの場がどこかわかるような場所がないか探してみることにした。

 すると、眠っていた生徒が目を覚ましたようで、口々に「どこだ⁈ここ!」やら「うわ〜!ヨーロッパだ〜!!!」とか言っていた。

 そんな呑気なことを言い終えて、みんなこれからどうするか話し合おうとする矢先、突然この部屋に1つしかない木製の扉が開いた。



 開いた扉から出てきたのは、ザ・兵士と見るからにわかる兵士を5人連れた淡い赤を基調とした髪の同い年くらいの綺麗な顔立ちを持った女の子が入ってきた。

 その子を見て男子は「やっば、可愛い!!!イヤーもうあれは、俺のもんですわ〜」とキモい発言をして周りの兵士に威圧をかけられ、女子は「どうしたらあんな肌になるの⁈」と彼女の美貌に見惚れていた。ん?なんか一瞬こっちと目が合った気が…いや、気のせいかな?

 すると、みんなを指揮していた愁がその子に尋ねた。


「あなたが僕たちを呼び出したかたですか?」


 いやー便利だな。こういう時の愁の自分のペースで話すことが出来るって。みんなあの女の子の美貌に見惚れてるのにな。

 彼女の周りにいる兵士がすごい睨みつけてるけど…


「はい、この私 フィルメニア・フォン・レイスボルトと申します。テルミニア帝国第一皇女を務めております。私がこの場の14人を召喚しました。」


 ん?やっぱり14人だったかぁ。それにこの子皇女様なのかよ⁈びっくりだわ⁈みんなタジタジになっちゃったじゃん!!!うわ、愁とか跪いてんじゃん!


「はい?いま、14人と申しましたか?この場には、15人いるんですが?」


 はい、それ俺です。


「えっ⁈15人ですか?そんなはずはいやでも若しかしたら*€%+☆……「皇女様?」あ、すみません。取り乱しました。申し訳ないんですが、その人ってわかりますか?恐らくですがステータスで『女神から祝福された者』がない人がそうなのですが」


 やっぱり俺だったのね。まぁここは逃げられそうにない素直に教えといた方がいいな。ここには愁達がいるから存外な扱いはされないだろうけど。


「あ、はい。俺です。八鍵 零蒔です。ステータスに巻き込まれた者ってあったし」


 そう自己紹介すると、皇女様は、俺を見ながら思案顔で何か考えていた。

 あれ?俺何かした?もしかして、 巻き込まれたからそんなやつは、牢獄にぶち込んでしまえとか 言われ たりして…。

 すると、彼女は妖艶な笑みでこう言った


「あなたですか。巻き込まれた者ってことは、完璧な部外者ということですよね?」


 ほら来た〜、どうせ牢獄だろ。


「では、魔王討伐とか危ないと思うので私の保護下、つまり、私の夫になるとして過ごしてもらいます。いいですね?」


「はい、牢獄行きですね。ん?今なんていった?私の夫⁈あれ?聞き間違いかなぁ。

 俺、聞こえない系主人公じゃないからはっきり聞こえたんだけど⁈!!!ひっ!

「ねぇ、零蒔くん一体ドウイウコトナノカナァ。今この女の言ったことを受け入れたでしょ。

 ………いい?あなたは私の夫。あなたの妻は?」

 …オレノツマハハルデス。コノミハ、ハルニササゲマス。

 はっ!今俺はなんて!取り返しのつかないことを言った気がするが…いや待てよ。春は、もともと俺の妻だから、あなた様の夫にはならないよ?ごめんなさい」


『おい!洗脳されてんじゃねぇか!!!』

 たった1分のヤンデレ化した小春の説教で、零蒔が洗脳されたことに3年2組の生徒は声を揃えて叫んだ。


「あら?そんなこと関係ですよ。私が言ったことは、ここでは勇者であっても絶対なのですよ?だって皇女ですもの!」


 と、恍惚とした表情で零蒔を見つめながら言った。

 おい!それは職権乱用と言うんだぞ。

 クラスの男子はそんな零蒔を見て恨めしがるような目で睨んだことに対して、零蒔は俺は知らないといったそぶりを見せた。


「コホン!改めまして、私は、フィルメニア・フォン・レイスボルトが勇者様方を呼び出しました。

 召喚した理由に関しては、後ほど父のガウル・フォン・レイスボルト皇帝陛下の謁見で説明をさせていただきます。

 では、案内いたしますので、後ろに付いて来てください。」


 本来の目的を達成するために用意されていたであろう言葉を淡々と述べ、俺たちを急かすように兵士たちを配置し部屋から出るように促した。

 部屋から出るとあのエ○キアの王城のような出で立ちであった廊下を出た。そこには、用意されていたのか3名ほどのメイドが立っていたが俺たちが出たのを確認すると、俺らを挟む形で一緒に歩き出した。

