私とたまご 10
天使視点。
一番最初は神さまに、あの女の子とたまごの完全同調を、償いも込めて俺がしたいと、言ったとたんに、諭されて止められた。
それでも、諦めきれなかった俺は、ねーちゃんを頼った。
何日かたった後、俺の頼んだ事はある程度叶えられ、たまご部屋から、特別出向扱いで2日後に、地上へと旅立つ事となった。
今度こそ、最後まで完全にやり遂げて、少しでも暴走する確率を下げて見せる。
女の子が、生まれてくる前から、しかも、同調にかかるダメージの全てを、俺が肩代わりしながら、かける時間は限りなく、短くしなけければならない。
女の子の作られていく体に、5分以上もかけたら、体の一部に異常が出てしまう。
ねーちゃんは見習いの俺が、ひとりで最後まで、無理する事をよくは思ってない。
だから腕のたつ、アドバイザーけん、サポートけん、お目付役だろう男をひとりを、付けたのたろう。
作業中、手が離せなくなる俺たち。
女の子の護衛として、天使と地使のヘドロ狩りがくるのだろう。
俺たちが、作業を全て終わるまでに、10年前後はかかる。
その間に貴重な幻獣のたまごの持ち主を狙って、何度も女の子は魔族に狙われ続ける。
それを少しでも防ぐために、俺は、たまごの気配消しの呪文を含む、地上で必要なるだろう、魔法猛特訓の勉強を、男の子が旅立つたあの日から、この日のためにしてきたのだから。
そして今日俺は、地上へと旅立つ。