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城攻略 1

白竜から初めてクエストを受注し、

キーアイテムの翼竜の飛翔石を手に入れた。

「人間の城までは少し距離があります。送りましょう」

「ありがとうございます」

 以外とやさしいなあと1号は思ったが、すぐに考えを改める事になった。


 白竜はその場で翼を広げ浮遊した。4本ある足の中の前足で1号を掴み、そのまま岩の裂け目を縫うように竜の巣から飛び出した。その後も有無を言わさず飛び続け、1号は物凄いスピードで息もできない。失神寸前まで追い込まれたが、白竜は速度を緩めて上空にホバリングした。


「彼処が人間の城です」

 白竜は変わらず、静かに落ち着いて語る。

「城の周囲や、城内には結界の施しがあり、我らでは入ることができません。しかし、さすがは愚民族と呼ぶべきか、上空からはその限りではありません」

「ぐふっ。なるほどっ。ごほっ」

 1号はやっと高速ジェットコースターの恐怖から復帰していた。


「これ以上は近くに寄れないため、ここでお別れとなります。一応の為、風の加護を付けますが、死ぬことは無いでしょう。必ず天運の碑石を持ち帰るのですよ」

「え?落とすの?うすふぉぉぉぉぉ」

 白竜は1号を掴んでいた前足を解放した。


「あばばばばば」

 上空から一気に城へ向けて急降下する。


 バッシャーん。


 1号は、ちょうど中庭の池に落下した。

「くそう、飛んだ後は落下かよ。もうあの竜には乗らない。」

 落下ダメージは無いが、精神的にかなりダメージを受けた。


 システムメッセージが鳴り響く。

「不夜城の侵入に初めて成功したプレイヤーが現れました!1号さんです。それでは引き続き、不夜城ver1.0をお楽しみください」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 時を同じくして、開発ルーム。


「はははっ。1号さん、最高!すごいですよ、博士!」

「あーもう。寝かせてくれ」

 勧誘に失敗続きのロリ博士は机で寝ている。偉大な博士のはずが、ぞんざいに扱われている模様である。開発ルームには女性2名の他は見えない。


「城の侵入者第1号ですよ!ソロで初期装備とか、ははっ」

「なに!」

 ロリ博士は飛び起きて自席のコンソールを覗き込む。

「そんな、どうやって」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 時を同じくして、別のフィールドマップ上に1人の女性冒険者が居る。


「1号って、まさかあの人。信じられない、バグ?」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 1号が中庭の池の中で呆気に取られている。


「システムメッセージだ。あれ、初?俺が?」

 これまで1番を取った事があまり無いので、素直に嬉しい。


「侵入者だ!警備隊は中庭に集結せよ!」

 喜びもつかの間、周囲が慌ただしくなってきた。


「どぉぉぉやってクリアするの?これ?」

 1号は両手を上げて、抵抗しないポーズを取る。完全に衛兵に包囲されている。


修正)1/22:衛兵のセリフの誤字を修正した。

修正)1/23:インデントを修正した。

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