リスト×ラスト
僕は実は舞い上がっていた。
表面上に出さないように気をつけてはいたけれど、自信がない。
だから放課後、屋上で今まで集めた情報が記されたメモ帳のページをめくって振り返っていたら、つい頬が緩んでしまう。
すべてのページを見終えると、メモ帳から破りとって数ページずつ細かく裂いて燃やした。
火災報知器もないから屋上の焦げしか心配しないで済む。
メモ帳の一部だったソレが燃えている間、風に当たりたくなった。
自然の風は弱く、火を消さないでくれているから、僕が自分で動き回る。
回転したり、飛び跳ねたり。
誰かに見られるとかなり恥ずかしい光景だろう。
唯一の出入り口である扉にかかっているぼろい屋根に勢いよく伸ばした腕を打ちつけたり、めくれあがった防水シートの端に足を引っかけて腰を強かに打ちつけたりもした。
メモが燃え尽きたころ、気付けば少し、流血していた。
ここでまた、やり遂げたというよくわからない達成感が生まれた。
それでまたはしゃいでいると、数日前の既視感を感じる。
屋上の縁付近で躓いて転け、背をフェンスに打ちながらも、それを越えて落下した。