表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

810/2453

第810話:奇妙な負力

 うちの悪魔の子達が言う。


「……奇妙な負力を感じるである」

「わっちも感じるぬ」

「奇妙な負力?」


 負力って感情とかのエネルギーのことなんでしょ?

 こんなところに誰かがいる?


「御主人の真後ろだぬ!」

「うむ、間違いないである」

「後ろってただの斜面なんだけど?」

「いや、これは……古い崖崩れの跡じゃ」

「とゆーことは、何か埋まってる?」

「でも掘り出すのはムリだろ。危険だぜ」


 ネタ魔法で吹き飛ばしたんじゃ何の解決にもならないし。

 てか下手なことするとなおさら崩れてきそうではある、ちょっと怖い地形だ。


「おそらくは生き埋めになって事切れたノーマル人であろう。悲しみと無念さの残留思念である」

「聖火教徒だと思うぬよ? 『善き火の導きを』と言っているように聞こえるぬ」

「聖火教徒かー。どっこいせ」


 あたしに運べそうな、一番大きな岩を置く。


「墓石代わりか?」

「まーね。加工はできないけど、思いを石の大きさに込めました」

「思いを重い石に込めましたの方がいいんじゃねえか?」

「ほんとだ。あたしとしたことが失敗したなー」

「ハハッ、上出来じゃろう。皆で手を合わせておくか」

「ああ」

「安らかにお眠りください」


 おそらくは古い時代の聖火教の移民か、あるいは探検隊なのだろう。

 新天地を目指して、こんな魔物の強い場所に迷い込んでしまったのか。

 ここ一見よさそうなところだもんなあ。


「む? 負力が弱まる」

「よかったぬ!」


 ヴィルにとっては気持ち悪い感情だったんだろうな。

 ぎゅっとしたろ。

 いずれにせよ、今あたし達にできることはここまでなんじゃないかな。


「マウさん、今度ミスティ大祭司の都合のいい時に、ここで祈り捧げてもらっていいかなあ?」

「願ってもないことじゃ。ワシは夜は大概ギルドにおるでな。連絡をくれい」


 ミスティさんに知らせておけばいいだろう。

 聞けばどういう人達だかわかるかもしれない。

 あるいは聖火教で行方を探している人達ということもあり得る。


「で、どうするんだ? 今日はこれでお開きか?」

「ちょっと待って。クレイジーパペットだ」


 フレイムを受けたが、普通に攻撃して倒す。

 藍珠と透輝珠をゲットした。


「リフレッシュ! ここクレイジーパペットもいるのか。これでお肉がいれば悪くない転送先だなあ」

「魔宝玉と肉が判断基準なのな」

「しかし、簡単に人形系レアを倒せるのじゃな」

「修行の賜物だよって言いたいところだけど、たまたまそういう防御力無視の攻撃ができるパワーカードを手に入れることができたんだ。運が良かった」

「ユーラシアの何がすげえって、魔境で人形系レアの多く生息してるところまで、全然迷わずに真っ直ぐ行くんだぜ?」

「ふうむ、土地感覚が優れているのじゃの」


 今日は冒険者適性といい、今まで褒められたことのなかった部分を褒められるからこそばゆい感じがするわ。

 もっと褒めろとも思うけど。

 ん、ダンテ何?


「うちの子が、あと二時間弱で雨がぱらついてくるって言ってるよ。マウさん、それまでに他の二ヶ所の石碑に案内してもらえる?」

「ハハハ、ええじゃろう」

「まだ石碑に興味があるのか?」

「石碑にも興味があるな。だけじゃなくて、せっかく時間があるからもったいないとゆーか」


 石碑に何が書いてあるかわかると、誰が何の目的で設けた石碑かもわかるんじゃないか?

 石碑自体に重要なことが描いてあるかもしれないしな。

 古い文字に興味のあるバイオレンス精霊コケシを何とか働かせられないものか。

 まず三ヶ所の石碑に、同じことが書いてあるのか違うことが書いてあるのかを知りたい。 

 

「何だ? 収獲が物足りないのか?」

「せっかくだから、ごっそりアイテム拾って帰ろうよ」

「やれやれ。精霊使いの物欲に付き合わされるのも大変だぜ」

「あんたは付き合ってくれなくてもいいんだぞ?」

「ぜひ付き合ってやろうじゃないか」


 笑いながら湖畔を行く。


          ◇


「雑魚は往ねっ!」

「結構魔物が出るな」

「あ、卵だ。やった!」


 マウ爺はオーガ帯からワイバーン帯くらいの強さの魔物が出るって言ってたけど、まさにその通り。

 今のもワイバーンの亜種だしな。


「おい、ゴツい精霊がさっきからしょっちゅう拾ってるもの、あれ何なんだ?」

「あれはねえ、黒妖石の欠片だよ」

「「黒妖石?」」


 ダンが言う。


「ああ、思い出した。魔力を溜められるとかいう石だな。あんたが以前、掘り出し物屋から買ってたやつだ」

「そうそう」

「小石では役に立たぬじゃろう?」

「黒妖石の小石を集めて粘土で固めたやつでも魔力を溜められるんだよ。容量は小さくなっちゃうけど」

「ほう? となると使い道がありそうじゃの」

「それも商売ネタなのか?」

「いや、商売としては難しいかな。これで魔力を溜められるってのが帝国に知られると、面白くないことになりそうじゃん?」


 驚くダンとマウ爺。


「……魔道兵器への転用もあり得るということか」

「あんたはメチャクチャやってるようで考えてるよな」

「皆がデタラメとかメチャクチャとか可愛いとか美少女とか言うんだけど」

「後ろの方は何だ」

「バレたかー」

「バレるわ。まああんたは可愛いけれども」

「可愛いぬ!」

「ありがとう。ヴィルも可愛いぞー」


 掛け合いやってる内に第二の石碑のところへ到達した。


「あれ? さっきの碑文と、あんまり字の形が変わらない気がする」

「そうか? まさか同じこと書いてあるわけじゃねえだろ?」

「嬢とダンの言う通りじゃ。これを見てみよ」


 マウさん碑文の写し取ってるじゃん。

 さすがだなー。


「本当だ。大体同じだけど、一部少し違うところがある。何だろうな?」

「気になるな。早く赤眼族クエスト進めろよ。これ読めるようにしようぜ」

「内容気になるもんねえ」


 赤眼族クエスト終わっても読めるとは限らないけどな。


「嬢にこの写しはやろう」

「いいの? マウさんありがとう!」

「ワシにはもう必要のないものじゃ。嬢が持ってる方がプラスじゃろ」


 マウ爺が笑う。

 面白いものを手に入れたぞ。

 こーなるとぜひともコケシを巻き込まないといけないな。

 やつは曲者だから作戦を考えねば。


「最後の石碑まで行くのか?」

「うん。あたしの帰りのナップザックにはまだ若干の余裕があるし」

「無限にものが入るって言ってたじゃねえか」


 アハハと笑って最後の石碑へ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