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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第850話:密会ですか逢引きですかスキャンダルですか? とゆー挨拶

 フイィィーンシュパパパッ。


「こんにちはー」

「おはようございます。精霊使い殿」


 イシュトバーンさん家に飛んできた。

 画集の件も大詰めだ。

 今日はあたしの絵を描いてもらえるとのことなのだが。

 あ、イシュトバーンさん飛んできた。

 大分『遊歩』の扱いが上手になったもんだ。


「おう、来たか精霊使い」

「おっはよー。いつにも増して機嫌がいいね」

「そういうあんたは、いつになく不安そうじゃねえか」

「不審人物が何か企んでるとなると、美少女冒険者は警戒せざるを得ないんだよ」


 ニヤニヤしてやがる。

 気味が悪いなあ。


「早速行こうぜ」

「セレシアさんとこの店だよね?」

「ああ」


 青の民の服屋へ出発。


          ◇


「昨日のほこら守りの村の二人の絵は完成してるぜ」

「ありがとう。帰りにもらっていくよ」


 道中、イシュトバーンさんと話しながら行く。

 今日もお付きの女性達は来ないらしい。

 もう歩けるし飛べるしってことなのかな?


「面白いことなかったか?」

「あたしを何だと思ってるんだ。芸人じゃないぞ?」

「似たようなもんじゃねえか」


 しょうがないなあ。

 といっても面白いネタなんて……。


「一昨日の新人冒険者いたじゃん? クリークさんとマックスさんの子供達」

「おう。レノアはいずれ描きたくなるかもしれねえ」

「面白いキャラだよね。昨日あの後チュートリアルルーム行ったんだ。ジーク君に装備させるパワーカードが届いてるはずだったから」

「ほう」


 イシュトバーンさんがあの特有のえっちな目で見てくる。

 だからその目はセクハラだとゆーのに。

 

「何かあったのか?」

「とゆーわけではなくて。レノアの固有能力調べてもらったんだよ」

「ああ、あんたの推薦だったから、固有能力持ちなんだろうとは思ってたが」

「『吝嗇』っていう能力だった」

「金儲けするほどパワーアップするやつだな? しかし……」


 イシュトバーンさんは『吝嗇』を知ってるんだな。


「比較的難しい能力じゃねえか?」

「だよねえ」


 序盤は特に物入りだ。

 おゼゼを使うほど火力が下がるのはどうなんだろ?

 また他人に奢ったりアイテムを消費したりしても同様と考えると、円滑な人間関係の構築や肝心な場面でのアイテム使い惜しみなどの問題が出てくる。


「あんたなら使いこなせるんだろうけどな」

「うーん、あたしは嫌いな固有能力だな」

「行動が制限されちまうってことか?」

「大当たりでーす」


 あたしは自分が我が儘だってことは自覚している。

 今以上に所持金を気にしながら動かなきゃいけないってのがどーも。

 もっと他のこと考えたい。


「今でも阿漕認定されることあるのに、これ以上がめつくやったら何言われるかわからんわ。陰でおかしな二つ名つけられそうだわ。『強欲美少女精霊使い』とか」

「べつにいいじゃねえか」


 よくないわ。

 強欲なんて言われて喜んでるのはマルーさんだけだわ。


「もしあたしが『吝嗇』持ちだったら、あまり気にしないことにするかな。考えてもしょうがないし、おゼゼ使わなきゃいけない場面はあるから。イシュトバーンさんだったら?」

「商人の収入支出管理と同じだろ。借金じゃない限りボーナスと割り切ってもいい」


 うんうん、必要なものは手に入れとかないといけないしな。

 躊躇は許されないのだ。


「まージーク君がお金の管理はするだろ」

「楽しんでるな?」

「わかる? あんまり『アトラスの冒険者』の苦労する部分じゃないから、面白いかなーと思ってる」


 『アトラスの冒険者』は一人前になるとおゼゼに困らないらしいからな。

 普通は。


「着いたぜ」

「嬉しそうだなー」

「あんたは気が重そうじゃねえか」

「ドキドキしてるよ。こんなにドキドキするのは、おっぱいさんと鼻先まで顔近付けて話した時以来」

「おい、その話後で詳しく」


 イシュトバーンさんはブレないなー。


「こんにちはー」

「ユーラシアさん、イシュトバーンさん、いらっしゃい!」

「セレシアさん、これ。遅くなったけど」


 透輝珠を渡す。


「何ですか?」

「画集のモデルになってくれた人にお礼だよ」

「まあ。こちらこそお礼しなければいけないのに」

「いいんだよ。もらっといて」


 あたしの服まで作ってくれちゃってるらしいしな。


「今から精霊使いの絵を描くんだ。例の服に着替えさせてくれ」

「いよいよですのね」

「ドキドキするなあ」


 店の奥に案内される。


「これは?」

「タイツ。黒の長靴下ですね」

「あっ、温かい!」


 へー、いいじゃんいいじゃん。

 底厚のしっかりした靴、タイツと同色で首まで覆う厚手の長袖シャツ、茶褐色の短いボトムス、短丈半袖のジャケットか。

 活動的で動きやすい。


「なかなか素敵だねえ」

「気に入ってもらえましたか?」

「うん。洒落てるし、冬はこれがいいかも」


 いつものチュニック&ズボンのスタイルも面倒がなくて好きなのだが。

 今後あたしの活動範囲が広がると、オシャレが必要な場面があるかもしれない。

 そーゆー時にはこの格好がよさそう。


「おーまーたーせー!」

「おう。可愛いじゃねえか」

「ストレートに言われると照れる」

「行くぜ」

「どこへ?」


 店前の広場で描くんじゃないんだ?

 人を集めて宣伝するもんだと思ってたわ。


「港だ。あんたの目は海外を見据えてるからな」

「おお、かっちょいい!」


 いざ、海へ行かん!


「ユーラシアさん、イシュトバーンさん!」

「密会ですか逢引きですかスキャンダルですか?」


 新聞記者ズだ。

 今日は出が早いな。


「その密会ですか逢引きですかスキャンダルですか? ってのは挨拶なん?」

「挨拶です」

「おおう、言い切られたわ。ところで札取りゲームはどうなったかな?」

「大反響です! おかげで昨日の新聞は売れに売れ、今日はゲーム完売の記事を載せさせていただきました!」

「よしよし、完売か。狙い通りだな。記者さん達には教えてあげよう。ゲームの追加分は七日後にカラーズを出発する輸送隊が運んでくるから、八日後にはレイノスに到着するよ。買い損なった人も多いと思うから、情報流してあげてね」

「ありがとうございます!」

「ところで今日は?」

「イシュトバーンさんに絵を描いてもらうんだよ」

「……というと、噂の画集ですか?」

「もうレイノスでも噂になってるんだ? ありがたいことだなあ」


 イシュトバーンさんがニヤニヤしてる。

 ははあ、セレシアさん描いた時に宣伝したんだな?

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