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城攻略 2

天運の碑石というアイテムを求めて、不夜城までやってきた。

「そして、牢獄に囚われました。はぁー」

 1号は派手に上空から侵入した為、すぐに衛兵に囚われ、地下の牢獄に監禁されている。


「ふんっ」

 部屋の隅にドワーフ?のおじさんが腕組みして座っている。身なりは如何にも盗賊らしい服装で、足枷に重りが付いている。1号には足枷は付けられなかった。弱そうだから?だろうか。失礼な話だ。※1


「一応、聞いてみるか」

 1号は部屋の隅のドワーフに近づく。


「あのー。天運の碑石ってここにあると聞いたのですが」

「・・・・」

 1号が問いかけるも、返事はない。

「だめか」


 気まずい沈黙が続いたが、ドワーフが重い口を開いた。

「ここから出してくれたら、教えてやる。ふんっ」

 天運の碑石の在りかを場所を知っても、檻から脱出しなければ意味はない。


「あっ」

 1号は白竜から貰ったアイテムを思い出すが、出し方を知らない。


「あのー。アイテムの出し方とか知らないですよね?」

「お前さん、そんな知識でここまで辿り付いたのか?」

 1号の質問にドワーフが唖然とする。

「手を開いて、アイテムを思い出せ。ギルドで習っただろ?」

「まだ行ってないと言いますか、、」

 ドワーフは完全に呆れているが、アイテムの出し方を教えて貰った。実はいい人なのだろうか?毛むくじゃらで顔が怖いけど。


「よし、アイテム出してみよう」


 確か色はグレーで、大きさは手に収まるぐらいで、名前は翼竜の飛翔石だったような。

 右の手の上にアイテム翼竜の飛翔石が出てきた。

「おお、出てきたすごい」

 1号が驚くと、隣のドワーフが目を見開く。

「なっんあっ、おい、どこでそんな物を手に入れた?」

 ドワーフは1号の肩を両手で掴んで、揺さぶる。だいぶ興奮している。


 程なくして、意識をアイテムから外すと手から翼竜の飛翔石が消えた。慣れるともっと早く出せるかもしれない、今度練習しよう。


「教えていいのかな?これ?ある人から貰いました」

 ドワーフに圧倒されながら、1号が答える。

「貰っただと?竜からか?」

「あ、ばれた」

 1号は濁してドワーフの質問に答えたが、濁せていなかった。


「わかった。そいつをくれれば、碑石を盗むのを手伝ってやる」

 さすがにドワーフ、強欲だなぁ。1号だけではここを抜け出す事も出来ないかもしれない。

「クエストが無事に終わって、白竜さんの了解が取れたら、あげても良いですよ」

「まあ、それで良しとしよう。ワシの名前はワッズじゃ、よろしくな坊主」

「よろしくお願いします。ワッズさん。俺は1号です」

 頼もしい助っ人の加入にクエスト攻略の糸口を見つけた気がした。


「それで、どうやってここから出るんです?」

「その石があれば出るだけなら簡単だろう」

 ああそうか、でも再び白竜のジェットコースターに乗るのは御免だ。


「しかし、碑石を取るには地下2階、ここの下の社まで行かねばならない」

 ワッズが顎下のヒゲを触りながら話す。

「ほうほう、下にあるんですね」

 1号は助手になったように、相づちを入れてみる。

「掘ってみるか。ここの岩より硬い鋼材を持ってこい」

「え?掘るんですか?」

 1号は昔見た脱獄する映画を思い出したが、長くなるので割愛する。

「心配するな、ここの衛兵は殆ど見回りに来ない。穴掘りは誰よりも得意だ」

 ワッズが肉厚な胸板を仰け反らせる。

「鋼材の調達は坊主の石があれば簡単だろう。その石は2箇所、場所の登録ができる」

「なんと!」

 そんな便利な石だったとは。1号はワッズにあげる約束をちょっと後悔した。


 あれ?そう言えば取引不可の設定だったような。


未だ初期装備の主人公、まだまだ続きます。


※1ドワーフ:自動翻訳機能にて、その惑星に馴染みの深い伝承や言い伝えから適切な物が選択される。


修正)1/23:インデントを修正した。

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