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タイトル未定
世の中は、多数決でできている。
少数派はいつも負ける。
それは、異能力者でもなければ、変えられない。
私はもう、人に期待しないって決めてる。
なのに、勝手に期待してしまう自分がいる。
それがいつも、私を苦しめる。
誰かが悪者にならなきゃ、話は動かない。
みんな面白いストーリーが欲しいんだ。
悪役がいないと、飽きてしまうから。
だから、ターゲットは次々と変わる。
陽菜の次は琴音。琴音の次は、また陽菜。
その次は、別の誰かかもしれない。
そんな繰り返しに、私はもううんざりしている。
期待しないって決めてても、心のどこかでまだ望んでいる自分がいる。
でも、それは裏切りと絶望に変わるだけ。
人は簡単に味方を捨て、嘘をつき、平気で傷つけ合う。
そんな世界で、生きる意味なんてあるのだろうか。
私はもう、自分を守ることしか考えられない。
誰も信じない。誰にも頼らない。
孤独が一番、安心できる場所なのかもしれない。
それでも、明日もまた誰かが傷つくのを、私はただ何もせずに見ているんだろう。