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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第879話:量産型『光る石』スタンド完成

 開拓地の方で十分に魚を堪能した。

 大満足だなー。

 魚パーティーも楽しいからまたやりたいわ。


 で、赤の民の村へ行くのだが、何故かサイナスさんも一緒なんだなあ。


「ついて来たって、『光る石』スタンド取りに行くだけだぞ? 面白いことないと思うんだけど」

「君はエンターテインメント精神の塊で、ギャグセンスの権化だろう? 面白さは君が補充してくれ」

「そーいえばそうだった」

「そうだったぬ!」

 

 笑いながら赤の民の村へ急ぐ。

 今日はいよいよ量産型『光る石』スタンド完成の日なのだ。

 量産型って言っても、黒妖石の量には限りがある。

 三〇個近くは作れるはずだけれども。


「楽しみだなあ」

「あれ、ユーラシアも楽しみなのかい?」


 サイナスさんが意外そうだ。

 まーあたしに必要のないものであることはその通り。


「スタンド自体を楽しみにしてたってことじゃないんだ。でも欲しがる人が結構いるじゃん? 皆の喜ぶ顔が見たいの」

「いいこと言うなあ」

「美少女精霊使いイメージアップ大作戦開始だよ」

「必要ないこと言わなければなあ」


 アハハと笑いながら工房へ。


「こんにちはー」

「おっ、待ってたよ」


 職人さんがにこやかに声をかけてくれる。

 今回は黒妖石の小石を一袋渡し、作れるだけ作ってくれという注文にしてあるのだ。


「いくつできたかな?」

「二八個だな」

「とゆーことは、四二〇〇ゴールドだね。はい」

「精霊使いは計算が早いな」

「おゼゼに関することはね」


 アハハ。

 商売やるなら計算が大事だね。

 しかし製作費一個一五〇ゴールドは安いなあ。


「これあげる」

「ん、魔宝玉か?」

「透輝珠だよ。いつもいい仕事してくれてるからもらってよ」

「い、いいのかい? 悪いな……」


 恐縮してくれなくたっていいんだってば。

 あたしの認めた仕事なんだから。


「で、新しい仕事でーす。またこれで同じ『光る石』スタンド作ってくれる?」


 どさっ。

 黒妖石の小石入りの袋を置く。


「おう。また作れるだけ作ればいいんだな?」

「うん。お土産に手頃なんだよね。思ったより欲しがる人多いから、数が必要っぽいんだ。今は比較的手すきなんでしょ? なら今の内頼んどいた方がいいしなー」

「ハハッ。今日のだって二八個もあるんだぞ?」

「まー一応ドーラ国内に限定するつもりだけど」

「持って帰れるかい? あれ?」


 ひょいひょいナップザックに放り込む様子を見て、職人さんもおかしいと思い始めたようだ。


「どうなってんだ、それ? バッグに収まる量じゃなかったろうが」

「これねえ、いくらでもものが入る魔法のナップザックなの。口より大きいものは入んないけど」」

「ほお、不思議なものがあるんだな」

「じゃねー。よろしく」

「おう、五日後には引き渡せるからな」


 職人さんに別れを告げる。


「一個くれよ」

「わかってるとゆーのに。はい、どーぞ」

「ありがとう」


 サイナスさんが『光る石』スタンドを拝んでるわ。

 何だそれ?

 拝むなら美少女精霊使いを拝め。

 よっぽど御利益あるわ。


 さて、赤の民族長宅へ。


「こんにちはー」

「おう、精霊使い殿、サイナス殿!」


 族長カグツチさんが、汗を拭きながら快活に話しかけてくる。

 今冬なのに、どーしてそんなに汗かいてるんだか。

 この人、暇さえあるとスクワットだな。

 暑苦しいから夏は絶対に来ないことにしよう。


「例の『光る石』スタンドが完成したんだよ」

「おお、素晴らしい! いくらかな?」


 声デカい。


「いや、売り物じゃないからいいんだ。お世話になってる人にプレゼントだよ」

「悪いではないか。そうだ! これをもらってくれ」


 あれ、透輝珠が出てきたぞ?

 あたしはこの魔宝玉に縁があるなあ。


「ありがとう。でももらい過ぎなんだけど」

「ハハハ。ではレイカの話でも聞かせてくれんか」


 父親らしい柔和な目になる。

 カグツチさんもレイカがいないと寂しいのかもしれないな。


「レイカもこの『光る石』スタンド欲しがってるんだよ。何に使うんだって聞いたら、夜寝られない時スクワットするけど、『光る石』を握り潰さないかヒヤヒヤするからって」

「自分と似たようなことを言ってるな」

「うん、やっぱり親子だなーって思ったよ」

「ふふっ」


 しばしの和やかな沈黙。

 部屋には緑の民が販売しているレイカのポスターが飾ってあるな。

 棚には木札が置いてある。

 以前レイカがあたしに託した、『赤く燃えている』と書かれたものだ。


 サイナスさんが話しかけてくる。


「会わせてあげることはできないのかい?」

「レイカに? そりゃあできるよ」


 しかし一人前になるまで会わないという、ジンとヘリオスさんみたいなめんどくさい親子もいる。

 レイカとカグツチさん、双方から会いたいとの声は聞こえない。

 出しゃばり過ぎなんじゃないか?


「おお、会わせてくれるか! ありがたい!」

「早っ! 軽っ!」


 適当なツッコミが用意できなかったじゃないか。

 エンターテイナーとして恥ずかしいわ。

 何か複雑な葛藤みたいなものはないんかい!

 あたしの細やかな配慮を返せ!


「いつ会わせていただけますかな?」


 会わない理由なんて全然ないらしい。

 敷いていえば遠隔地だから?

 おまけに相変わらずの性急さ。


「レイカの都合もあるだろうから、向こうの予定聞いてからにするね。カグツチさんはいつがいいとかダメとかってある?」

「特にない。会えるなら早い方がいいな」


 うむ、スピード重視の人だった。

 もちろんわかっていたとも。


 しかしレイカは気分で行動する傾向にある。

 起きてくる時間や探索に行く時間決まってないしな?

 会おうと思うと意外と難しいのだ。

 近い内午前中に捕まえて、いきなり赤の民の村に連れてくることになるだろうな。


「レイカの了解が取れたらすぐ連れてくるね。多分数日後、直前にヴィルを連絡に寄越すよ」

「わっちに任せるぬ!」

「よろしくお願いしますぞ」


 カグツチさんに頭を撫でられ、満足そうにするヴィル。

 いい子だね。

 それに比べてクララよ、あんたは何だ?

 ユー様また不埒なこと考えてるでしょう、という顔をしている。

 ジンとハオランを一緒に連れてきたらどうなるかなーと思ってるだけだってばよ。

 赤の民だって次期族長問題はあるだろうからねニヤニヤ。


「じゃ、さいならー」

「失礼します」

「うむ、また会おう。楽しみにしている」

「バイバイぬ!」


 赤の民の村を後にする。

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