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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第860話:ヴィルのレベルを上げる

 ボソッと呟くピンクマン。


「……気後れする」

「何を言ってるんだ。客観的に考えてみなよ。サフランのパートナーは将来黒の民を束ねる立場になるんでしょ? あたしはそう聞いたけど」

「重大な立場ぴょん?」


 ピンクマンも小さく頷く。


「とゆーことは、これはピンクマンとサフランだけの問題じゃなくて、黒の民全体の問題になるんだぞ?」

「……かもしれないが」

「かもしれないじゃないわ。確実にそーなるわ。サフランとの個人的な事情はまず頭から外して、誰が今後の黒の民を率いるべきかっていう、政治的なことから考えてみなよ」


 ピンクマンは周りがよく見える人で、自分だけじゃない広い範囲での将来の展望を持っているだろう。

 こーゆー言い方が効くんじゃないかな。


「……」

「高レベル冒険者なら資格十分、しかも外の事情にも明るくてサフランに好かれてる。あんた以上の条件の男性なんかいないでしょーが」

「だろうか?」

「間違いないとゆーのに。自分でも思うでしょ?」


 何度も確認するように頷くピンクマン。

 皆があたしの説得は悪魔的って言うけど、それは違うんじゃないかな。

 転がるべき方向に押してるだけだよ。


「自信持て。あんたはあたしが認める冒険者だ」

「わ、わかった」

「とゆーかとっととくっつけ。あんたが黒の民のトップになればあたしもやりやすい」

「ユーラシアさんの事情が入ってくるんですねえ」

「あったりまえだよ」


 あたしの事情は何より優先だよ。

 頑張ってくださいニヤニヤ。


「ユーラシア君は魔境に何の用があるのかぴょん?」

「お金を稼ぎに来たんだよ。いくつか事業が動いてるんだけど、活動資金が足りないの」

「ほう、感心だぴょん」


 まーあったかパワーカードを行政府に納めれば、当面の資金は足りるんだが。

 製塩にも黒の民の買い取り屋にも出資してやりたいしな。

 おゼゼっていくらあっても足りないもんだ。


「じゃ、行ってくる!」

「行ってらっしゃいませ」

「色々すまんな」

「さらばだぴょん!」


 ユーラシア隊及びふよふよいい子ヴィル出撃。


          ◇


「姐御、今日はヴィルも連れていくんでやすかい?」


 アトムも疑問に思うだろうな。


「うん。今後は魔王が絡んでくるみたいだからね」

「ソールのクエストね?」

「まあね。でも魔王なんて面白そーなお題に、あたしが関わらないはずはないじゃん?」


 クララがクスクス笑っている。


「魔王が関わってこようとゆーのに、ヴィルが関係しないとは思えん。魔王とその取り巻き連中のことを考えると、もう少しヴィルのレベル高い方が安心だわ」

「どういう展開になるかわかりませんしね」

「転ばぬ先のステッキね」

「そうそう」


 今までヴィルの戦闘力は重視していなかった。

 元々ある程度のレベルがあって強かったからだけど、戦闘メンバーじゃなかったしな。

 魔物の断末魔の感情なんか、ヴィルは嫌いだろうという思いもあった。


 しかし魔王とその配下の高位魔族との接触の可能性が見えてきた今、ヴィルのレベルアップを図らないのはただの怠慢だ。

 ヴィルが侮られる展開はあってはならない。


「わっちも頑張るぬ!」

「頑張らなくてもいいよ。しっかりガードだけしててね」

「わかったぬ!」

「精神的にキツくなったら言いなさい。ぎゅっとしてあげるからね」

「精神的にキツいぬ!」

「おおう」


 そーきたか。

 ヴィルをぎゅっとしてやる。

 可愛いやつめ。


「クララ、お願い」

「はい、フライ!」


 びゅーんと飛んで人形系レア魔物群生地帯、別名エルドラドへ。


「ボス、『実りある経験』ね? 『豊穣祈念』ね?」


 ヴィルの成長を優先するか、レアドロップ確率を上げるのが優先かという意味だ。


「クレイジーパペットとウィッカーマンの時は『実りある経験』、その他は『豊穣祈念』で。ウィッカーマン戦はクララ外れてくれる? 不測の事態になったら乱入してきて」

「わかりました」


 クレイジーパペットは『豊穣祈念』をかけてもかけなくても、透輝珠と藍珠を落としていく。

 ウィッカーマンのスーパーレアは鳳凰双眸珠だけど、高級魔宝玉は滅多なことで売れるもんじゃないから必要ないんだよな。

 ウィッカーマンはこっちの人数が多いと逃げちゃうので、盾役でも支援役でもないクララに外れてもらうと。


「よーし、いってみよう!」


          ◇


「結論から言うと、あたしTUEEEE!」

「それこの前も言ってやせんでしたか?」

「TUEEEEぬ!」


 程々に稼いだあと、お昼のお弁当タイムだ。

 北辺西の岩場の奥、初めて試しにウィッカーマン二体を相手にしてみた。

 先制で『メドローア』四発を食ったのだが、その内三発を『キントーン』装備で『メドローア』を無効化するアトムが受けたため、どうってことなかったのだ。

 危ないは危ないので、もう今後ウィッカーマン二体を相手にすることはないが。


「ユー様、黄金皇珠のストックが増えてきましたが、どうしましょう?」


 ウィッカーマンの通常ドロップであり、デカダンスのレアドロップである黄金皇珠。

 二万ゴールドと大変お高く引き取ってもらえるのだが、相場の下落が怖いのであまり売ってこなかったのだ。


「三、四個放出しようか。正直おゼゼ欲しいのは今だしな」

「わかりました」

「三つギルドで売って、一つ黒の民のショップで売ろう」


 魔宝玉は値ざやが大きいようなので、黒の民にも儲けさせてやろう。

 売却のルートが違う方が相場下落に強いかもしれないし。


「午後も同じように人形系レア狩りでやすか?」

「そのつもりだけど」


 何か違う考えがあるのかな?


「マテリアルがメニーメニー欲しいね」

「ダンテの言う通りでやすぜ。『ウォームプレート』の生産には素材が必要でやす」

「一理あるね」


 正直この人形系エルドラド、素材については貧弱だ。

 まあ黄金皇珠売るんだったら資金には余裕できるしな。

 素材優先でもいいだろう。


「よし、素材とアイテムを回収がてら、西のワイバーン帯オーガ帯を回って帰ろう。ギルドで換金してから家ね」

「「「了解!」」」「了解だぬ!」


 ヴィルのレベルも見た感じ七〇は超えたんじゃないかな。

 ヴィルのレベルアップはさほど急ぎじゃないからこれでいい。

 また魔境に来た時はお供させてやろう。

 ……あれ? あたしのレベルって、今いくつなんだろう?

 いくつかは上がってたけど、正確なところがわからんな?

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