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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第867話:グリフォンは割と可愛い

 フイィィーンシュパパパッ。


「オニオンさん、こんにちはー」

「こんにちはぬ!」

「いらっしゃいませ、ユーラシアさん」


 精神の安住の地魔境へやって来た。

 曇っちゃいるけど、ダンテが魔境は天気持つって言ってるし。


「家は大雨なんだよ。だから遊びに来た」

「遊びにですか。ユーラシアさんは相変わらずですねえ」

「相変わらず可愛いって? おっぱいさんに悪いなー」

「いえいえ、サクラさんとのことも感謝しております。……本当にワタクシでいいのかと」

「まだそんなこと言ってるの? あたしの知る限りの人で、おっぱいさんと一番相性がいいのはオニオンさんだぞ? 自信持て」


 あたしのラブセンサーは間違いないのだ。

 オニオンさんとおっぱいさんは絶対にうまくいく。


「ところでお金の方はよろしいので?」

「よろしくなくてカツカツなの」


 オニオンさんは笑うけど、冗談じゃないんだってばよ。

 あったかパワーカードを行政府に置いてくるまでは、マジでおゼゼないの。

 早めに行政府行かないとなー。

 雨やんだら行こ、明日だな。


「今日もまたヴィルちゃんが一緒ですか?」

「うん。おっぱいさんに聞いてないかな? ソル君が『魔王』の、あたしが『カル帝国皇宮』っていうクエストもらったんだ」

「超高難易度のクエストを担当してもらった、とは聞きましたが、詳しいことは……」


 職員には守秘義務があるから、細かいことは言わないんだったな。


「で、あたしにも魔王紹介してって、ソル君にも頼んであるんだ」

「魔王を紹介、ですか?」

「ヴィルもバアルも面白い子だからさ。魔王も愉快な子だと思う」


 悪魔は一般的にイメージが悪い。

 ただ契約にはうるさいらしいので、ウソ吐くことは考えなくていいだろう。

 抜け目ない商人が嫌われるようなもんなんじゃないかな?

 であればあたしと悪魔は相性がいい気がする。

 いろんな子に会ってみたい。


「配下の高位魔族が一〇人以上いるらしいんだ。ヴィルがバカにされちゃうとあたしが面白くないじゃん? だから魔王との対面に備えて、少しレベル上げておくんだ」

「おくんだぬ!」

「ワタクシには十分強者に見えますが……」

「相手が魔王だからねえ」


 準備万端で会いたいね。

 ま、ソル君もそう簡単に進められるクエストではないと思うから、ヴィルのレベル上げは急ぎではない。


「ユーラシアさんの『カル帝国皇宮』の方はどうなんです?」

「まだ転送魔法陣が繋がってないな。初めて行く時が重要じゃん? あんまり騒ぎにならないようにしたい」

「ハハハ、お土産を持っていったらどうですか?」

「お土産?」


 ドーラの産物を紹介してくるチャンスかな?

 考慮に値するな。

 といってもどこに転送されて誰がいるかがわからんことには……。


「死にそーな皇帝の枕元とか、秘密の軍事会議の最中とかに飛ばされちゃったら嫌だなーと思ってたけど、お土産があれば雰囲気和むかもしれないね」

「えっ? そんな深刻な事態は考えてなかったですけれども」

「ありがとう、オニオンさん。何か見繕っておくことにするよ」

「えっ、えっ?」


 何慌ててるのよ?

 もっとも可愛い美少女の笑顔が一番のお土産の気もする。


「行ってくる!」

「い、行ってらっしゃいませ!」


 ユーラシア隊及びヴィル出撃。


「今日はどうしやす?」

「昨日と同じだな。でも素材よりも魔宝玉重視で。真っ直ぐ突っ切ってこ」

「立ち塞がるものミナゴロシね?」

「おお? 今日のダンテは威勢がいいね。蹂躙して行こう。そこのけそこのけあたしが通る!」


 アハハと笑いながら北へ進む。


「やたっ、卵だ!」


 行きがけに出会うワイバーンは恐怖の対象だったけど、無限ナップザックを持つ今のあたし達に敵はない。

 気分がいいなあ。

 もちろん素材の爪も回収する。


「ふんふーん。あ、クレイジーパペット二体か、もとい、新経験値君二体か」

「言い換える意味がありやしたかね?」

「ないけれども」

「向こうにグリフォンがいますよ」

「ほんとだ。でも向かってくる気配はないね?」


 まあ邪魔にならなければいいのだ。

 薙ぎ払い一閃!


「リフレッシュ! よーし、二体とも逃げなかった! 透輝珠と藍珠二個ずつ。儲かった!」

「儲かったぬ!」


 ハハッ、ヴィルも上機嫌だ。


「ボス、近付いてくるね」

「何のつもりだろ?」


 グリフォンがおずおずと近寄ってくる。

 ドラゴン帯の気の荒い魔物なのに、敵対の意思はなさそうだし?

 こんなんは初めてだな。


「きっとこのクレイジーパペットの亡骸を食べたいんでやすぜ」

「おおう、なるほど!」


 以前魔境で初めてデカダンスを倒した際もグリフォンに襲われ、その後デカダンスの亡骸を食べるのを見た。

 人形系レアが好物なのかもしれないな。


「おいで。いいよ、食べなさい」

「理解しますかね?」

「うーん、ロック鳥は理解したから、この子もわかってくれるんじゃないかな?」


 あ、喜んでこっち来たぞ。


「食べてるぬよ?」

「よしよし、おいしいか」


 グリフォンの攻撃じゃおそらく人形系レアは倒せない。

 滅多に食べられない御馳走なのかもしれないな。


「大型鳥の魔物は、比較的物わかりがいいような気がする」

「そうでやすねえ」

「コッカーはどうね?」

「やつはダメだ。お肉にしか見えないわ」


 アハハと笑い合う。


「じゃあね、またね」


 くおっとグリフォンが鳴いた。

 挨拶なんだろう。

 人形系パラダイスを目指してさらに北へ。


          ◇


「ただいまー」

「ただいまだぬ!」

「お帰りなさいませ」


 まずまず稼いだあと、ベースキャンプに戻ってきた。


「オニオンさん、グリフォンは割と可愛いねえ。人形系の魔物で餌付けできるような気がする」

「餌付けですか?」

「うん、人形系の亡骸が好きみたいなんだよね。食べたそーに寄ってくるの。おいでって言ったら、喜んで食べていったよ」

「ユーラシアさんならではの不思議現象かもしれませんけど」


 最近あたしを理解するのを諦める人が多い気がする。


「以前、ロック鳥も意思の疎通ができたんだ。魔物でも懐いてくる子は敵じゃないなあ」

「敵じゃないぬ!」


 よしよし、いい子。


「人形系レア魔物が懐いてきたらどうします?」

「ええ? メッチャ困るなあ。あたしも鬼じゃないから、泣いてから倒すことにする」

「結局倒すんですね」


 アハハと笑い合い、オニオンさんとさよなら。

 急がないと買い取り屋が閉まってしまう。

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