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4 ジュースと報酬とオートアシストシステム

楽しんでもらえると幸いです。

「君たちは,ちゃんとチュートリアルからもう一回やり直した方がいいですよ。」


俺達は街に戻って,とあるお店で飲み物を飲んで休憩していた。

サイカの言葉に,俺もそう思ったけど。でも,サイカがいればいいんじゃね?


「サイカが教えてくれれば大丈夫だろ?」


さわやかな笑みを浮かべて言い切るアッシュに,サイカの目がきっと細まった。まずい。


「自分でやってください。」


サイカはテーブルにあったりんごをアッシュに投げつけた。が、アッシュはぱしっとりんごを掴んで見せた。


「サイカはこのゲーム、得意なんだろ?それならサイカに教えてもらった方がいいじゃんか。」


「君たちは楽したいんですか?それとも冒険がしたいんですか?」


サイカの言葉に、アッシュと俺は顔を合わせた。別にこのゲームがすごく好きとかいうわけでもないし、めちゃめちゃ強くなりたいわけでもない。おれたちはどちらかともいえないというのが本心だ。


「「楽しめたらいいな。」」


「君たちと来たら・・・」


頭を抱えるサイカに、俺も考えた。


「わかった。じゃあ、情報料とかをサイカに依頼したらいいか?」


「どういうことだ?」


アッシュが首をひねる。


「アッシュ、サイカはおれたちが楽して強くなろうとしてるからずるいって言ってんだよ。だから、サイカに教えて貰うときは、アドバイス料を払ったらいいんじゃないか?」


「えー?それって友だち同士ではダメなんだろ?」


あつしの言葉に俺とサイカは思わず目を見合わせた。


「君は小学生ですか?」


「サイカ、仕方ないんだ。アッシュはそういうやつなんだよ。」


「対等に返せる物があるといいんだけど、そうだ!!今日のドロップアイテムとかはどうだ?俺とあらしは剣士だけど、サイカは僧侶だから装備品が違うんだろ?そういうのを渡すのはありなんじゃないのか?」


「アッシュ、普通は使えない物はショップで売って換金するんですよ。そうしてお金を貯めないと、自分の防具を強くさせることができないでしょう。それをしていれば、お金を渡しているのと変りませんよ。」


「そんなことないだろ。サイカから教えてもらえるなら、サイカの装備品になりそうなやつはサイカに渡しても。っていうか、一緒に行動している時点でパーティなんだからドロップ品は山分けしようぜ。」


「アッシュがそれでいいなら、俺もそれでいいよ。サイカにはさっきたくさん助けてもらったしな。」


「・・・いつかすごいドロップアイテムが出ても、僕がもらってかまいませんか?」


「当たり前だろ!サイカが一番すごいことして俺達を助けてるに決まってるさ。」


アッシュが信頼の目でサイカを見つめている。そういわれれば、俺もそうとしか思えない。


「確かに!サイカが強いに決まってるもんな。一番いいやつはサイカがもらっててもおかしくない。」


「・・・あなたたちは、僕への信頼度、どうしてそんなに高いんですか?」


「だって、今日もたくさん助けてくれただろ。」


アッシュの曇りのない眼で見つめる攻撃がサイカに決まる。というか、サイカが折れた。


「わかりました。アッシュがそれだけいうならわかりましたよ。でも、僕は基本的にフリーで動きますから、君たちから援助要請があったら、ということでいいですか?」


「おう、一緒に行こうって誘ってOKだったら一緒にしてくれるならいいぜ。」


「・・・ちょっと違いましたけど、わかりました。」


「え?違うのか?」


「うん。まあ、ちょっと違うけど、サイカがいいって言ったから大丈夫だろ。」


「じゃあ、よろしくな、サイカ!!」


「・・・では話が決まったところで、まずは、アッシュ。戦闘アクションをオートアシストシステムに変更しましょう。」


「オートアシストシステム?」


「あなたは正しい剣の使い方ができていませんから、まずは正しい身体の使い方ができるようにしたほうがいい。」


「えーと、どこからしたらいいんだ?」


「ここのですねぇ。」


二人がメニュー画面を開きながら会話している間、俺もやり方を覗くことにした。きっとアッシュは再度直す方法なんて覚えないだろうから。ついでにおれもオートアシストシステムにしておく。勝手に動いてくれるんなら楽そうだしな。



「おおっ!身体が勝手に動くぞ!」


オートアシストシステムに切り替えてから、草原MAPに出てモンスターとエンカウントしてみた。アッシュは楽しそうに剣を構えている。


「おおっ!アッシュがまともに剣を使ってる!!」


「本来はあれが当たり前なんですよ、ラシュ。」


「じゃあ、俺も行ってくる!」


「じゃあ、僕は一度これで。」


「わかった、またな!!」


サイカは俺達に教えるとさっと別のMAPへと転移していった。あいつ、もう転移のスキルを覚えてるんだなぁ。と思いながら、目の前の敵を斬っていく。おお、さっきより切れ味がいい。斬る向きとか角度によって切れ方が違うらしい。どうも、モンスターの骨格とかにも関係ありそうだ。とはいえ、アッシュも俺も正しい剣の使い方に慣れるまで、ひたすらオートアシストシステムで戦い続けた。アイテムがいっぱいになったあと気付いた。インベントリに入らないから持って帰れない・・・。がっかりしながら俺達は宿屋に入りログアウトした。


ありがとうございました。

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