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作品集『私の嫌いな僕のこと』

知らない街

作者: 雨月 秋

知らない街には、

知らない人たちばかり。

知っている街でさえ、

知らない人が多いのに、

知らない街では、

知らない人たちしかいない。

知らないって怖いね、って、

知ってる人と共感したいけど、

知らないが溢れているから、

知ってしまったんだ、独りを。

知らない道で迷った時、

知らない街を満たしている、

知らない空気がどうしようもなく怖かった。

知らない天井は見飽きたから、

知っているものを、せめて、って、

知らない街の真ん中で立ち尽くす。

知らない夜空を眺めたら、

知っている夜の月がいて、

知らないって、独りって、怖いね、って呟いた。

知らない間に、そうやって私も、

知らない人になっていくのです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 『知らない夜空を眺めたら、 知っている夜の月がいて、 知らないって、独りって、怖いね、って呟いた。 知らない間に、そうやって私も、 知らない人になっていくのです。』  って無茶苦茶いいじ…
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