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城攻略 4

 翼竜の飛翔石を使って、ワッズが捕まっていた牢獄にやってきた。

 周辺を警戒していると、アンデット系のモンスターが2体、牢獄の向こう側にいる。

「うわ、早速モンスターがいる」

 牢獄の外側は鍵が掛かっているので安全だ。一応、音を立てないように抜け穴を使って地下2階に降りた。

 地下2階に前回苦戦した衛兵の姿は見えない。上の階に避難したのか、守る碑石を失った影響なのかはわからないが。代わりに牢獄で見たようなアンデット系のモンスターがチラホラいる。

「キュー助、地下の階段はこっちだ。行こう」

「キュ」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 地下の迷宮を進み続けて、地下5階に到達した。道中はまったく危なげなく、簡単だった。なにせ、相棒のキュー助さんがメチャクチャ強い。

 5体くらいのアンデットに遭遇しても、ブレス攻撃で焼き払い。突然背後に現れたモンスターには、風を纏っての体当たり。アマゾネスのネバさんが怖がる理由がわかった。

 これはパワーレベリングできるのではと思ったが、まったく経験値が入らない。最後に倒さないと入らないのだろうか?1号は未だにレベル1のまま地下5階に来たのだった。

 地下5階はだだっ広いフロアになっていて、天井も高い。

「あれ、誰かいる」

 フロアの奥の方で誰かが戦闘している。


「ブラックドラゴン?あれだ!」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 ドラゴンはその名前の通り体が真っ黒い。体の所々に紫色の炎が立ち昇っている。体は大きく、高い天井に届きそうなくらいだ。

「まずいですね」

 戦闘系ギルドのギルドマスターであるライトが表情をしかめる。

「だめだ、一旦、引こう」

 冒険者の一人が撤退を提案しながら、たまらずその場を立ち去ろうとする。


「グハアアアー」

 ドラゴンは立ち去ろうとする冒険者へ紫色のブレスを放つ。難なくブレスの炎が着弾すると、冒険者を包み込み体力を奪う。

「うああああ」

 ブレスを受けた冒険者は、転げのたうちまわり、そして消失した。

「あと少しなのに」

 銀色の軽量級のアーマーを身に纏う女性の冒険者がドラゴンになおも立ち向かう。


 戦闘系ギルドは城下町に進行しているモンスターを食い止める方法を模索していた。

 その元凶がこの城の地下にある事を掴むと、有志による討伐隊を募集し、数十名のギルドメンバーが集まった。

 ドラゴンの強さは圧倒的で、冒険者を次々となぎ倒し、残りは4人そのうち一人は先ほど退場した。


「リサさん、ここは私が食い止めるので逃げて下さい」

 ライトは青白いフルアーマを身にまとい大きな盾と片手剣でドラゴンを牽制する。

「あなたを倒される訳にはいかないわ」

 NPCは倒されると復活できない。彼を失えば、この先ドラゴンに対抗できるすべが無くなる。

「私が引き付けます。逃げて下さい」

「あなた一人では無理です!」


「ぎゃああああ」

 リサとライトが討論している間にもう一人の冒険者が退場した。


「グララララララ」

 ドラゴンがあざけ笑う。


「このおぉぉぉぉぉぉ!」

 リサがドラゴンの挑発にのり、ドラゴンの脇腹へ片手剣を突き立てるが、絶命には至らない。

「あぶない!」

 ドラゴンがお返しとばかりに大きな爪でリサを切り裂こうとするが、ライトが盾で受け止める。


「グハアアアーァー」

 続けざまに紫色のブレスを2人に放つ。ライトの盾で大部分を防いだが、2人共にダメージを受けて膝を着いてしまう。


「え?」

「ん?」

 リサとライトの横を高速で何かが移動する。小さなドラゴンに(くわ)えられた初期装備の冒険者?


「グハアアアーァー」

 ドラゴンが反応してブレスで迎撃を試みるが、小さなドラゴンが見事に(かわ)しきる。


 小さなドラゴンはドラゴンの上空まで接近すると、冒険者を離した。冒険者はそのままドラゴンへ向けて急降下する。


「よっと」

 初期装備の冒険者はドラゴンの背中へ、グサリと黒い剣を突き刺した。



 ーーシステムメッセージ

「おめでとうございます。ブラックドラゴンの討伐に成功しました。ラストアタックは1号さんです。」


 リサとライトが唖然とする間、ブラックドラゴンは黒い泡の塊となった。


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