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転生を果たした

私の名はミスティル昔は天才魔術師と呼ばれていた。今は山に籠もり好きな魔法研究を孫娘と共に進めていた。

 だがそれも終わりが近いそこで私はこの時しか使えない魔法の実験を始める…それがこんな結果になるとは想像だにしなかった。


──ある山奥の小屋──


魔物や魔法など様々なファンタジー要素がてんこ盛りの世界。そのフルナクスと言うとても危険な魔物がいる山奥に天才魔術師ミスティルが住んでいると言う噂がある。


ミスティルは数々の魔法、魔術を生み出した天才であり、魔法の生みの親とまで言われ、簡単な魔法や上級な魔法。そしてミスティルにより生み出された魔法…オリジナル魔法はこの世界での常識を変えた。


一つ例を上げるなら創作魔法だ。塩、胡椒など調味料は前々から存在していたが、ミスティルは調味料の質を上げてなおかつ食材(野菜や肉)や鉱物などの資源も魔法で作ってしまった。


魔法で作れるのは調味料しか不可能と言う常識をぶち壊した…そんな伝説を作り上げたミスティルが何故山奥にいるのかと言うと


人付き合いがめんどくさい。だから山奥に来たのだ、別段人付き合いが苦手と言う訳ではないが魔法の研究が大好きである。


 そのため無駄なお見合いやパーティーなど誘われ、断ればどこの貴族と組んでるとか私の財産を狙っているとか…まぁ厄介事に巻き込まれる。


別にそんな事考えてもいないのだが…それの火消しなどに研究時間を取られるのが堪らなく我慢出来ないのだ、だから山奥に居る。



そして山奥に籠もり、何十年以上も魔法の研究に費やした…そう寿命が切れるまで。そしてその寿命が切れそうだ。



私は今ベッドの上で横たわっている。一年前からそうなのだが…そして隣には私の孫娘セレラがいる。


セレラは美人だ。綺麗な金髪を腰まで伸ばしキュと締まった体に出るとこは出て締まる所は締まる理想なボディ


そして顔だが、綺麗な青い瞳に整った顔立ちそして優しい雰囲気を醸し出す眼差し…理想的な女性だろう


セレラはベッド横たわる老人の手を取り涙を流して「逝かないで」など別れ惜しむように呟いていた。その老人こそミスティルだ…白い髪に白いヒゲで、そのヒゲは顔半分を隠して胸辺りまで伸びている。


目が悪いのか細目でセレラを優しく見ている…そして


「セレラよ魂を持つ者は寿命があるのだよ。それは私も例外ではない、だから悲しまないでくれ。」

だがセレラは首を左右に振り「お爺ちゃんなら不老不死だってできるの!でも…お爺ちゃんはそれをしないじゃない」


セレラの言う通りやろうとすれば不老不死など簡単になれる。だがミスティルはそれをしない。理由は複数あるが「セレラよ不老不死など夢だよ…神であろうと悪魔であろうと不老不死は不可能だ」…そう不可能だ。


先ほど不老不死になれると言ったが、正確にはほぼ不老不死だ。

 一つのやり方として魔法で肉体を改造したり、薬などで身体を強化して不老不死になるのだが、それの維持が大変だ。


他にも維持しない方法もあるが…何かしらの弱点がでる…それに不老不死の殺す方法も知っているしな


「でもお爺ちゃんと別れたくないよ。」クシャクシャの顔をミスティルの胸に埋める…それの頭を優しく撫でる


「私は最後にあの魔法を使うから、あの本を取ってほしい。」と撫でた手からある本棚を指す


この小屋には本棚がたくさんある、その中にある転生の書が最後に使う魔法だ


若い頃…百年前程か?それぐらいに作った魔法だが未完成なのだ、魔法とは簡単に出来る物ではない、研究と言う名の調整や開発をして作るのだ

 この転生魔法は、出来る限り研究をして作ったのだが使った事が無い、様々な理由はあるが、使う時それは死ぬ時だと言うのが一番の理由だ。


それにこの転生魔法は失敗するだろう。出来る限り研究したとは言え、使った事が無いのだから調整のしようがない。使っても転生した者を探すのは不可能に近いだろう。そして転生に成功するかどうかすら解らない


未完成全くの未完成だ


だがやっと使える。私が初めて使うのだ…セレラは顔上げて頷き本を取りに行くそして渡す。ミスティルはゆっくりと本を開き、自分が書いた文字を読み目当ての魔法を見つける。



さてと「セレラよ私は逝く。だが悲しむ必要は無い、私が最後に教える魔法でな。」セレラは首を可愛く傾げる。ミスティルは、セレラに自分が知る魔法を全て教えたからだ。


「目を瞑り思い出して見なさい、今までの日々を」セレラは目を瞑り、ミスティルとの生活を思い出した「どうだい?そこには私は居たであろう?」


セレラは頷く「目を瞑り思い出せばいつでも私と会える。セレラが忘れない限りね」目を開けて頷く


「セレラよ私が死…逝った後はここを自由にしていい、ここにある本を一つ売れば大金を得られるだろう、世界を見て回るのも良い…そして私の孫娘だ自信を持って行け。」そして魔法を唱える


セレラはゆっくり頷き…唱えている魔法に気づいた「お爺ちゃんそれはダメ!」と本を取り上げたがもう覚えている。唱え続けて…唱え終わる


力が抜けて行く…まぶたが重くなり死を感じる…さて次はどうなることやら、人として生まれるか魔物かはたまた化け物か…まぁ…失敗するであろう転生魔法が成功する事を祈るか…


……………

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