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捕獲1号

「知能レベルの高い人型を確認、疫病外敵などの影響は低レベル、小規模のイザコザはあるものの、安定した文化レベルの向上が見られる」

 少女は特殊なスコープから青い惑星をスキャン分析を完了し、調査結果を報告している。


「報告書の提出を確認をしました。引き続き業務を進めてください」

「まかせておけ」


レポートの提出先である人物からの返答を受けて、上陸の準備を進める。


「ポイントはこの辺で良いかな?人型Fのスキャン開始!どん!」

 少女が画面付きのコンソールへ音声のコマンドを入力した。

 彼女が選んだポイントはなんと秋葉駅周辺、上陸し易い場所も既に分析済みだ。コンソール画面にはスキャン対象の女性達が浮かび上がっている。赤ちゃんから老婆まで女性達の画像がコンソール画面に浮かび上がる。


「んー、これにしようかな?」

 少女は画面から1人の女性を選んだ。


 ピコぉーん


 瞬時に自身の奇抜な装いから画面の女性の衣服がコンバートされた。

「サイズ補正問題なし、これより降下する」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 名前はまだ言えない(30歳)は普通のサラリーマンだった。会社の研修で秋葉原に訪れ、帰り道でアレに遭遇するまで普通だった。

 「早帰りラッキー」とウキウキ駅までの道のりをスキップし、(絵図らは少し気持ち悪い、少しと言う事にしよう)ショートカットだ!と小道に入り、駅までの時間短縮を狙ったのだが。。


 頭上からの飛来物により、その日命を絶った。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 気がつくと、近未来的な室内に座らされて、向かいの席には少女が座っている。

「どこだここ?あれ、この子どこかで、」

 この少女どこかで見たことがある。たしか、研修の帰り道で降ってきた、赤いフリフリとした。


「なーにをブツくさ言っている」

 少女は可愛い服装だが、目を細めて表情が若干険しい。


「そうだ!こんな感じのメイドさんが空から落ちてきて、死んだはず」

 男は記憶を辿って、少女との出会いとその身に起こった出来事を思い出した。


「まったく、上陸ポイントが予想より高かったが、シミュレーションでは98%巻き込まないとでたのに。なんと不運な男なのか」

「え?」

 少女のため息混じりのぼやきを聞き、男の返しは今ひとつだった。


「まあいい、おまえは捕獲1号だ。覚えておけ」

「え?」

 またしても今ひとつな返事に少女は少し苛立つ。


「だから、そのまま肉片にしといて良かったんだが、私の天才的手腕と慈悲によりクローン再生してやったのだ!ありがたく思えこの○×△が!」

「えええええええええええええええええ」


 そして、名前はまだ言えない(30歳)が2度目の誕生日を迎えたのでした。名前は1号だそうです。適当だなぁー。


「待ってくれ、あの時グシャってなったけど、生きてるって事なのか!」

「いや、死んでる」

 少女の回答にがっくし項垂れる1号、僅かな期待を持っていたらしいが、すぐに潰えた。


「クローンだと言っただろ!バラバラになった肉片とその他残骸を持ち帰って、遺伝子情報から再生したのが今のお前だ。脳だけは若干サルベージに手間取ったが修復して、クローン再生した脳へ情報だけ上書きしたのだ」

 1号にはほぼ理解できなかったが、今の自分を通して、すごい事はわかる。この少女はどうやら現代科学より先のテクノロジーを持っているらしい。


「もしかして本当に異星人でいらっしゃる?」

「いかにも」

 少女がやれやれと返答するが、1号は信じられないと頭を振っている。


「それで、記憶が曖昧なのか?」

「それは余興の一環だ。クローン処理に問題はない。わざとロックしている、名前だけな」

 少女がニヤリと回答した事で、1号は寒気がした。異星人で少女のメイドさんは高度な技術を持ち、脳内の情報も意図的に操作できるらしい。まったく恐ろしい。


「もしかして、私はこれから色々なお世話をする事に使われるのでしょうか?」

「余計な気をまわすな、お前は私の趣味ではない」

 覚悟を決めて1号は少女に聞いてみたが、結果は何だか虚しい気持ちになった。こう見えても異性にモテる方である、こう見えても。。


「あーもー、こんなに時間を使ったではないか!手短に言うと危害を加えたのは私だ、すまないと思っている。なので、1号には余興を楽しんで貰おうと思う」

「うわー。やな予感しかしない」

 少女は早口で適当に謝罪し、目はキラキラしている。なんだろう、珍しい昆虫を見つけた感じなのだろうか?


「私が開発したゲームに招待しよう。サービスが始まったばかりで参加者は少ないが、君たちの文化レベルでは考えられないような体験ができるだろう」

 少女がやたら誇らしげに語る。腕組みしながら、ふんぞり返りながら。


「いやいやいや、そうゆうの好きじゃないし、記憶戻してもらえませんか?」

 1号の嫌な予感によれば、ここはゴネて記憶を戻して貰った方が良いと判断した。



 ピピィィィィィィィィィィィィ


 変な警笛音が鳴った。


「だから時間ないって言ったのに。ゲームの説明できなかったよ。もー」

 少女が年相応に可愛く頬を膨らませる。


 1号の体が固まった。「・・・・」何も言えない。


「転送開始準備の為、凍結を開始します」

 システマチックなアナウンスが響く。対象は1号らしい。


「転送先は家の近くにしてあげる。余興については、この家の地点の時間帯で0時に自動で開始するから、お楽しみに〜」

 少女が引き続き可愛いモードで伝えるが、1号はもちろん反応できない。


 近未来の部屋からの転送が開始された。1号の意識は遠退き、ブラックアウトする。

修正)1/22:ロリ博士のセリフを横柄に修正した。

修正)1/22:おっさんスキップを追加した。

修正)1/23:レポート提出さきの人のセリフを丁寧に修正した。

修正)1/23:インデントを修正した。

修正)1/23:旧2話を1話に統合しました。

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