赤い蝶は夢を見る
私のところに出てくれば何度だって殺してやるのに。あの女の幽霊に、夫は今日も怯えている。あの執念深い女は夫にだけ姿を見せて、彼の心を占有しようとしている。まるで私を見下すような薄い笑みを浮かべながら。彼女は夫の妄想なのか、それとも私の夢なのか――。湿った夏の風が風鈴を揺らす度、赤い蝶は夢とうつつの間を行き来する。
※ノベルデイズにも掲載しています。
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