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第一章
徳島県で生まれた主人公は、猟師の父の影響で何時の間にやら、猟師を目指すようになっていた。
その主人公の軌跡を書いていきたいと思います。
※この小説は一部事実を元にしたフィクションです。ズダァァァァアン!!
ライフルの発射音の直後に反動が来た。それはすぐに肩に吸い込まれて行く。
鹿はスコープの中でゆっくりと倒れていった。
念のために次弾を装填し、倒れた鹿に近付く。
鹿は即死だった。多分、首からバイタルエリアにかけて弾が入ったのだろう。
鹿を近くの沢まで運び、解体する。弾は予想どうり首から心臓まで通っていた。
背中のロースと横隔膜、レバー、そして、頭部をザックに入れ持ち帰る。
山を下り、実家に帰ると既に夜だった。犬小屋の犬達がやけに吠えているので、ライトを照らしてみた。闇夜の中に光る目玉が10以上あった……鹿だ。多分田畑の草を食べに来たのであろう。
昔はこんな事は少なかった。山に食料が充分あったからだ。
自然も変わってしまった。
この小説では、俺の狩猟人生を振り返りたいと思う。