第16話 看病(2)
まあ、何はともあれロニアが私の部屋に泊まることになった!!熱下がったものの心細かった私はとても嬉しい!!ロニアが何か心配そうにしているのは気になるものの、私は意気揚々とボードゲームを取り出す。
「ロニアはどれやる?まだ時間はいっぱいあるからじっくり選んでいいよー!」
そんな私の言葉にロニアは眉を顰め「やらないです」と間一髪入れずに断った。うう、やっぱり無理言ったこと怒っているのかもしれない。そう思い俯いてしょぼくれていると、ロニアが「1つだけなら……いいですよ」と言ってくれた。
その言葉が嬉しくて、これから行う遊びが楽しみで、私はワクワクした気持ちで「どれにする!?」とロニアに色々なボードゲームを渡した。
ロニアは仕方がなさそうにボードゲームを受け取っていたけど、やっていくうちに段々白熱していった。
戦いは夜中まで続き、私の戦うべき相手はロニアではなく、眠気になりつつあった頃、ロニアは言葉を発した。
「そろそろ寝たほうがいいですね。片付けて明かり消しましょう。アゼリアさんは横になっててください」
「……うん……ロニアも、寝るよね?どっち側がいいとかある?私はできれば壁側がいいんだけど」
「……は?」
「ん?」
ロニアはベッドの掛け布団をめくり、「こっちでもいい?」とマットレスをぽんぽんと示す私を、信じられないものを見るかのような目で見る。
「正気ですか?」
「しょ、正気……だと思う。もう熱下がったし」
「自覚症状がないと……じゃあより良くないですね。今すぐ病院へ行ったほうがいいです。脳の」
「ひ、ひどい!確かに要領は悪いけど、そこまで言うなんて」
「……酷いのは、あなたですよ」
プンプン怒る私に、ロニアは静かにそう言った。ゆっくり、わたしが座っているベッドに向かい、座って、じっと私の方を見た。
「……淑女が男性をベッドに誘ってはいけません。常識ですよ?」
そう伝えるロニアに「そんなの知ってる」と言いながら、私は続けた。
「……でも、ロニアは私のこと、そういう目で見てはないでしょ?だって、ロニアが好きなのは……」
アマリリスお姉ちゃんでしょ?と言おうとして、やめた。あまり、人の恋愛事情に口出ししないほうがいいだろうという私の良心と……ロニアの顔があまりにも怖かったからだ。
ロニアは、私を怖い顔で見た後、何か言おうとして……やめて……少しため息をついた後、また口を開いた。
「……仮にそうだとして…………男というものは、そういうことをする対象は、好き嫌いで決めません。……女性が思っているよりも、その……コントロールがきくものではないんです」
「えっ……ロニアって性欲あるの?」
と、思ったまま口にしてしまった瞬間、まずいと、思った。これは失礼な言葉だったし、何より……
「…………へぇ……あなたは私が思っているよりも随分……馬鹿なようですね」
ロニアがめちゃくちゃ怒っている!ご、ごめん!性欲ないとか失礼だったよね!いや……その……乙女ゲームでは、感情ない冷たいロボット人間って設定だったからつい意外で……なんて、言い訳はできるわけもないまま、私はいつの間にか、ロニアに押し倒されていた。ベッドに。
「……ろ、ロニア……?」
ロニアはじっと私を見据え、そして、にっこりと笑った。
「私に性欲があるかどうか……どうぞ確かめてみてください」
そうロニアは私の首筋に、自身の唇を押しつけた。
「……え!?」
あまりにもの衝撃的な行動に思わず声を漏らすが、ロニアは気にしないとでも言う様子で、今度は別角度から首にキスをし……そして……
「ん!?……あ、え……」
「……汗、かいてますね……ちょっとしょっぱいです」
「じゃあ舐めない……で!……んっ」
「……そっちこそ、そんな声出さないでください」
「だっ……だってロニアが舐めてくる……からっ!」
そう抗議するが、ロニアはそのまま私の耳に、チュっとキスをし、軽く甘噛した後、そっと囁くように言う。
「…………やめられなくなります」
こ、これは駄目だ。こ、これは……エッチすぎる!!む、無理です病み上がりにこれはきつい!いや、病み上がりじゃなくてもきつい!こんな、イケメン色っぽ年下男子に、こんなことされてしまっては私という人格が崩壊してしまうというか!溶けてしまうというか!なんというか!!そう!つまり!!
「……熱ぶり返しましたか」
そう、ため息をつきながら私のおでこに手を添えるロニアの眉間にはシワが寄っていて、私は「……なんかごめん」と言うしかできなかった。
私生活が忙しくなってしまい、次回は4月下旬か5月上旬に掲載する予定です。いつも見てくださってる方、すみません。
どうか今後もあたたかな目で見守ってくださると嬉しいですm(_ _)m




