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報酬と次のクエスト

 次の日、ログインして竜の巣にやってきた。お、白竜さんが居る。白竜さんのそばでキュー助は寝ている。

「取ってきましたよ」

「よくやりました。さあこちらへ」

 白竜さんの近くに行き、苦労して取得した天運の碑石を渡す。1号は初めてクエストをクリアしたが、顔が沈んでいる。


「どうしました?浮かない顔をしていますね」

 白竜さんが顔色を伺った事に少し驚いたが、1号は城下町を無茶苦茶にしてしまったので気が引けていた。

「実は、友達が城の城下町に溢れてしまったモンスターで困っていまして」

 1号は正直に話してみる事にした。何か解決策を知っているかもしれない。


「まずは報酬をあげましょう」

「あ、その事なんだけど、手助けしてくれた人がいて、お礼がしたいのだけど、もらった翼竜の飛翔石の所有者を変更する事はできないでしょうか?」

 多分無理だろうなぁと思いつつ、白竜さんに聞いてみる。

「手伝いをした(やから)に石を譲りたいと?」

「そうです」

 良かった意味は通じたみたいだ。

「それはできません」

「やっぱり」

 1号は肩を落とす。どうやってワッズさんに謝ろう。

「ですが、これを代わりに渡しなさい」

 白竜が1号へ別の石を渡す。

「これは?」

「飛べる場所を人の城に限定しています。あの城を落とす手伝いをするのであれば、好都合です」

 やった、これならワッズさんも納得するに違いない。


「おまえにはこれを渡します」

 1号が持ってきた天運の碑石が青白く光り、1本の短剣へと姿形を変えた。

「おおおお、初の武器だ」

 刀身が黒くて両側に刃があり、中に読めない文字が薄っすら書き込まれている。短剣の(さや)は、黒い結晶みたいな物が散りばめられている。これは物凄く嬉しい。

「この短剣は1体のドラゴンのみを倒す為に存在します。その他の種族には効果を発揮しません」

「な、そんな・・・」

 見た目はすごくカッコイイのに、ドラゴンだけにダメージを与えるって事か。正直使えない、数秒前のときめきを返して欲しい。


「ドラゴンは人の城の地下深くに居ます。その剣を一刺しすれば、この世界から消し去ることが出来るでしょう」

 白竜さんから次のクエストを受けた。次の目標は城のさらに下の階層にいるドラゴンを倒す事らしい。

「それと、ドラゴンを倒せば、人の城周辺のモンスターからの進攻も防げるはずです」

「またあそこに潜るのかぁ」

 翼竜の飛翔石の登録先に牢獄がまだ登録されているので、そこから再スタートできるが、苦戦は必至だろう。

 早くこのクエストをクリアしないと、2号になにを言われるか分からない。


「おまえだけでは少々頼りないのも確かなこと。手伝ってやりなさい」

「キュー」

近くで寝ていたキュー助が飛び起きて、1号の周りをピョンピョン飛んでいる。


「おおおお、キュー助、手伝ってくれるの?」

「キュー、キュー」


今回のクエストは頼もしい助っ人が加わる事になった。




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