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乙女ゲームのルール

100年の眠りの回避方法。私はこの世界の乙女ゲーム『ロマンス学園』をクリアしているので、その方法は、知っている。

ゲームでは、難易度高いハッピーエンドを迎えることが、この100年の眠りを避け、魔王を倒すことができる条件だ。では、そのハッピーエンドはどうしたら叶うのか。条件は大きく分けて3つある。

1つ目は攻略対象全員の好感度を最高レベルまで上げること。これもとても難しいが、法則が分かればできなくもない条件だ。

2つ目は魔王を倒すアイテムを全て揃えること。これが結構大変。学園を捜索するのはもちろん、国内も回らなきゃいけないし、魔獣がよく出る危険な森にも行かなきゃいけない。でも、睡眠時間を削って捜索をしながら、ヒロインのステータスをぶち上げて脳筋で魔獣を倒せば何とかなる。

そして最後、3つ目。これは、そこまで難しくない。難しくはないが……。今、ここにいる私はこの条件がすごく厄介に思えている。その3つ目は。

攻略対象1人を、生贄として捧げることだ。

ゲーム画面では、魔王と戦いの最中、攻略対象3人の選択肢が出る。私はその時、よく分からないまま適当に押したのだが、その後、その選択した攻略対象が犠牲になるとは思わなかった。

あれは、自分の代わりに犠牲になる人を選ぶ選択肢だった。

魔王は、寿命を餌とする。ヒロインが100年の眠りに落ちるのも、寿命を食べているからだし、100年に一度魔王があらわれるのはお腹が空いたからだ。

光の魔法使いは唯一魔王を倒せるといったがその本当の意味は違う。

光の魔法使いは、魔王によって犠牲になった人たちの記憶を、消すことができる能力を持っているに過ぎない。そして本来は、魔王に寿命を食べられるのは光の魔法使いの使命なのだ。何故なら、光の魔法使いが犠牲になることが1番、魔王を眠らせることができる期間が長くなることにつながるから。普通の人が犠牲になっても、精々60年が限度。だから、この国におけるハッピーエンドは、私が犠牲になる乙女ゲームにおけるバッドエンドなのだ。

…………駄目だ!よくないぞこれ!何度も言うが私は平和主義者だ。誰かを犠牲になどしたくない。でも、自分が死ぬのだって嫌だ。まだまだやりたいことはたくさんある。魔王が現れるのは、ゲームでは3年の卒業式だ。まだ2年はある。いや、2年しかない。

どうにかこのルールを、決まりを、どうにかできないものだろうか。そう思いながら私は、1つでも多くのヒントを得るために、禁術書を開くのであった。


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