 俺らを逃がさないようにしてるのか?逃げたとしても場所がわからないんだから逃げようもないと思うけどね。

 いくつかの角を曲がり何分か歩いた先に見えたのは、扉の番人なのか扉を守っている2人の兵士の後ろに、幅5メートル、高さ10メートルありそうな扉がそびえ立っていた。

 皇女様が何やらこの番人と会話して番人が頷くと、その番人が大きな扉を二人掛かりで開けた。


「失礼します。召喚した勇者様方を、お連れいたしました。」


 あけた瞬間、皇女様が、その部屋にいる人たちにわかる様に用件を述べた。

 その謁見の間と呼ばれるところは、華美な装飾が目立ってなく、光りが強く照らされていて、明るい場所だった。

 そんな部屋の最奥に少し段が上がった場所に1つの玉座があった。

 それを中心として左右に大臣なのか国の中枢を担っているであろう方達と貴族、騎士の様な格好の人たちに囲まれた状態で座らされた。

 すると、そこに国王らしき人物が登場した。


「おぉ〜!!!お主らが勇者か⁈ん?15人おるがどういうことだ?」


 あらかじめ勇者が14人というの知っていたのか。

 でも気になる点が…いや今はまだいいや。


「はっ、お父様それに関してですが、1人巻き込まれた者がおりまして…」


 皇女が報告するとすぐに貴族達が「なんだと!部外者がいるのか!」と何故か激昂していた。

 やはりテンプレ展開になりそうな感じがして俺は泣きそうです。


「静粛に!して、その巻き込まれた者が誰か分かるのか?」


 あ、この感じさっきみたいに名乗り出ないとダメっぽいな。いやだな〜絶対睨まれるじゃん!


「あっ、俺です〜」


「名をなんていう?」


 名前か…ここは海外風に姓名逆にした方がいいかな。


「レイジ・ヤカギって言いますが」


 と自己紹介すると周りの貴族やら、大臣とやらが、口々に「あの者、陛下相手になんて態度を!」や「勇者ではないのになぜあんな偉そうに!」とかいっています。

 いやそんな事言われても日本では「王の御前だぞ!」とか言われないしそんなの習わないし、ましてや勝手に呼ばれた人間に何を強いるのやら。

 いや、確かに目上に対しての礼儀は守るつもりだが、ことこの世界に関しては守ることはしない!

 なぜなら、拉致されたのだから。


「静まれ!レイジよ、安心せい、お主のことは無下にはせん。勇者方と同じ対応で接する。貴様らも、そうする様に」


 なんとも国王らしいことをいい、周りが静かになった。最もここで俺を拉致または殺害をすれば愁達からの印象は最悪。勇者としての役割を追ってくれないと考える。

 だからここでは受け入れると言ってもそう簡単に緊張を解いてはならない。

 後に訓練と称してダンジョンとやらに連れていきそこで殺すことも出来る。

 仮にほんとに無下に扱われないとしても俺への扱いは『勇者の友人』または『おまけ』と言うことになるな。

 まぁ、しつこく言ってきたらそいつをやるまでだがな。


「周りが静まったところで、本題に入ろう。

 お主らを呼ばしてもらったのは、理由がある。

 それは、今このラビアを脅かしている魔王を討伐して欲しいのだ。」


「ハァ?魔王討伐だとぉ?フザケンナ!!!何でわざわざ、誘拐されてまであんたらのこき使いにされなきゃいけねぇーんだよ!!!俺たちを返しやがれ。」


 今まで、静かだったことを褒めてやる、真田。だが、周りを見ろ。視線が怖いぞ。倒せねぇから俺らを呼んだんだろ。

 まぁ悠木、お前の考えは正しい。至って冷静な発言ではあるが落ち着け。悪印象を持たれるからな。


「勝手に呼んでしまったことは本当にすまないと思っている。だが、我々では、力が足りないのだ。どうか力を貸してくれやしないか?」


 すると、愁が何か決めたご様子で発言した。大体こういう時の愁は決まって引き受ける。

 何が善悪かは自分で決めろって昔教えたがそのおかげか無駄なものまで無意識に手を出す癖があるのは内緒だ。


「わかりました。それを引き受けます。みんなもいいよね。この世界を救うのに手伝ってくれないか?「あったりめぇーだ!!!」「葉山くんがやるんだったら、私もやろうかな」ということなので、それを引き受けます。」


 嗚〜呼、引き受けちゃったよ。ダメだ、さすがお人好しですわ。ま、分かってたことだからいいんだけど、そういった選択が後に後悔への道へと導くならそれを直すとしますかね。


「本当か!ありがたい!感謝する!!!」


 うわ〜、顔がすごい換気に満ち溢れているよ陛下とその取り巻き。


「あ、あのぉ〜」


 金井?なんかあったのか?珍しいなあいつから発言するなんて


「なんじゃ、申してみよ」


「ぼ、僕たちを返すことってできるんですよね?送還的なやつが」


 すまんな金井そして、みんなないよ。この世界に送還魔法はありません。ほら、国王様も大臣も悲しい顔になっちゃったよ⁈


「あっそうよ。もちろん私たちを送ることってできるんでしょ?」


「すまない。本当に申し訳ない!今我々には、お主らを呼ぶことはできても、送り帰すことができないのだ。できる方法は、1つ4人の魔王を従える大魔王を討伐すると1つだけ願い事が叶うと言われている。だから、帰るには、その大魔王を討伐しなくてはならないのだ。本当に申し訳ない」


 はい、嘘です。魔神を倒さないといけません。

 それに願い事は叶いません。


「じゃあ目的を倒せばぼくたちは、帰れるってことですか?よかったぁ、帰る方法がなかったらどうしようかと思ったよ」


 流石金井マイペースみんなキョトンとしてるよw


「それでも引き受けてくれるのか?ありがたい」


「えぇ、必ず、救ってみせます」


「では、今日は、夕食を済まして休んでくれ。案内したまえ!キリア!」


 そう国王が叫ぶと扉からメイドを引き連れたメイド長が出て来た。そしてメイド長含むと15人のメイドが各クラスメイトの後ろに立った。メイド長を抜いて。さらに、俺に気づいたメイド長に、皇女様が近づいて何か話した後、皇女様が俺の前に来て


「では、これからよろしくお願いしますね!レイジ様♡」


 と言った。はい、春からの視線が痛いです。怖いです。


 そんなこんなでおれたちは、謁見の間をあとにした。



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