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好きだから

作者: 靄然 翠
掲載日:2026/04/10

 今日の放課後、俺は告白された。相手は同じクラスの女子であり、俺の好きな子だった。

 戸惑ってしまった。

 あまり話したこともなく、ただ俺が見ていただけ。

 確かに、俺がいつもいるグループはクラスで目立つほうだ。俺のクラスは人気者が男女揃っているグループと俺が入っている男子だけのグループがそこそこ目立つ。

 彼女が所属しているのは人気者の方だ。だから、俺なんて眼中に無いと思っていた。それ故に、彼女に告白された俺は戸惑ってしまった。


 罰ゲーム。


 そんな言葉が脳裏に過ぎった。1つ心当たりがあるなら男女混合グループの方にいる男子だ。そいつは俺の幼馴染で俺がその子に好意があることを知っている。


 だから、そいつに聞いてみることにし、その子にはまた明日話すといい、今に至る。


「で、何の用だ?」


 電話相手の幼馴染が俺にそう話しかける。


「なぁ、俺に言うことがあるんじゃないのか?」


「は、何がだよ?」


「言わなくてもわかるだろ?どうせお前が仕掛けたんだから。俺は嬉しいっちゃ嬉しいけど、相手の気持ちも考えろよ」


「は?なんの事だよ」


「え、知らないのか?お前が罰ゲームをさせたんじゃ」


「罰ゲーム?そんなことしてねぇよ。というかなんの罰ゲームだy」


 思わず、そこで通話を切ってしまった。

 罰ゲームじゃないのならそういうことなのだろう。


 始めて好きな人に告白をされた。嬉しくないわけがない。耳が熱い、頬も熱い。時期でいえば冬なのに、それを忘れるほどに体が熱くなる。

 でも、なぜ俺なのだろう。出会ったのは高校に入ってからだ。小学校、中学校が一緒だったわけでもない。落としたものを拾ってくらたりしたわけでもない。ただの俺の一目惚れだ。なのになぜ、彼女は俺のことが好きになったのだろう。

 俺と同じく一目惚れ。その可能性もあり得る。しかし、彼女がいるグループには、イケメンも優しい人もいる。俺に一目惚れする可能性なんてゼロに近い。


 そんなことを考えながら、夜を過ごす。

 月明かりで照らされる薄暗い部屋で、俺の顔は明るく、されど暗い顔をしていただろう。


 翌日の放課後、体育館裏で彼女と二人きりになった。


 俺は彼女の告白を、思いを「ごめん」という一言で断った。

 彼女はそれを聞いた瞬間、少し悲しそうな顔をし、「わかった。返事をくれてありがとう」といい、その場を去った。


 俺は彼女のことが好きだ。だからこそ、付き合うことはできない。

 彼女には俺より相応しい人がいる。彼女の幸せを願うからこそ、付き合えない。いや、付き合いたくない。俺のわがままだ。

 こんなことを言えば、「お前が幸せにしてやればいいだろ」みたいなことを言われるだろう。俺だって、もし付き合ったとすれば、全力で幸せにする。が、その幸せなんて高が知れている。

 付き合ってガッカリされたり、不幸せにさせるくらいなら、端から付き合わない方がお互いのためだ。


 ただ、断ったことだけは。一度でも悲しい顔をさせたことは、謝りたい。

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