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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第864話:後輩ズが塔の村に

 ――――――――――一六二日目。


 フイィィーンシュパパパッ。


「こっちも曇ってどんよりしてるねえ」


 今日は朝から塔の村だ。

 あったかパワーカードの納期は明日なのだが、一応確認しに来た。

 アルアさんとこはもうでき上がってたしな。

 コルム兄も忙しそうに思えないから、既に引き渡し待ちになってる可能性が高いと見た。

 来月分一五〇個納品してくれってことも伝えておかないといけないし。


「ホームもタワーのビレッジも午後にはレインね」

「そーかー」


 だったら昼御飯は海の王国でもいいな。

 どうせ塔の村には大した用があるわけじゃない……と思っていた時代があたしにもありました。

 何故か塔の村にいないはずの面々を発見。


「あんた達どうしたの?」

「お姉ちゃん!」「「ユーラシアさん!」」「先輩!」


 ノブ君、ツインズ、ボニーのパーティーがいる。


「先輩、昨日は愛してる」

「何だそれは。誤解されるわ」


 アハハと笑い合う。

 ボニーも昨日の強草依頼の失敗は引きずることなく、新たなクエストに臨んでいるようだ。

 ってか、クエストで塔の村にいるんだよね?


「おいらのクエストで『塔の村』が出た!」

「おお、相変わらずノブ君の説明は一発で理解できるね。で、どんなクエストなの?」

「わからない!」

「今日が初めてなんです」

「ふーん……変だな?」


 あたしがお肉供給の依頼を請けた時ならともかく、今はこっち冒険者多いだろうに。

 どーして『アトラスの冒険者』が必要になるんだろ?

 いや、塔の村の冒険者じゃどうにもならないくらいの高レベル者が必要ってことはあり得るけど、クエスト振られたのノブ君でしょ?

 レベルが高くない新人にこなせて、塔の村の冒険者じゃ解決が難しいクエスト?

 特殊なやつかな?


「ま、いいや。こういう何やったらいいかわかんないクエストは、一番えらそーな人に話聞くのがコツだからね。えーと、デス爺は……」


 どこだ?

 晴れてる日だと頭が光るからすぐわかるんだけど、今日曇ってるからな。

 あ、いたいた。


「おーい、じっちゃーん!」

「何じゃ、ユーラシアか。曇ってるのに騒々しい」


 曇ってるのは関係なくない?

 しかしあたしの連れている面々を見て意外に思ったようだ。


「この子ら後輩の『アトラスの冒険者』で、こっちからノブ君、ツインズ、ボニーだよ。このじっちゃんが塔の村の村長のデス爺ね」

「「「「よろしくお願いします!」」」」

「うむ、よろしく。で、何の用じゃな?」

「クエストでここへの転送魔法陣が出たんだって。となると塔の村で何か困りごとがあるはずなんだけど、じっちゃんに心当たりない?」


 腕を組んで考える様子を見せるデス爺。


「……いや、村全体としては順調じゃの。特に冒険者に頼むことはない。しかし、コルムが頭を抱えていたな」

「コルム兄が?」


 ちょっと待て。

 あったかパワーカードの生産頼んでるんだぞ?


「……じっちゃんはあたしがコルム兄に輸出品のパワーカード作ってくれって頼んでるの、知ってたっけ?」

「知っておる」

「コルム兄にトラブルあっちゃ困るんだけど。納品実績に関わるわ。帝国の商人さんに舐められてしまうわ」

「トラブルかどうかはわからん。まずコルムに事情を聞くとよかろう」

「そーする。ありがとじっちゃん」

「「「「さようなら」」」」


          ◇


「ここの塔は魔力条件が絶妙で、いくら取っても素材がなくならない、いくら狩っても魔物がいなくならないって特性があるんだよ」

「冒険者にピッタリだ!」

「そゆこと。だから素材やアイテムの売買で潤っているんだよ」

「僕達がここの塔に入っても構わないですか?」

「もちろんいいけど、あんた達が素材を手に入れたら、アルアさんとこへ持っていきたくなるでしょ? となると塔の村の儲けにならないからね。あたしは遠慮してるんだ」


 頷く一同。

 いや、あたしの気の回し過ぎだと思うけどね。

 ドーラ全体の経済としては変わらないわけだし。


「上のフロアに登ると下へ戻れない、脱出魔法陣が五階おきにしかないっていう妙なダンジョンだから、もし入るんだったら情報集めしてからの方がいいぞ」

「「「「はい!」」」」


 うんうん、元気のあるいい子達。

 まあ転移の玉を持ってるからどうってことないわけだが。


「……で、この路地を抜けたところにある怪しげなショップ、これがパワーカード屋ね」

「ユーラシアか! 助かった!」

「あたしのプリティフェイスを見るなり何なの? まだ助けると決めてないぞー!」


 後輩ズとコルム兄を相互紹介してと。


「コルム兄の髪が寝起きのあたしよりもくしゃくしゃな時は、困ってるんだと見切っているよ。しかしてその正体はいかに?」

「芝居がかってるね?」

「ギャラリーがいるからね」


 ハハッ、ボニーがワクワクしてるのが伝わるよ。

 あたしもエンターテインメントは大好き。


「素材なんだ」

「素材?」


 塔の村は冒険者が一杯いるんだから、素材の量は困んないだろ。

 レア素材かな?


「じゃなくてコモンの素材なんだが、塔のダンジョンで出ないみたいなんだ」

「なるほど、あり得ることだな。何の素材?」

「『鎧貝』だ」


 名前に記憶がないな。

 海の王国で買った素材詰め合わせに入ってましたよと、クララが教えてくれた。


「『スカロップ』のパワーカードを製作するのに必要なんだ。あまり出ないカードだから、『鎧貝』のストックを切らしてるのに気付かなくてさ」

「ふーん、状況は理解したよ」


 『スカロップ』は防御力・魔法防御・回避率を上げ、毒の状態異常を無効化するカードだ。

 毒の警戒のために、プリンスルキウスには持たせてある。

 確かに地味な効果だが、こっちには毒が脅威の魔物がいないのかな?


「新規のお客からの注文なんだ。しくじりたくないんで、どうにかならないか?」


 ふむふむ、しくじりたくない新規のお客。

 冒険者じゃなくて、商人や近隣の自由開拓民集落の住人の殺人蜂対策とかかもしれない。

 パワーカードの需要が増えて冒険者以外の一般客にまで広がるのは、あたしにとっても嬉しいことだしな。


「ギルドの武器・防具屋さんにはいつも置いてあるカードだよ。今から一枚買って来る」

「頼む!」

「で、今後の『鎧貝』の調達についてはこの子達に相談してね。どうやらクエストみたいなんだ」

「わかった」


 転移の玉を起動し、一旦家に戻る。

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