…ざわ…ざわ…圧倒的勝利!!
体育が終わり給食を食べて──放課後だ。私は真緒達と共に家に帰った。私はすぐさま昨日と同じ服装に着替え太平洋へ、髪の毛の記憶を読み取る為に
その場所に到着し、髪の毛の記憶を見てみる、ついでに髪の毛を見つける方法は魔力で探したぞ…ふむ、船が一隻通る程度かここは…他の場所も見た結果、二つの場所が候補に上がったか
一つは船、飛行機は通らない。そして動物が多くいるカモメや魚や渡り鳥などなど…悪くない
もう一つは船が一隻通ったが遠くて見つかる心配は無さそうだ。
前者の利点は動物が多く実験材料、食料が手に入りやすい、後者は船がトラブルで沈没したらこの無人島に流れ着く可能性がある。それは人間の実験材料が手に入ると言う事だ
ハッキリ言ってどちらでも問題無い、食料や材料集めの目星はついているからだ。ただ容易になるだけ……後者にしようか。特に理由は無い、ただ人間が手に入りやすいかもと言った考えだ
その場所にある魔法を使う…土を育てる魔法だ。まず海面ギリギリまで近づき触れる。そして海底にある土を少し浮かばせ手元まで来させる、それを掴み取りそれに魔法[分裂]を使う
この魔法だと魔力しだいでは、1日で無人島が出来るが今回は一人が立てる分程度までしかできない。
魔法を使い土を海面に落とすと、ぶわっと茶色の土が一人立てる程度の海面に現れた。その上に立ち、その土に魔法[成長]を与える…がこれだけではダメだ、効果としては、土の栄養が増えるなどだけだ。そこに魔法[生産:自動]を加える
この魔法[生産]は、何かを作る時によく使われる。例えば金を生産とかね、今回は土を生産するがそれを自動化するために[自動]と付け加えた。簡単に説明したがこの生産は時間がかかる。勿論一つ二つ程度なら数分で終わるがね、それに本来は土を生産するなど出来ない…まぁ私が作った魔法だからできる…理由としては、前世では土は生命であり精霊だからそれを作る事は出来ないと否定してしまったからだ
……この世界では関係無かったな…その魔法を使い数分後、ほんの少し本当にほんの少し広がった気がする…アハ体験だなこれは…確認後は、目印を付ける(魔力を地面に付ける)私でも目印周辺まで来なければ気が付かないだろう。だからこそ良い目印になる
これで無人島制作は一旦終了だ。約一ヶ月後ここに島が出来るが、その前に島を隠す結界を張らなくては…さて大地は家に帰り占い家業をする
あれから一ヶ月たった。学校は順調だし真緒達以外にも友達は出来たし勉強も折り目がついた。高校生の教科書を読破したし英語も完璧…と言いたいが実際に話して見ないと解らない、無人島についても島が完成し土だけの更地だ。そこに結界を張って転移出来るようにもした、次にやることは無人島に様々な物を作る事だ
木々や渡り鳥など動物を住まわせる、そのためには苗木を植えて結界を弄れば大丈夫だろう。だが無人島を整地、研究所を生産する者が必要だ。それについてはゴーレムを作ってやらせるつもりだ、それらをやるには金、金だ。貪欲に金が必要だ、それを取りに向かう…ラスベガスへ!
私はスーツを買いラスベガスに向かう準備をしていた。円から$に変えなくてはいけないし、金を合法的に強奪した後は必ず何かしてくるはず、それらの対処方法も考えなくては…いや穏便にすると言う意味だぞ。…まぁ普通に幻覚辺りでいいだろう…それらを終えたら向かう
その準備が[大きなバック、布、$(今の所持金全額)]終わり土曜日…私は大人に姿を変え、スーツに着替えた、本当なら姿を消してラスベガスに向かいたいが、最近魔力の消費が激しい。無人島制作に占いに人体改造…それらの為に毎日全力で取り組んで、そして死体のように眠る…これは良くない。いずれ魔力が暴走し私が破裂するからだ
だから今回は魔力を温存したい…ならどう行くかだが、あいにくパスポートは持っていない為飛行機は乗れないし船だと時間がかかる。今回は空中に浮かびラスベガスに向かう。これなら一時間程度で着くと思う
…なに?飛行機より速い?そりゃあんな鉄クズに負けるはずがない、魔術師ならばこれぐらい朝飯前だ…
まず私が向かった場所は大宮市だ。流石にここで飛び立てば騒ぎになる…まぁ大宮で飛び立つ予定だから騒ぎにはなるのだが…私とは思わないだろう
仮に魔術師が居たとしてもまず大宮を調べるから問題無しだ。古河まで嗅ぎつけたとしても私が気付かない訳が無いしな…そんなこんなで大宮に着いた。現在の時間は朝六時だ。
まず個室のトイレに向かい、用意していた布を顔に巻いて数分待ってから外へ向かう。勿論注目が私に集まるが気にせず駅外へ…外へ出たら魔法[空中]を使う、ふわりと数㎝浮かぶ。それを感じ上を向いて一気に上空へ。そしていざラスベガスへ!
