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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第821話:ゴリ押してはいないとゆーのに

「サイナスさん、こんばんはー」


 夕食後、毎晩恒例のヴィル通信だ。


『ああ、こんばんは』

「札取りゲームの注文については、大体アレク達から聞いてるかな?」

『一〇〇〇セット注文したとは聞いたな。多くないか?』

「多いね。急には捌けないかもしれないけど、粗悪な類似品出る前に広めておきたいって意図もあるから」


 粗悪品買った人が字を間違って覚えたんじゃ迷惑だしな。


『君また資金出してくれたんだって?』

「だってまだアレク達の手元に資金があるわけじゃないし」


 次の輸送隊で五〇〇セット出荷して初めて収入になるんだもんな。

 おゼゼがないみたいなつまらんことで生産が遅れたら、またしてもあたしが迷惑だわ。


『大分手ごたえを感じてるようだよ』

「実演なら間違いなく売れるよ。ドーラの定番商品になっちゃうね」


 皆に知られて定番商品になって、ジワジワ識字率が上がっていくのが理想だな。

 まず実演販売なくして放っといても売れるようになるところが目標か。

 黄の民緑の民の儲けにもなってるから、カラーズでは類似品が出にくいんじゃないかな。

 いずれ開拓地の移民にも売れそう。

 けどレイノスやカトマスではどーだろ?

 ヨハンさんヘリオスさんのお手並み拝見といこう。


『今日、画集の会合だったんだろう?』

「うん。御飯がおいしかったよ」

『そうじゃなくて』


 一番重要なことだぞ?


「画集は初版二〇〇〇部でいくことになった」

『ほう、二〇〇〇か。予想以上』

「ヘリオスさんがよく決断してくれたと思う」

『君、ゴリ押したろう?』

「違うとゆーのに」


 どーしてゴリ押しだと思うのか?

 ヘリオスさんが絵を見て予定価格を聞いて決定したことだわ。

 あたしはイシュトバーンさんとちょっと煽っただけだわ。


「でもすぐ売り切れちゃって増刷かかるよ」

『ふむ? ドーラだけで?』

「間違いないなー。ああいう見ただけでいいってわかるものはすぐ売れる」

『ヘリオス氏の意見は?』

「今日イシュトバーンさんがインウェンの絵描いてたのは知ってるよね? あの盛り上がりを見て、需要を見誤ったか? って言ってたよ」


 超楽しみなんだけど。


『あとモデルさんは何人描いてもらうんだ?』

「明日海の女王とエルフの族長でしょ? それからほこら守りの村の御神体少女霊と幼女預言者、四人かな」

『ユーラシアは?』

「あ、そーだ。あたしもまだだったわ」


 素で忘れてたよ。

 残り五人か。

 もうすぐになってきたなあ。


「あたしのやつは、イシュトバーンさんとセレシアさんが何か企んでるんだよね」

『服装を、ということか?』

「うん。あの画集は、セレシアさんのファッションを帝国に紹介するって役割を兼ねてるから」

『なるほど?』


 疑問形ですね。

 服って誰かが着てないと雰囲気がわかんないからな。

 あの画集から服装の方に興味を持ってもらえるかは、さらにわからない。

 ファッションの方は知名度上がれば儲けもの、くらいの気持ちだ。


「まーどんなえっちな服が出てきても驚かないけれども、あんまり寒いのは嫌かなあ」

『匙加減は寒さなんだ?』

「表紙だからさ。あたしの魅力で売らなきゃいけないじゃん?」

『ユーラシアは魅力に満ち溢れているだろう?』

「実物はそうだけれども」


 アハハと笑い合う。

 画集は外すことないから安心だけどな。


「ヘリオスさんは、緑の民の作る紙を見たいって言ってたんだよ。だから今日連れてきたの」

『ほう、商売熱心だな』

「そしたら緑の民って、結構いろんな紙を作ってることがわかった。手触りふわふわのやつとかえっらいカラフルなやつとか」

『ふうん? 需要があるのか?』

「一応用途は考えてるみたいだけど、職人同士で技術自慢腕比べみたいなことしてるんだよね」


 今後使えそうな気はするから、もっとやれって言いたい。


「で、面白いのが葉っぱを漉いて入れてるやつ」

『葉を? 実用的じゃないんじゃないか?』


 あ、これだけじゃ伝わらないか。


「いや、どうやってるのか知らないけど、葉っぱを筋だけにして、一枚の紙に葉っぱも一枚入れてるの。お上品な感じなんだよ」

『ほう、葉脈だけの葉を漉き込むのか』

「木の葉を紋章のデザインに取り入れてる帝国の貴族がいくつかあるらしいんだ。どこかプリンスに都合のいいお貴族様の家に絞って、そこ向けにプレミアつけて売ろうと思ってる」

『プレミアとかいう誤魔化し方したが、要するにぼったくるわけだな?』

「お貴族様の財産を下々に分け与えるお手伝いをする」

『ものは言いようだなあ』


 価値のあるものとして適正なお値段で買ってもらえればいいのだ。

 帝国の事情をもっと知りたいなあ。


『明日、海の女王に会うんだろう? バアルのことも伝えてくるのか?』

「バアルについては今日許してもらったんだ。ついでにヴィルも紹介してきた」

『特に問題もなく?』

「そうだね。未だ何者も到達したことない海溝の深淵に棄却せよということじゃな、とは言ってたけど、まあ大丈夫だった」

『怒り狂ってるじゃないか』

「メッチャ怒ってるだろうね。でも道理のわかんない人じゃないから。ヴィルは女王にぎゅーされて気持ち良さそうだったし」


 ん、バアル何?


「これで大体吾の禊はすんだであるか?」

「あたしも聞きたいんだ。こっちの心当たりは一通り回って謝ってきたけど、あんた他に何かやらかしてない?」

「一々覚えておらぬゆえ……」

「危険なフラグだぞ? 自分の命がかかってるんだから、ヤバそーなことを思い出したらすぐ話しなさい。あたしも知らないことは対処できないからね」

「わ、わかったである」


 サイナスさんが笑う。


『飼い馴らしてるね』

「バアルは悪い子だったかもしれないけど、あたしには宝物一杯貢いでくれたし、いろんなことを教えてくれる。あたしにとっては害のない子だな。いればいたで面白いから好きだよ」

「照れるである」

「ハハハ、何言ってんだこの大悪魔め」


 ウソ吐かないしなー。

 情報源としては間違いなく有用。

 今後もしあたしの活躍の場が世界に広がるなら、バアルの重要性はより高まるだろう。


「じゃ、サイナスさん、おやすみなさい」

『ああ、おやすみ』

「ヴィル、ありがとう。通常任務に戻ってね」

『わかったぬ!』


 明日は昼に海底だ。

 朝はどーすべ?

 聖火教の礼拝堂行って、痛ましき生き埋め現場のことを報告しとくのがいいか。

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