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私とたまご 5

少し時間がを戻って、天使視点になります。

待ちに待った今日のこの日は、女の子にとっても、俺にとっても、輝くほどに、感動に満ちた1日になるだろう。


今まで感じた事のないほどの、高揚感に包まれながら、かごに入れて、白い布をかけられているたまごを見みた。


さっきから、にやにや笑いが止まらない俺は、ゆっくりと会場へと歩いていく。


そんな俺を見かけるたびに、同じたまご部屋に勤める同僚たちが、俺のすぐそばに集まってきて、誰もが軽口をたたきながら、口々に祝いの言葉を口にする。


そんな中で、見習い期間中にずっと、俺のそばについていて、一時も離れる事なく、指導にあたってくれた、第五位に位置する先輩が俺に声をかけてくれた。


「おめでとう、良く頑張ったね新人君。この後のたまご授与式が終われば、新人君も、晴れて僕たちが認める、一人前のお世話係りとなるんだね」


にっこりと笑って、さりげなく言った先輩に、俺は、心からの感謝の気持ちを伝えたいと思う。


「俺が、最後までやり遂げられたのは、親身になって、俺の面倒を最後まで見てくれた、先輩のおかげです、本当にありがとうございました」


それを聞いて、照れた先輩が、右手で軽く頭をかくと、俺たちはふたり並んで、会場へとゆっくり歩いていった。


そんなふうに、時間をつぶしながらも、会場にたどりついた、たまごお世話係り担当の俺たちをふくめた面々はいま、神さまの後ろに控えながらも、感動的な場面に立ち会っている。神さまに酷いめに遭わされた、人間の女の子、ただひとりだけのたまご授与式。


「えー、ではこれより、わしが長きにわたり、迷惑をかけ続けてしまった、人族の女の子のための、たまご授与式を今から執り行なおうと思う」


神さまが、もったいぶった言い回しで、演説が始を始める。


「わしは、この女の子には十分に、使い魔を受け取る資格があると判断し、女の子の方でも、自ら育てたいと申し出てきたため、今日の良き日に、この運びとなった」


神さまの長い演説は、まだまだ続く。


だが俺は、神さまの演説を真剣に聞くフリをしながら、この後にするべき段取りの事で頭がいっぱいだったために、神さまの話しなど、全然聞いてはいなかった。


この演説が終わった後に、俺が始めてお世話を任された、使い魔のたまごを渡す段取りになっていた。


3つのたまごから育てた1つ目のたまごを、俺自身の手で、わたす手はずになっていて、その時の感動は俺の中では、ひときわ大きいものとなるだろう。


そして今、霊布に巻かれたままのたまごを、ひとり前に進みでた俺から、大事そうにうけとると、女の子は腕の中の使い魔のたまごを、優しい手つきでそおっと抱きしめた。


そしてこの時、人生最大の大ポカを俺はやらかしてしまう。


本来は、巻きつけた霊布を取って、確かに使い魔のたまごだと証明してから、渡さなければいけなかったのに、テンパっていた俺は、霊布をとらずに、渡してしまった。


その後に命名の儀式が行われ、女の子はたまごに、名前を付ける。


そう、この後に俺は、霊布を取らなかった事を、心の底から後悔する事になる。


使い魔のたまごではなく、幻獣のたまごを、渡してしまったという事実に。


そして、名前を付けた以上は、何度転生を繰り返しても、たまごを取り替えることが、もう、絶対に出来なくなった、という現実をまのあたりにして、俺の心は打ちのめされた。


たまごが変えった時、あの子は、不幸になる。こんなひどい人生を、あの女の子は望んではいなかっただろう。


これから訪れるはずだった。幸福で、幸せになるはずだった女の子の人生を、俺が奪って、狂わせてしまったのだ。


その残酷な事実に、俺一生苦しむこととなる。

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