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ダーク・ロマントがからかってくる

毒問題が落ち着き、1人でゆっくり食事を取ることも出来るようになってきた。そんな頃だ。私が1人でお昼を食べている時にダークが現れるようになったのは。

「やあ、一緒にしてもいいかな?」

王子の誘いを断るほどの勇気も身分もない私は「喜んで」と全然喜んでない顔で言うことしかできない。そんな私にダークは苦笑しながらも、隣に腰を掛けてくる。最近、ダークはいつもこうだ。私が1人になる時間帯にひょこっと顔を出しては、私に何個か質問し、その後すぐにいなくなる。最初は、不思議に思うだけだったが、最近、ある法則に気が付いた。

「先週の週末は天気が良かったね。どこかに行ったりした?」

「最近、男子生徒が君のことを噂しているよ。何か視線を感じるようなこと、ない?」

「毒味役は順調?毒が入ってるのは相変わらずアマリリスのものだけ?」

どの言葉にも、遠回しに私の身の安全を確かめるような所が見て取れる。特に、誰かにつけられていないか、遠くには行っていないかを気にする傾向がある。何故だろう。私、捕まるようなことをした覚えは…………あ。

 

ダークが今日も私に質問し、その答えを聞いて立ち去ろうとしている。いつもなら「やっと終わった」と喜んで彼を見送るのだが、今日は……彼を引き止めた。

「まって、ください」

その言葉に驚いたような顔をしながらも振り向いて、「どうしたんだい?」となんてことないように言うダーク。私は少し迷い、小声でも聞こえるようにとそっと彼に近づいて言った。

「……光の魔法使いの存在が、バレたの?」

そんな言葉に、ダークは目を大きく開く。やっぱり、そうなのか?と思った途端、ダークは私の口を塞ぐ。

「…………誰に聞かれているか分からない。……その言葉を口にしない方がいい。」

ダークがここまで必死になるなんてよっぽどなんだろう。私はその言葉にコクコクと頷くと、ダークは私の口から手を離す。

「……正確に言えば、存在はバレていない。ただ、だからこそ国は必死に探している。魔王の復活が、近いから」

小さな声でそう伝えるダークの表情は固い。何をそんなに必死になっているのだろうか。国にバレたらバレたで国が保護してくれるだろうし、大丈夫じゃないだろうか。悪い奴にバレるのが問題なだけで。そう首を傾げるも、ダークはこれ以上何かを言うつもりはなく「ま、僕に任せてくれればいいから。なんかあったら報告して」と立ち去ろうとしている。

なんか、なんか、変だ。違和感がある。思わず私はダークの手を取った。まって、と。ダークはゆっくり振り向き、目線を送る。ああ、何も考えてなかった。この腹黒王子と会話する時は、いつも脳みそをフル回転させてるのに。でも、なんか、今はそれどころじゃないというか。私は少し黙った後、ダークに、言った。

「何か、無茶してない?」

その言葉にダークは、ぎゅっと口を結んだ。

そして、俯き、少し時間が経った後、彼は顔を上げる。

「何のこと?」

その顔は、いつも見ている、欠点の見えない、綺麗で、穏やかな、心が見えない笑顔。

ああ、一瞬だけ、一瞬だけ見えた、気がしたのに。……だめだ。心配だ。彼は、完璧で、隙がなく、できないことなんて何一つない。そんな顔をしているけど。本当は……。

「何か、手伝うよ?ほら、私入学テストであなたより成績が高かったし?ふふふー!私を味方にできるなんて、よかったですねダーク殿下!」

そう、敢えていつもの軽口を叩きながらそう言う。何でもないように、明るく、いつもよりもお茶目な感じで。ダークは、私のその言葉に、表情に、少し目を見開き、そして、目を細めた。その瞳には、感謝が滲んでいるように見えた。

「……じゃあ100年の眠りの回避方法、わかったら教えてくれる?」

その言葉に、私は「仕方ないなー!」と元気に答えた。因みにその後、「入学テスト以降君は僕より高い点数取ってないけどね」という嫌味を言われたので、やっぱり手伝うのをやめようかなと、そう思った。

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