涙の彼女
是非読んで下さい!
俺、北見 朔矢は今日放課後の教室で凄いものをを見てしまった。それは、いつも笑顔で可愛いと男からも女からも好かれている福井 優芽さんが泣いてる所だった。彼女は、俺と同じクラス。実際まだ一度も女と言う生物を好きになったことの無い俺でも彼女の事は、普通に可愛いと思う。そんないつも笑顔で可愛くて、周りに気を配っていて、頭も良くてスタイル抜群の福井さんが俺の前で泣いている。彼女は、まだ俺の存在に気づいていない。ほっとく事も出来たが流石に俺も一人ぼっちで泣いている女の子を無視していく程の酷い男じゃない。
「お、おいっ。」
バッと福井さんが勢いよく振り向いた。
目を真っ赤にしながら涙を溜めたその瞳をこちらに向ける。福井さんのそんな乱れた顔を見るのは、初めてだ。
「、、、、いつから見てたの?」
俺は、返答に困った。いつからと聞かれてもどう答えて良いか分からない。
「えっと、、3分位前だな。その、、お、お前は、」
俺は、自分でも、驚いた。俺が変に緊張してる。そして福井さんをつい「お前」だなんて呼んでしまった。
自分の言動により緊張感が増す。
「何で泣いてたんだよ。」
やっと沈黙を破って言葉を発する事が出来た。
ビービー、虫やお化けを見て泣いてる女子は、見たことがあったがこんなに消えてしまいそうに泣いている女子は初めて、どうやら俺は、女の心からの涙に弱いらしい。
「じゃあ今の3分間の事忘れて。」
えっと思い彼女の顔を見た。彼女は、一瞬儚げに笑うとゴシゴシと目をこするり俺にいつもの笑顔わ見せた。
「北見君、私泣いてなんかないよ!心配してくれたのは、嬉しいし、ありがとうって気持ちで一杯。だけど大丈夫だから!」
俺は、無表情で福井さんの顔を見た。いつもは、普通に可愛い彼女の笑顔が今は憎く見える。泣いていた事は、目の下の赤い腫れで一目瞭然なのに、彼女のとびきりの笑顔は、それを見事に隠してしまう。
俺も多分泣いてる所を見ていなかったらきっと騙されていた。だけどついさっきまで見ていた涙が頭から離れなくて、、、知りたくて。
「さっさっと言えよ。」
福井さんは、少し驚いた表情をした。
「なんの事?」
まだ、隠しとうおそうとする彼女に少しイラついてきた。
「泣いてた理由に決まってんだろ?」
「北見君に関係ないよ。」
福井さんの顔には、もう笑顔は、無かった。
「泣いてた理由位言えよ。何?それとも言えない位惨めな理由なの?」
俺は、少し意地悪ぽく言った。すると福井さんは、
「うるさい!あたしは、今悩んでるの!」
と大声で言ってきた。
「じゃあもう一度泣けよ」
「は?」
俺は、無意識にいってしまった。ただ考えた事は今も悩んでるなら泣き止まずに悩んだら良いじゃんと言う事。
「俺が居るからって別に気使わなくて良いよ。俺は、1度お前の涙見てるし。1度見られた人にまで変なプライド持たなくて良いと思うぜ?」
彼女の表情が少し雲ってきた。
「今は、泣いた理由聞かねーから取りあえず気が晴れるまで泣いたら?」
「北見君、、酷いね。」
一筋の涙が彼女の瞳からこぼれた。
俺は、彼女から目を反らさない。
「私さ、出来たら人前で泣きたく無いの。弱い所見せたく無いの。強くて綺麗な私だけを見て欲しい。弱くて、壊れかけた私なんて見てほしくない。」
彼女が必死に涙をこらえてるのがヒシヒシと伝わってきた。
こらえていた彼女の涙がまた、一筋こぼれそうになる。
ぎゅっ。
俺は、その涙がこぼれる前に彼女を全力で抱き締めた。
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