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忘れていたあの人達と

気がついたら‥…

シロが楽しそうにいるなさんと会話してた。

いつの間にそんなに仲良く‥…


「あ、おはよークロ。」


「え、起きたの?」


俺が戻ったのに気づいたのか

シロが話しかけてきたのだが、声が漏れ‥…

と言うか普通に声に出している。

お陰でいるなさんも俺の復活に気がついた。

これ、色々聞かれるよね?


(シロ、声出てたよ。)


(はっ?!)


(まぁいいや。じゃ、チェンジで)


(うんー。)


「またねー」


「えぇ、また話しましょう」


シロが、いるなさんに挨拶して入れ替わる。

ふぅ、感覚も問題なし。


「えっと、何から話しますか?」


「そうね、とりあえず勇者がうちに攻めてきてるんだけど?」


「あ、忘れてた。というか、原因はイルナちゃんですけどね?」


「?」


アレを聞かれるかと思ったが、どうやら勇者の対応が先みたいだ。


ーーーーーー


「いたっ!」


「無事か?!」


リカさんを先頭に勇者、ヴェルン、ニーチェとアラクネの巣へと突入してきた。

しかし、勇者達が想像していたアラクネの姿はない。

いるのは糸で縛られた俺と背中の脚を隠したいるなさんの二人だけ。


「アラクネは?!というよりその子は‥…」


「あ、一緒にさらわれた娘です。別の場所でですけど」


「こ、こんにちは‥…」


かちこちに緊張しているいるなさん。

そうだよね、勇者にばれたら殺されちゃうし。

そこは俺がそれとなくフォローをいれつつ話を進める予定だ。


「アラクネですけど、皆さんが来る前に逃げましたよ?」


「逃げた?」


「そうなんです。皆さんが道中倒して来たのが、アラクネの配下で‥…実力を知って私たちを置いて逃げたんだと思います。」


「そうか‥…無事で良かった。」


おい、勇者そんな簡単に信じていいのか?!

自分でいっておいてなんだけどボロボロな言い訳だよ?

‥…でもいいか

とりあえず、リカさんに糸を切ってもらい

いるなさんと一緒に立ち上がる。


「アラクネはいないかもしれないが、この森は危険だ。直ぐ抜け出そう。」


そういう勇者の後について

俺といるなさんはパーティーの皆に囲まれる形で町へと戻った。


ーーーーー


泊まっている宿屋に戻るが、ミーリアさんとティレアさんはまだ戻ってきてないようだ。

俺は宿屋の女将さんに一人増えるのを伝え、部屋にいるなさんを案内した。

そして、音が漏れないようにする魔法をシロにお願いし、話の準備をする。


(OKだよー)


「それじゃあ、話しましょうか」


「そうね、聞きたいことも、伝えたいことも一杯あるわ」


先ずは俺の最終兵器について

アレは召喚魔法だ。

自分の捧げた魔力に見あった存在と契約し呼ぶ事のできる魔法である。

これは偶然魔術エディットをしてるときに見つけた魔法だ。


(私のお陰だね!)


まぁ、シロの言う通りである。

俺は魔法のイメージとして派手な攻撃というイメージが強く。

そればっかりを作っていた。

しかし、シロが身体能力をあげる補助の魔法を作ったお陰で思い付いたのだ。

エディット内では消費魔力の大きさで様々なものを呼び出せた。

それは生き物だけではなく剣や盾など、多岐にわたる。

実際あのとき何が現れたのかは知らないが、シロが言うには鎖で繋がれた狼?さんらしい。

なにそれ弱そう。

結構な魔力を使って召喚したのに縛られた奴ってそんな‥…

と、思って

いるなさんに話してみたら怒られた。

神話に登場する狼の怪物。

その話を熱弁され考えを改める。

魔力以上の当たりっぽい。


(もふもふだったー)


うずっ

っと、獣好きの血が騒ぎ

いるなさんにも説得され俺は契約待機中のフェンリルを部屋に呼び出した。


「おや?どうしたのだ?」


現れた黒い獣は想像以上の迫力だった。

何とか部屋のサイズに収まったが、床が抜けそうで怖い。


「小さくは、なれないのかな?」


「ふむ、確かに窮屈だ。」


そういうと徐々に縮むフェンリル。

そして、大型犬ぐらいの大きさで止まった。


「これでどうだろうか?」


「ばっちり。で、契約したいんだけど」


「ふむ。よいぞ」


「アレ?あっさり。」


「私はお前がお気に入りだしな。これといって断る理由もない。」


「そっか、ならよろしく。」


「うむ。では、私に名を」


「フェンリルじゃなくて?」


「それではないな。私とお前で繋がる為のものだ。新しい私に合ったものをくれ。」


そう言われて考える。

俺にはネーミングセンスが乏しいのでフェンリルからとって‥…


「フェンってどうかな?」


「いいだろう。」


フェンがそう言うと俺の右手に模様が浮かび上がる。


「それが私と主人の契約の証だ。これでもう私は主人の物で主人は私の物だ。」


にまっと笑ったような気がしたが、フェンはまたな、といって消えてしまった。

‥…あ、撫でてない!


勇者チョロい。

でも、まだ二人がかりでも倒せません。

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