表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしあの日に戻れたら  作者: SZK.K
1/1

If possible that day to return.

いつもなら聞き流すニュースでもその日は少し具合が違った。


 いつものように目が覚めた。眠い目をこすりつつ朝食が並んでいる食卓へとたどり着く。

トーストとオニオンスープ、レタスとプチトマトが2つ乗ったうちではよく見る朝食だ。

だれがつけたわけでもないTVを耳で聞いている。お天気コーナーがまだやっているということは、まだ学校に行く時間には余裕がある。


 お天気お姉さんの元気な「いってらっしゃい」の声と同時に画面が報道フロアからに切り替わっていた。

為替が昨日は大暴落しただとか、自動車のリコールやら自分には関係ないニュースばかりが続く。

次のニュースです という言葉とともに画面が切り替わり昨日の映像になった。その映像の時間は暗く

一目で夜とわかる時間だ。

 愛知県豊河市の県立高校に通う女子高生が・・・と耳に入った瞬間、横目で見ていたTVに自然と目が行った。

そこは電車を乗り継いで1時間かからずに行ける距離の駅だった。横目でTVを見ていたが気付かなかった。

2、3度は行ったことがあるだろう駅。大きなオブジェが駅のロータリーに設置してあったので記憶にある。


特急列車が入ってくるホームに女子高生が身投げしたということらしい。同い年の女子高生は大変だなっと

いつもだったら少しは気に留めるものの今日ほど気に留めることが今までに無かったから少し戸惑っている。


同じ地域の同い年の女子高生は、いったいなにがあったのだろうと気を巡らせていた。

やがて、報道フロアからのニュースも終わり、次のコーナーの芸能ニュースも終わろうとしていた。

さっきまで余裕があったはずだが、そろそろ出る時間だ。

歯磨きをしっかりしてから、寝癖を軽く治し(治ってない)制服に着替えて家を出た。

自転車置き場からママチャリを出して駅までの10分の道のりをこなす。

駅に着くまでも彼女のことがあたまについて離れない。


そして駅に着いたらより一層彼女のことを強く考え始めた。スマホで「人身事故 愛知」と検索をかける。

すると数時間前に投稿された記事や、1日たっていないような記事がずらりと並んでいた。

どれもおなじような内容だった。さっき見たニュースと大して変わりがない。

不完全燃焼な感じはやはり、自らが彼女に気になっているせいなのか、ニュースがどれもおなじような内容だったからなのかはわからない。


そのまま1日中モヤモヤした気持ちは消えなかった。

教室の中でも、彼女のことを話している人たちもいたが、直接知っている人は誰もいないようだ。


腹が減っているせいかと思い、2時限目の放課は唐揚げを購買に買いに行った。むさぼりついたが何も状況は変わらない。

 

突然背中を誰かにたたかれた。腐れ縁で親友の国川悠太だ。 

「どうしたんだよ朝からずっとひとりで?あんまりだんまりしてると、怪しまれるぞ?」

と忠告を受けた。


 一連の話を親友でもあるので話してみると、そんなこと知りもしんかった!と明るく笑い飛ばしていた。

それでも緩んだ顔は少しの間で引き締まり真剣な面持ちで 何考えてるんだろうなって言い放った。

悠太はいつも「生きてりゃなんとかなる」を口癖のように言っていた。

座右の銘名のか?と聞いたこともあったがどうやら違うらしい。


やはり彼は優しい。人の気持ちになって考えることができる人間だ。

悠太は「お前はそんなんなる前に俺に相談しろよ」と冗談とすこし本気が混じったニュアンスで自分に言ってきた。すぐに、「そんなこと考えるわけないだろう」と口走った。

彼は「そんな考えにさせねぇわ!」

といったところで、チャイムが鳴った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