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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第897話:吾が主の感想は大概おかしい

 エルが聞いてくる。


「ユーラシアの固有能力は何だっけ?」

「『精霊使い』でしょ? 沈黙・麻痺・睡眠に耐性があるっていう『自然抵抗』、気合でどんみたいなスキル習得する『発気術』、すごくカンがいい『閃き』、運のパラメーター爆上げの『ゴールデンラッキー』。それから最近『限突一五〇』っていう、レベル上限が一五〇になるやつが発現したんだ」

「六つもですか?」

「驚いてくれるの黒服さんだけだよ。ここのところ皆があたしの扱いいい加減なんだよね」


 あたしの持ってる固有能力はレアなものが多いらしい。

 けどソル君の『スキルハッカー』やエルマの『大器晩成』みたいに、持ってるだけですごい冒険者としてやっていける、みたいなのはない。

 でも皆あたしらしい固有能力なので、気に入っているのだ。


 レイカが笑う。


「『限突一五〇』なんて普通じゃどうにもならないじゃないか。いや、でもユーラシアなら有効に使えるんだろう?」

「すげえ便利なんだよ。あたし自分のレベル以下の魔物を一掃できる『雑魚は往ね』ってスキルを使えるじゃん? ドーラの魔物はレベル九九以下だからさ、イビルドラゴンだろうが人形系だろうが一撃で倒せるようになったの。お仕事がメッチャ捗るよ」

「ドーラの魔物とはどういうことだ?」

「ブラックデモンズドラゴンとかカオナシはレベル一二〇なんだって。あれドーラにいないみたいなんだ」


 黒服が言う。


「ブラックデモンズドラゴンって『黒い災厄』ですね? そういえばユーラシア様は、あれと戦ったことがあるんでしたね」

「バアル関係で」

「吾が召喚したである」

「ブラックデモンズドラゴンとは二回戦ったんだけど、『逆鱗』五枚四枚だったよ。儲かるねえ。幽玄浮島珠ドロップすることもあるんだよ」

「吾が主の感想は大概おかしいである」

「すごく楽しそうだな」

「楽しい。あたし儲かること大好きなんだ」

「普通は損害の方が大きくなることを理解しような」


 大笑い。

 いい感情が溢れているんだろう。

 ヴィルがどこに行こうか迷ってるわ。


 エルが言う。


「じゃあユーラシア。三日後こっちへ来てくれないか? 塔の最上階にチャレンジしてみるから」

「何だよー、ウシ君に会わせてくれるの? 何をおいても駆けつけるよ」

「よかった。じゃあ謝礼はいらないな?」

「あっ、しまった! 早まった!」


 再びの大笑い。

 悪魔らしい悪魔ザガムムか。

 ウシ君はどんな子だろう?

 たーのしみだなー。


「ユーラシア、リリーやレイカにも言っとかなきゃいけないことがあるって言ってなかったかい?」

「忘れるところだったわ。まずリリーの方から。あたし『カル帝国皇宮』ってクエストもらったんだ」

「皇宮? 皇宮のどこかへ転送で飛べるようになったということかの?」

「そゆこと。裏門の近くだね」

「事件にならなんだか?」

「あたしを何だと思ってるんだ。実は自分でも心配してたけど」


 こら一斉に頷くな。

 いや、マジで不安だったわ。

 美少女精霊使いのプリティスマイルが通用しない場面があるってことくらいは理解してるわ。


「向こうでリモネスのおっちゃんと再会できて、近衛兵長ヴォルフって人と仲良くなった。もうあっちに遊びに行けるなー」

「ヴォルフは真面目な男だ。あまりからかうでないぞ」

「どれくらいまで許容範囲なのかな?」


 リリーと黒服がおよそ美少女精霊使いを見てるとは思えない目で見てくるよ。

 冗談だとゆーのに。

 近衛兵長さんが真摯に仕事してる人だとゆーことはわかったってば。


「で、リリーのスタンスをあたしは知らないじゃん? 聞いておこうと思ったんだ。例えば向こうでリリー呼べってことになったらどうすりゃいいのかな?」


 リリーと黒服が顔を見合わせる。


「……誰が呼んだかによる」

「了解。リリーに関わる事態になったら相談に来るよ」


 相当帝国本土での生活には懲りてるっぽいな。

 リリーの人間関係に関しては、皇宮で聞いた方が客観的なことがわかるかもしれない。

 リモネスさんや近衛兵長さんは反リリーじゃないようだし。


「まああたしが帝都に飛べるようになったってことは覚えておいて」

「うむ」

「で、最後にレイカについてだけどさ、カグツチさんが久しぶりに会いたいみたいなんだよ」

「わかった。連れていってくれるか」

「早っ! 軽っ!」


 カグツチさんも同様だけど、拘りとか躊躇とか余韻とかが一切ない。

 カグツチって誰だって顔を皆がしてるわ。

 わかっちゃいたけど、レイカって自分のこと全然説明しないよな。

 カグツチさんはレイカの父ちゃんのオールウェイズスクワッターだよ。


「何というか、もっといとしさや切なさや心強さを前面に出してくれた方が、あたしも萌えるんだけど」

「そう言われても。ユーラシアはいつなら都合がいいんだ? 私は早い方がいいんだが」

「ことごとく親子で同じこと言うなあ。笑えてきちゃう。明日はどう?」

「わかった。明日の午前中、待っているぞ」

「ヴィル、カグツチさんとこに行ってくれる?」

「はいだぬ!」


 ワープで消えるヴィルを皆が面白そうに見る。


「ジンとハオランはどうする? カラーズ行きたい?」


 ハオランは黄の民の出だ。

 小さい頃世話になってる黄の民族長フェイさんに挨拶くらいしたいだろうけど、ジンはどうかな?


「「行きたい!」」


 二人をカグツチさんに会わせたらどうなるだろニヤニヤ。


『御主人、聞こえるかぬ?』

「うん、よく聞こえるよ」

『代わるぬ』

『精霊使い殿か』

「うん、レイカと連絡取れたんだ。代わるね」


 赤プレートをレイカに渡す。


「父さん、明日赤の民の村に連れていってもらうことになった」

『そうか』

「それだけかい!」


 赤プレートを返してくるレイカに言う。

 何でこいつらには侘び寂びがないんだ?

 カグツチさんなんか性急で暑苦しいのに、異常なまでにあっさり風味。

 全くわけがわからん。


「明日の午前中に、レイカのパーティーメンバーと一緒に行くね」

『わかった。すまんな』

「ヴィルありがとう。通常任務に戻っててくれる?」

『わかったぬ!』

「ごちそーさま。今日は帰るね。あ、『光る石』スタンド完成したんだった。使って感想聞かせてよ」

「おお、待っていたぞ!」

「ありがたく使わせてもらうよ」

「すいません。ありがとうございます」


 ハハッ、喜んでもらえたし。

 転移の玉を起動し帰宅する。

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