火山の巣窟 part8 ~十戒と問題~
大分遅くなりましたが落ち着いてきたので投下します
灼熱地獄を絵に描いたようなマグマ溜りが複数見え、マグマが今にも吹き出しそうな勢いで噴煙を上げて周りには火山灰をちらちらと降らし始めていた。空は晴天ではなくどんよりとした灰色に埋め尽くされていて空気も悪く、まるで何か不吉なことが起きる前兆ではないかと思わせるような感じである。火山の頂上には自然によって生み出された岩で出来た柵のようなもので囲われていて真ん中には大きなマグマ溜りがあるドーナツのようなつくりだ。高温なのか地面からは湯気が立ち上り、剥き出している岩はまだ赤く染まっている。マグマ溜りから飛び跳ねてくる溶岩は地面に落ちるとジューっと肉を焼くような音を出して固まっていく。
そんな地獄を表しているのような場所に1人忽然と悠然と何かを待つように立っていた。その何者かはシッカ王国の王都がある方を悲しそうな目で愉快にニヤける顔で静かに眺めていた。
螺旋階段を登りきった零蒔はその光景を見て嫌な予感を覚えた。
何故このような場所に人間のようで魔族のような男がいるのか。そしてその男は一体何をしているのか。零蒔は興味と不安を覚えた。零蒔の後から螺旋階段をやっと登って火山の頂上を眺めながら零蒔の視線の先にあるものを見た瞬間固まった。
「おや?やっと登りきって来たのですか?随分と遅かったじゃないですか」
男は零蒔たちの視線に気づいたのか。それとも単純の話し出すタイミングを伺っていたのか分からないが、零蒔とフェンリルを見て不敵な笑みを零しながらそう呟いた。
零蒔はすぐに身構えたがその男は気にせず零蒔の元へ近づきながら喋り出した。
「そう身構えなくていいですよ。私は直接あなた達に危害を加える気はまったくもってないですから。それよりまだ自己紹介がまだでしたね。私の名はシルバ・クルセイド。簡単にシルバとお呼びください。お二人はレイジ様とフェンでよろしいですか?」
その男ーシルバは、零蒔と5メートルほど離れた位置で止まると不敵な笑みを浮かべこう呟いた。
「あなた達のお探しの龍ならもうここにはいませんよ?」
「竜がいないだと?どういうことだ!」
こいつの言い回しだと火竜は倒されたや死んだというよりこの場所から飛び立ったの方が正しいか?だとしたら何故こんな日に。そもそも情報では火竜はこの火山でまだ寝ているとしか聞いてないぞ!
「言葉足らずでしたね。正確にはあなた方の探している火竜はもうこの地にはいません。代わりにその上位種焔龍ならいますが」
「焔龍だと?仮にその話が本当だとするならその焔龍もここにはいないじゃないか!」
そうだ。仮にこのシルバが言うことが本当であるならば何故のその焔龍がこの場にはいないのか。そしてこいつはそれを知っているということは何をしていたのか。
「焔龍ならついさっき私が北の方に放ちましたよ」
今こいつなんて言った?北の方だと?だとしたら俺らが来たほうじゃないか?確かこの先にはシッカ王国王都がある。
「何が目的だ?」
「目的ですか…そうですね。私たちは魔王など酔狂な者の下につかない。私たちは神に仕える」
「私たちだと?お前以外にも仲間がいるってことか!」
「フフフフ!仲間というより同士と言った方が私たちの関係性からしたら正しいですね。私たちは神に仕える理由はそれぞれ違いますが一緒に行動した方が良いと考えているからです。ちなみにここには私以外はいませんよ。私たちは自分たちのことを神の戒め『十戒』と呼んでいます」
「インデュラ?そんな組織聞いたことないぞ」
「えぇそうでしょう。私たちが大々的に行動を移したことは今日からなんですから」
今日からということは今までは影でなんかしていたということか。つまりこいつらは俺たち勇者が召喚されたことに関係はありそうだ。それに魔王とは関係ないということは魔族の中でも十戒について知っている可能性があるがこれは魔界領に行った時でいいかな。
「貴様らは魔神族と捉えていいのだな?」
「魔神族、正確には魔神族の味方をしているや従えていると捉えてもらって構いませんよ。私たちはずっと待っていたのですよ。あなたがこの世界に来る時を!」
魔神族を従えているだと?インデュラは魔神族だけで構成されているわけじゃなさそう。それに俺を待っていただと?一体何を言っている?俺がこの世界に呼ばれた本当の理由と関係しているのは間違いなさそうだな。
「何を言っているか理解出来てない顔をしていますね?フフフ、えぇまぁそうでしょう!ですがいずれあなたは理解することができます。そしてあなたは選択を迫られる!あなたはその選択次第であなたの運命が決まるのです。レイジ君、君はこちら側の人間だ」
シルバは訳の分からないことを言うと虚空に消え去った。零蒔は困惑していたが、火竜もとい焔龍が北の方つまりシッカ王国王都に向かったことを思い出し、察知を創り焔龍の位置を確かめ追うことにした。
「あのシウバとやらが言うことが確かならば零蒔様、焔龍によって王都は半壊どころじゃ済まされないかも知れません。それに焔龍の性質上高い魔力反応がする方向に誘われると聞いたことがあります。恐らくですが、王都の先にあるエルフの森に向かっていると考えた方がよろしいかと思います」
フェンの言う通りだ。帝都の図書館で読んだことが正しいなら魔力が多いところに龍は集まると書いてあった。もし焔龍がエルフの森であるラントに向かったのであればその通り道の王都は愚か終着点であるラントは消滅するだろう。今から馬車で追うとしても少し遠回りで進むハメになる。だったらこのまま一直線に突っ走るのが一番。よし、察知にも反応がある。予想通り転移指定距離外に既にいるから転移はできないけどこの速度なら王都を襲っている時には追いつける感じだな。
「フェン!お前は馬車を引いてなるべく速く追いついてこい!俺はこのまま一直線に走ってやつを追いかける。お前は王都に着き次第王都で逃げそびれた人たちを最優先で救いに出ること。絶対に1人も死なすなよ!」
「零蒔様は!俺はやつの討伐に掛かる。焔龍と来たらあのファミリアでも準備が出来てない状況では歯が立たないだろ?それにあそこで一番強いのは俺だからよ」
「身体強化、強靭、倍速駆動『3倍』」
こんな緊急事態になるんだったらレナのこと置いてくるんじゃなかったよ。くそ!マジで無事でいてくれよな!
やっぱりね、決め事って破るもんだよね,,,,,,すみません




