short story ~Xmas story~
零蒔たちがまだラビアに勇者召喚される遥か前、零蒔、小春、琴音、里奈が初めて愁と出会い友達となり一緒に行動するようになってクリスマスを迎えた。ややこしい説明になってしまったが要は零蒔と愁が親友となってから初めてクリスマスを迎えたという事だ。なら最初からそう言えって感じなんだけどな………。
この世界の人間が誰しもが喜ぶであろうめでたい日、聖夜という名のリア充が東京に雑踏し、ゴミのように「パリピうぇーいw」と語彙力のない発言をしてしまう悲しい日とも言うな。
そもそもクリスマスってなんだか知ってるか?キリ〇トの誕生ってまずなに?無神論者の日本人にはきついからな?まぁそんなことは置いておいて(なんか差別用語になりそうで怖いから辞めておこう)、クリスマスとか小さい頃はケーキが食べられるし、欲しかったものを親…ゲフンゲフン、サンタさんから貰えて嬉しい行事ではあったが、身も心も成熟していくとクリスマスまでには「彼氏彼女欲しい」とか若い奴らが言っているが、実際はクリぼっち避けたいがためだろと思うのは俺だけだろうか?そんな俺が一つの解決策を教えてあげよう!クリぼっちが嫌ならクリぼっち避けたい奴らでくっつけば万事休すだろ。だってクリスマスだけ「クリスマスはぁ、彼氏とデート♡」とでも友達かツ〇ッターで報告すれば満足するんだろ?
てか実際クリスマスの前になって男に色目使う女とかいるがバレバレだから。いきなり男意識するとかクリぼっち避けたいってバレバレだから。無理に彼氏彼女を作るんだったら同性同士で聖夜を過ごせよ!え?そんなお前はどうかって?確かに俺はこんなにえせリア充が沢山ゴ〇ブリのように湧き出る聖夜をボロくそのように言っているが予定は詰まっている。俺は本来クリスマスとか全く持って興味は無く、俺はその聖夜の日にぐっすりラノベを読もうと思っていたのにいきなり俺の部屋に二人のビッチ…美女が「零蒔君!今から買い出し行くよ!」と叫び俺が反応するあいだに俺はパンイチにされ、外に来ていく服を無理やり着させやれた。ほんとに酷い奴らだよ。俺は冬休みに入ってから怠惰な生活遅れてないっていうのに…フゲシッ!…痛い!何をするんだ!いったい誰だ俺を殴って来たのは!
「ねぇねぇ、零蒔君?ビッチってどういう事?それとここショッピングモールだからねデートに来てる人いっぱいいるのになんでそんなに卑屈な考えが出るの?」
俺を殴ってきたのは俺の恋人の一人である桐崎小春。通称春と呼ばれている。彼女は一般的に美少女と言うより可愛い美少女といったほうが適切かもしれない。ショートボブとミディアムの丁度中間らへんに整えられた亜麻色の毛先にかけてカールが掛かった髪型で身長は160cmの声は萌え声だ。更に春はDカップある!俺の好みはCだが春の胸は大きいのに垂れることなく綺麗な形をしていてCの少し大きい感じと言えばいいだろうか。まさに俺のタイプだ。そしてアニオタのタイプでもあるだろう。春を1度秋葉に連れて行ってそこでアニオタの友達と会った時、「二次元が三次元化してる?!」と驚かれたのだ。
「零蒔君、さっきから心の中で言っていると思っているかもしれないけどすべてダダ漏れだよ。そのせいでさっきのクリスマスがどうとかの話をしている時、周りの人がちょっと赤くしてたよ?」
赤くしてたって、おそらくその人達はまさにその通りなんだろう。一時的な付き合いを言い当てられてしまったんだから恥ずかしいだろうな。というよりこれ全部ダダ漏れだったの?!なんか恥ずかしいんだけど!
「それよりも零蒔君!琴音ちゃんとはぐれちゃったんだけど今から探しに行くから付いてきてよ」
恥ずかしさに悶絶している俺に春は琴音が迷子になったから一緒に探せという命令をされてしまった。あ、あぁ琴音とは四之宮琴音といい、俺の恋人の二人目だ。といっていてこいつ二股かよ死ねよ!とかいわれるだろうが、この国は遂に一夫多妻制と一妻多夫制を適用したのだァァァ!何故かって?そんなの簡単だよ。この国少子化が酷くなって少子化対策のためにこんな制度が作られたんだとか。まぁ一妻多夫制は妻一人じゃん!とか思ったけど俺は中学生なのでそんなの知らんな。話が逸れてしまったから話を戻そう。琴音は肩下まで伸ばしきった茶色が少し入った黒髪で貧乳(本人曰くBとCの中間)でツンデレだけどすごい優しい。多少強気な所があるが押しに弱いし、方向音痴で何かあればすぐに俺か春に頼る。声はテンプレもテンプレって感じの声だ。
「それであいつからは電話来てるのか?」
「ん?あ、それがねー私たちとはぐれたあとに1度連絡をくれたみたいなんだけど、そのあとから反応し無くなっちゃったの。それでね!零蒔君が電話したら多分すぐ出ると思うんだよ!」
「何で?!俺はそんなに影響力ないぞ!」
「何言ってるの?琴音ちゃんって零蒔君にぞっこんなんだよ?零蒔君から電話が来たら即出るに決まってるよ」
「そうか?まぁ電話するにはするが出なかったら携帯の充電がないってことだろ」
そういえばなんで買い物に連れてこられたんだっけ?…あ、クリスマスパーティーしたいって春が計画してたな。それで里奈と愁を呼んで家でクリパしようとか言って連れてこられたんだっけ。待てよ、このカゴにケーキの材料にチキンにその他諸々の食材が入ってるけど誰が料理するんだ?春も琴音も料理は出来るけど春は何故か自分の体液混ぜてくるし、琴音はなんか俺専用の料理とか言って一人分の料理しか作れない謎な病気を背負っている。里奈と愁は夕方の6時くらいに来るって言ってたからこの二人は作らないだろう。だとすると俺か?まぁ普段料理はしているからなんとなくそうなりそうな気がしてきたな。
「零蒔?!ど、ど、どうしたの?いきなり私なんかに電話してきてなんかあったの?」
おっと、クリパのことを考えていたら琴音と繋がっていたようだ。それにしてもなんだこの慌てようは?
