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油断大敵です。

感想を書かれると、頑張れますね!

風鈴草の群生地は森の直ぐ手前の場所だった。

森にはゴブリンや虫系の魔物が蔓延っていてFランクは立ち入りが禁止されている。

虫は戦ったことないがゴブリンであれば俺にとっては楽勝である。

そんな満身が悲劇を生んだ。


「うにぃやぁああああ?!」


一本釣りの鰹のごとく

森の中に引っ張られた俺。

とっさの事で俺を見張っていたニーチェさんも何もできず

俺は空を舞い

木の枝にぶつかり

誰かの腕の中に収まった。


「エサ‥…ツカマエタ。」


声を発したのは金色の髪をして真っ赤な瞳の少女

しかし、普通の少女にはないものがその背中に蠢いていた。

蜘蛛の足

それも見える分だけで4本

昔から蜘蛛は好きではなかったが至近距離で見たその足に俺は体を振るわせ、硬直してしまった。


「ア、ソウダ‥…」


何を思ったのか‥…

蜘蛛少女は俺の首筋へと顔を近づける。

ーーチクッ

針で刺されたかのような痛みが襲ったかと思うと視界が歪む。


「あ、りぇ‥…」


呂律が回らず体の力が抜ける。


「ニゲレラレタラ‥…コマル。」


そう、少女の声が聞こえ

俺の意識はフェードアウトした‥…


ーーーーーーーー


「ど、どうしよう‥…」


森の前でニーチェは焦っていた。

他のパーティーメンバーは森の中のゴブリンの討伐に向かっており

クロが拐われてしまった今直ぐにでも助けにいきたかったのだが、一人ではこの森の奥へと入ることは難しい。

ニーチェはまず、パーティーメンバーを呼ぶべく合図にしていた魔法を森の上へと打ち上げる。

数分後‥…


「何かあったの?!」


一番始めに戻ってきたのはリカ

そして、ユウとヴェルンも息をきらせて戻ってきた。


「緊急ってことは何か‥…あれ?あの子は?」


「そ、それが‥…」


ニーチェは起きたことを説明する。

そして、話を進める度皆の顔色が悪くなるのが解る。


「話を聞く限り‥…アラクネですかね?」


「だな、それもニーチェの探知の範囲外から糸を的確に当てるなんて結構レベルが高めの奴か‥…」


「もうっ!!何で目を離したんですの?!」


「ご、ごめん‥…」


「今はニーチェを攻めてる場合じゃない。直ぐに助けにいくぞ。」


ユウの言葉と共に3人は森へと入って行った‥…


ーーーーーーーー


「ぅ、ぅ-」


ぼんやりと意識が戻ってくる。

体にはまだ力が入らない。

魔法を使おうとするものの、意識が乱れ上手く構築できない。


「大人しくしておきなさい。まだ毒が抜けてないわよ?」


自分が吊るされているのが分かり

それをしたであろう声の主を睨みつける。

そこにはさっき俺を拐ったであろう蜘蛛少女と似てはいるが別の存在がいた。

髪は腰まで伸びた綺麗な金髪。

真っ赤に光る瞳は大人びた顔つきにあって妖艶な眼差しを俺に向けている。

そして、一番違うのは彼女の下半身は人のモノではなく

蜘蛛だった。

一匹の蜘蛛の上に人の上半身がついた存在いわゆるアラクネだ。


「いっひゃい、ひゃんのためにぃ‥…」


毒のせいか、まだ言葉が上手く紡げない。

それでも言いたいことが解ったのか、答えが返ってくる。


「何の為?といわれてもまぁ、食べるためよね?」


ぞろぞろと彼女の回りに蜘蛛が集まってくる。

どれも彼女の下半身の蜘蛛と似た形をしている。

そして、彼女の後ろには俺を拐った蜘蛛少女もいる。


「まぁ、最初はエサにするはずだったんだけど‥…貴女、転生者でしょう?」


「?!」


「やっぱり‥…」


俺の驚きの顔で確信したらしい。

それにしても転生者と聞いてきたことはこの人?も‥…


「あにゃたも‥…」


「ん。そうだけど‥…まだ喋りづらいだろうし少し休んでから話しましょう。」


いや、その間に何かされーー


「しないから、折角の仲間よ?この子達にも手は出させないわ。」


そういって彼女が手を振ると蜘蛛達が散りじりに森の中へと消えていく。

後ろにいた蜘蛛少女は残ったが‥…


「イルナ‥…あの子おろしてあげて。」


「ハイ、カアサマ‥…」


イルナと呼ばれた蜘蛛少女は、俺の足元まで来ると蜘蛛の足を使い吊っている糸を切って俺をキャッチする。

‥…お姫様だっこで


「こ、こにょ、たいせーはやっ!」


「オトナシクシテロ」


「いやぁーー」


俺の意思を無視されそのまま運ばれる。

うぅ‥…はずい


「いいじゃない。女の子の夢よ?まぁ、相手は王子様だけど」


「おりぇはおとこりゃ!」


そういうと、イルナは俺の履いていたスカートをまくり中を確認し、アラクネにも見せる。


「ちょ?!にゃにやってぇ‥…」


「コイツ、オス?デモアレガナイ。」


「あー元は男の子だったのねぇ‥…」


「カアサマ‥…ドウスル?」


「ふふふ~。イルナそのままにしてなさい。その方が喜ぶわ!」


「よろこびゃにゃい!!」


結局、俺がおろされたのはしっかり喋れるようになってからだった。

主人公のネコが発動しました。

弄りやすい雰囲気が滲み出てるんですね!

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