ラスベガス周辺
時差の関係で夜である。大地は改めてこの異世界の凄さを感じた。夜にも関わらずこんなにも明るい、私が住んでいる町も明るかったがそれよりもだ、この科学とやらは素晴らしい力があると考えていたがここまでとは…
私は人目が少ない場所に向かい素早く降りた、多分見られてはいないと思うが…念の為変身に一手間加えた、と言うのも髭を付けただけだが…そして持ってきたバックに布を入れていざカジノへ
大きなカジノに入ると中は賑わっていた、静かな賑やかさと言えばいいのだろうか?静かな音とスロットなどの機械音が聞こえるが人の声は少ない、大勢いると言うのに…それほどゲームに集中しているのだろう。私はまず全額の$をコインに変えたがそれでも5枚だけだ…さてやるのは…スロットは論外だやはりポーカーだな…
ポーカーをやっているテーブルを見つけ、空いている席に座る。他に三人座っていてすぐにでもゲームが始まるが私の手持ちを見てため息が聞こえた…まぁ当然だろうな五枚しか持ってないし…ここでの五十万など二、三ゲームで無くなると考えるだろうからな…普通ならな
軽い話(日本の事や生活など)をしながらゲームが始まる。イカサマなどは監視カメラやディーラーの目などで防いでいるようだが魔法は防げまい…私は魔法[心:読む]を使う、これは心を読むだがイメージとしては文字を読むと考えて欲しい。考えているイメージを見る訳ではないぞ
さて…ふむカードは私が一番強いようだがポーカーのキモは相手に手札を悟らせる事だ勿論有利にね、例えば今の手札は強いカードだが、これを相手には弱いカードと思わせる。
私は顔を少し歪ませ直ぐに真顔にするそして賭け金を二枚追加する、それを見た奴らは様子見で一枚賭け金を増やすが一人が数枚多く出した。…一番弱い手札なのにな…そして手札を見せ合い、私が勝って皆の賭け金を頂いた
結果を言おう。十回ほどゲームをしたが勝ったと言えよう、勿論負けた時もあるがその時の被害は少ない、次のゲームに入ろうとした時に隣の奴がバンとテーブルを叩き「こいつはイカサマをしている!」と私を指差して言い放つ
それを聞いたディーラーは疑いの目で見ながらも「お客様お静かにお願いします」となだめるが「イカサマしてるんだろ?あぁ!!」と私の襟元を掴み取る…ふん…
私は一瞥しながらこっそりと私のポケットにカードを入れようとしているこいつの手を掴む、そして「イカサマとは私のポケットにカードを入れる事かい?教えてくれないか?くそジジイ」と捻りながら手を上げさせて皆に見せる。
ディーラーは少し考えながらも手を離させる、そして「イカサマをしていましたか?」と私に聞く…イカサマ発言した奴が痛いやこれが証拠だなど喚いているのがうるさい
「少し考えれば解ると思うが…私はイカサマはしていない」「した!これ」大地はうるさいとドスを聞かせて黙らせる。「おほん…まずここが初めて来た場所が一つだ、どんなトランプを使っているか、監視カメラの場所など解らないのにイカサマをするリスクは高い
一つ、イカサマする理由が無い。旅行者[と言う設定]がわざわざ遊びでギャンブルするのにどうしてイカサマを?勝つに越したことは無いがね」
ディーラーは納得して「確かにそうですね」と謝りチラリと隣を見る。慌てながら「俺はしてねぇぞ!」と自分はやってないと言い始める…ふむ…「では私は去ろう、どちらにせよ私が居てはつまらないだろう」と大地はコインを持って違うゲームに向かう
ルーレット、他のカードゲームなど様々なギャンブルをやり勝ち続けた。結果私の金は100万$(約一億二千万)勝った。十分だろうと言うか勝ちすぎたかも…金をバックに詰め込みカジノを後にした
………やっぱりか。数分後何者かに付けられているようだ…当然だろう、この大金はカジノ運営側にしてみれば大損だ、だから私にちょいと世の中を教えて金を取り返しに来たのだろう。
私は人目が届かない場所を探してそこに向かう…すると私の前に一人の黒人が現れた、そして後ろから二人「なぁあんたそのバック置いてくれねぇかな?いい匂いすんだよそれ」と黒人はナイフを懐から取り出し近づき、後ろの…白人か…二人も銃を取り出し近づく
私はそれを見て思わず笑ってしまった、三人は少し戸惑ったが黒人はナイフを見せつけながら大地に向ける…だが三人の意識は無くなっていた。
「全く銃を手に入れるとは、しかもオマケも手に入った良い誤算だよ本当に」と三人に触れて魔法[転移]を使い研究所に向かう
一時間後
黒人達が目を覚ました時は手足が縛られ、何もない地面に座っていた。縄を解こうにもキツく縛られ少しも動かせない、仲間を見るが首を左右に振る。溜め息を出しながら周りを見るとあの日本人が持っていたバックが無造作に置かれていた
「どうなってるんだ?」ポツリと思った事が声に出てしまった…しかし返答がくる「ここは私の研究所だ」振り向くと子供が居た
日本人の子供だろう辛気くさそうな顔つき…ちょっと可愛いな好みかも…だし。しかしその子供が笑顔だ。満面の笑顔だ……