「おお、やっと繋がったか。琴音は今どこにいるの?春からなんかはぐれちゃったから連絡してくれって言われたから電話したんだけどさ」
「え?あ、あぁそういう事ね。私今ね駄菓子のところにいるわ」
「はぁ、なんでまた駄菓子コーナーなんかにいるんだ?」
「いや、だってその新しいお菓子が発売されてたからその気になって…」
電話越しからでも分かる琴音が照れている様子が思い浮かぶ。それにしても琴音はほんとに駄菓子が好きだ。駄菓子に限らずお菓子全般にスイーツが大好きだ。春も同じように大好きだが程度を知っている感じだが、琴音は気づいたら食べている。学校の休み時間になったら食べている。休日になると必ず俺にお菓子をせがんでくるといった乙女っぷりがある。
「わかったから。今から春を連れてそこに行くから動かないでくれよ。今日はケーキ作るからお前の分はクリーム甘めに作ってやるから」
「え?!ホント!じゃあ私待ってる!」
琴音と合流して買い物を済ませ家に帰宅し料理を作り始めて6時を迎えた。
え?割愛しすぎだって?そんなの仕方ないじゃない。だって尺がないんですもの。
「いらっしゃい!里奈ちゃん、愁君!久しぶりだね〜」
どうやら二人が来たみたいだな。家は基本的に6人で暮らしているからそこそこ家が広い。よく友達とかがうちに来ると「豪邸かよ?!」って驚かれるが大して広い訳では無い。一軒家が五つほど合体した大きさと同じだとだけ伝えておこう。
え?六人とは誰だって?両親、俺、中1の妹、春、琴音の6人だが、両親は海外に出張が多く家にいる時間がほぼない。逆に家にいたら「不審者?!」と驚いてしまうほどだ。
今日は妹が友達の家に泊まると言って居ないため実質3人しか居なかったのだ。他に何で他所の娘が二人住んでいるかというと俺の家を挟んだ左右の家は二人の家で左が春で右が琴音の家であり、二人の両親はこぞって「零蒔君になら娘を預けてもいいわ〜」とか言って二人を俺の家に住まわせた。
家の家庭事情とかは置いておいて現実に戻ろう。里奈の家は家の目の前だ。愁の家は正直分からんな。二人はなんだか駅で待ち合わせるとか言っていたから街が違うのだろうな。
3人とは幼馴染でこの街に引っ越して来た時は驚いた。まさかの俺の家を挟むようにして引っ越してきていたことに驚いてしまった。
「愁と里奈、いらっしゃい。もう準備は出来ているから中に入ってくれ!」
それにしても二人の格好はパーティーにでもきてるんじゃないかっていうくらいの服装だ。
「零蒔〜、料理並べ終わったわよ〜」
「わぁぁ!凄いね!何この料理は!全部零蒔くんが作ったんだよね?」
大きな卓上に並べられているのは零蒔が作った料理が置かれていた。
真ん中にはケーキがあり、それを取り囲むようにチキン料理にクラッカーを使った料理、ビシソワーズスープなど零蒔が思いついた簡単な料理ばかり置かれていた。
「さて、リア充がウザイウザイとか言っていたけど案外こうやっていつメンで集まって過ごすって言うのもなんかありだなって思ってしまった俺が恥ずかしいが、今日はとにかく歌って踊ってはっちゃけて楽しい聖夜を過ごそうじゃないか!」
と準備が出来たし、みんなもコップを持ったみたいだから適当に叫んでみたら凄い冷たい視線が送られてきたんだけど!
「零蒔君?ちょっと後で私の部屋に来てね?お話したいことがあるから」
とにこりと笑いながらこちらを見ているけど目が笑ってないから!ふつーに目が怖いから!
はぁ、分かったよ。ちゃんとやればいいんだろ?てか俺のキャラに合わないと思うんだけど…
「わかったからそう睨むなって!はぁ、それじゃ、今日は粗末な料理しか作れてないけど楽しんでいってくれ!乾杯!!!」
「「「乾杯!!!」」」
「………ちょっと待って!こういう時ってメリークリスマスじゃなかったっけ?!何でこんなに締まらないの?」
なんか愁が言っていた気がするがここは我々の乾杯を通させてもらうぞ!
何やかんやあったが今日は久しぶりに楽しめる日が来たようだな。
聖夜ってそもそもなんだか知らないがまぁいいだろう。
クリスマスというのにクリスマス感が出ないから少しでも雰囲気が出るように「メリークリスマス」と心の中で呟いてみた。