吐瀉物!
今日、SDGsがやたらめったら注目されている中、俺「劇物 太郎」は思ふ。俺が美味しいものを食べ、それを吐き出した吐瀉物がおいしいのであれば、これは持続可能な開発なのではないのか?画期的かつ斬新な方法を思いつきながら、信号無視のトラックに轢かれ意識が無くなった…。
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………急に眩しい光を当てられたような感覚になり、意識がハッとした瞬間に目の前に素晴らしい景色が広がっていた!
何もないだだっ広い空間に、赤や緑や黄色など新鮮な野菜と、艶の良い肉の塊が無限にあるぐらい置かれていた!
それを見てすぐ思ったのが、「こいつらをお料理したい!」だった!
昔聞いたことがある、死の間際人は性欲が爆発するらしく、また、ちょっとしたことで性欲は食欲に変換されるらしい。
俺は料理に興味はないが、それが起こったことで料理欲が高まったのだろう。
そこから、何年かかったかわからないが水平線まで肉と野菜で埋め尽くされた量が全部無くなるまで、料理し続けて食べ続けた。
そしてわかったのだが、俺には特殊な能力が3つあるみたいだ。まず一つはどんだけ食べても何を食べても食べ続けて胃に入れることが出来る能力だ。これのおかげで美味しいものを無限に食べられる。ありがたい!
二つ目に、なんでも料理できる能力だ。今まで料理したことが無かったのだが、食材を手に取れば現状でベストな料理がすぐ作れるという素晴らしい能力だ。これもとてもありがたい!
そして最後三つ目が、偶然気づいたのだが、俺が食べた物を自由に吐き出すことができるという能力だ。
この最後の吐瀉物能力は訳がわからないのだが、吐瀉物は勿論、見た目がただのゲロだが匂いは今まで嗅いだことのない素晴らしい匂いをしており、一度気が狂って食べてみたが、めちゃくちゃ美味くて無我夢中でゲロって食べてを繰り返したほどだ。しかも、吐瀉物は吐瀉する時に頭でイメージしながらすると、そのイメージ通りに口から出てくる。
例えば、ピザをイメージすればその通りのピザが、食べ物ではなく椅子をイメージしたらそのイメージの食べれる椅子が、さらに、ピストルをイメージしたらピストルが吐瀉できた!
この能力を堪能しまくっていた俺は時間が経つことを忘れるほど夢中になっていた。
すると急にどこからかアナウンスが聞こえてきた。
「今から貴方は異世界に転送されます。転送先で人生を謳歌して下さい。転送まで5,4,…」
急にカウントが始まり、あわあわしてたらすぐに目の前が真っ白になった。ここから俺の吐瀉物無双が始まる…!