装備を整えよう。
相変わらず、俺はティエラさんと手を繋ぎ町中を移動していた
そんな、ティエラさんから上機嫌なのか時折鼻唄が聞こえてくる。
離れると危ないから
と言われしぶしぶ繋いでいたのだが、何だか違うようにしか思えない。
そんな俺を見守るかのようにミーリアさんは数歩後ろにいて
何だか距離をおかれている気分だ。
複雑な気持ちで進みながら、歩くこと数分
ついたのは可愛らしいピンクの外観のお店だった。
「さ、ここがこの町で唯一の魔防具のお店よ!」
テンション高めのティエラさん
魔防具って何ですか?
「ふふふ‥…入ってからのお楽しみよ。」
「うわぁ‥…」
喋ってもないのに答えられたよ。
普通のお店がよかったぁ‥…
という俺の気持ちは気づかれず、引きずられるようにしてお店へと入っていく。
外がピンクで引いていたのに中も結構酷い有り様だ。
壁にかけられているのは色とりどりの下着や、奇抜な洋服‥…
冒険には向かない服達だ。
「あ、いらっしゃーい」
店の奥から声が聞こえ現れたのは人ではなかった。
空をふわふわと浮いてる羽のはえた小人‥…フェアリーだ。
「おや、ティエラちゃんじゃないー。どうしたの?」
「今日はですね、この娘の装備を一式整えようかと思って‥…」
ずいっと、フェアリーの前へと送り出される。
このフェアリー、髪と眼は宝石のような綺麗な翡翠色で、その髪と同系色の薄い透けた羽を広げている。
フェアリーは俺の近くをぐるぐる回ってうーんと唸ったあと
「特注でいいかな?少し高めになるよ?」
「問題ないです。」
「あいよー。なら、デザインは‥…」
「この間話してたあれで。色は髪に合わせて黒と白のモノクロで後、結構しっかりエンチャントかけてください。それからーーー」
どこから取り出したのか、紙の束を持ちながら説明し始めるティエラさん
「ーーおぉ、それいいね!ならこんなのはーーー」
俺を放置し
盛り上がるフェアリーさんとティエラさん
取り残された気分だ‥…
あ、そうだ!
この間に魔防具は何かミーリアさんに聞こうと声をかけようとしたのだが‥…
「ぁ、これ可愛い‥…」
展示されているフリルのついた下着をうっとりと眺めてるミーリアさん
俺は声をかけるのをやめた。
可愛いの好きってギャップ萌えだなぁ‥…
とほんのりしつつ
他にお客もいなさそうだったので俺はギルドカードでスキル確認とポイントでスキル取得をすることに決めた‥…