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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第806話:はかいりょくはばつぐんだ

「美人絵画集は帝国にも輸出してドカーンとヒットさせるんだ」

「輸出か。アンタは商売熱心だね」

「ドーラをいい国にしたいんだよね。豊かにするためには、ものとおゼゼと人口と産業がなくちゃならない」


 ドーラは足りないものだらけだ。

 でもおかげであたしが働くことが成果に繋がる。

 とてもやりがいのあることだし、ワクワクする。

 ドーラのヒロイン美少女精霊使いユーラシアに相応しい仕事だ!


「輸出と言えばユーさん。注文受けてた『ウォームプレート』だが、今月の一〇日までには一〇〇枚納められるぜ」

「ほんと? やったあ! じゃ、一〇日か一一日にお金持ってくるね」


 最近ここへ来る冒険者が増えてるから、素材の供給が十分なんだろうな。

 塔の村の分と合わせて、二〇〇枚の『ウォームプレート』を確保できる。

 これは輸出品だから、オルムスさんに報告しといた方がいいな。

 貿易の始まりがいつになるかも把握しておきたいし、近い内に一度行政府行っとくか。


「ところで、今あたしの他に工房へ来る『アトラスの冒険者』は誰なのかな?」

「アンタとエルマ以外だと、ラルフ、ノブ、双子だね」


 あ、ツインズも来てるのか。

 あたしがパワーカードを勧めた面子だな。

 とすると……。


「近い内にもう一人、ボニーっていう女の子が来ると思う。ウケ狙いのカード交換しようとしたら注意してやってね」

「おい、ウケ狙いのカード交換ってどういうことだ?」


 イシュトバーンさんは絵を描いてなよ。


「一見真面目なんだけど、変な子なんだよね。『アトラスの冒険者』になるのも、滑らない話を語れると思ったからなんて言ってたし、パワーカード見せたら起動しただけでウケが取れるのが素晴らしいだって」

「何だそりゃ?」


 何だ言われても。

 自由開拓民集落クルクルの育んだ、ちょっと面白みのある個性だよ。


「完璧主義者なんじゃないかと思うんだ」

「何で完璧主義者がおかしなカード交換しようと考えるんだよ。理屈に合わねえだろ」

「完璧主義にも方向があるじゃん? だから自分のやったこと話したことで、正しく笑いを取れないと許せないんだと思う」

「あんたと真逆だな」

「逆だね。あたしタレ目じゃないし」

「タレ目なのかよ? いや、そういうこと言ってんじゃねえよ!」


 笑い。

 モデルのエルマもピクピク動いてるけど、どうやら耐えたみたいだ。

 いや、あたしも自分のアクションで正しく笑いを取れないと解せぬ感じはするけどな?

 もっともあたしはハプニング的な笑いでも許せるから、その辺はボニーと流派が違うのかも。


 さて、エルマの絵も完成のようだ。


「できたぜ」

「すごいです! ありがとうございます!」

「ひょー!」

「イシュトバーンさん、達者だね」


 大絶賛だ。

 安定のえっちさ加減に加え、吟遊詩人がテーマにしそうな魔法少女のリリカルさがある。

 いや、吟遊詩人が魔法少女歌ってるのなんか聞いたことないけども。


「これは格好いいねえ。好きなポーズだな」

「あんたの絵もこれに似た感じになるんだぜ」


 あたしは格好いい系のポーズなのか。

 ちょっと意外ではあるけれども、嬉しいな。

 イシュトバーンさんの考えなら従っておけ。


「ユーさんもモデルなのかい?」

「精霊使いは表紙だぜ」

「そりゃあいい!」


 何かアルアさん納得してるけど?


「エルマありがとう。これ、モデル代ね」

「ありがとうございます」


 透輝珠を渡す。

 たまには御家族にお土産でも買っていってあげるといいよ。

 エルマが冒険者として大したもんだということは、少なくとも父ちゃんのパウルさんは知ってるだろうけど、職人としても立派に働いていることを知れば嬉しいと思うから。

 あっ、今のはモデルの報酬だったわ。


「イシュトバーンさんも御苦労様」

「おう、いい仕事のあとは心地いいぜ」

「イシュトバーンさんは、働いてる時が一番いい顔だよ」

「ハハッ、アルアは見る目があるな」


 長い付き合いだからだろう。

 いい雰囲気だな。

 またここにイシュトバーンさんを連れてきてやりたいもんだ。


「じゃ、あたし帰るね」

「また来るぜ」

「またおいでよ」

「お姉さま、イシュトバーンさん、さようなら」

「じゃあな」


 転移の玉を起動し、イシュトバーンさんとともに帰宅する。


          ◇


 フイィィーンシュパパパッ。


「やあユーラシアさん、こんにちは。今日もチャーミングだね」

「こんにちはー、ポロックさん」


 イシュトバーンさんを送ってから、ギルドに来た。

 総合受付のポロックさんは大男であるが威圧的なところはなく、いつもニコニコしている。

 実に感じのいい人だ。


「どうしたんだい? ウキウキしているようにお見受けするけど」

「わかっちゃう? ポロックさんは観察力が鋭いねえ。これからマウさんのクエスト行くんだ」

「マウルスさんの?」


 首をかしげるポロックさん。


「石板クエストということかな? 塩漬けになっている?」

「そうそう。マウさんの持ってる最後の『地図の石板』の転送先のやつ。二〇年以上もクリアできず状態になってるんだって。しかもマウさんが奇妙なクエストって言うもんだから、気になっちゃって」

「ふむふむ、面白そうだね」

「でしょ? だからうちのパーティーとダンがついて行こーって話になったの」

「行ってらっしゃい。御武運を」


 ギルド内部へ。

 そうだ、おっぱいさんに聞いておくか。


「こんにちはー」

「こんにちは、ユーラシアさん」


 軽く頭を下げるおっぱいさん。

 揺れる。

 はかいりょくはばつぐんだ!


「最近ツインズが依頼所によく来るって聞いたよ」

「はい。石板クエストの完遂が少々厳しいようで」

「今、あの二人のレベルっていくつかな?」

「最後に確認した時は九でした」


 九か。

 昨日見た感じで一〇前後だなと思ったけど、大体予想通りだ。

 ノブ君が八って言ってたので、ちょうど共闘できるだろ。

 レベル二桁になるくらいからレベル一五くらいまでの間に、中級者の壁がある気がするな。

 人形系を倒せたり既にパーティーを組んでガンガンクエストをこなせたりすると、壁なんか感じないんだが。


 ただ依頼所クエストでもらえる経験値って、あんまり多くない気がする。

 難易度に準じているのか、それとも石板クエストのボーナス経験値が大き過ぎるのか。

 どーしてもあたしはスピードとか効率を考えちゃうから、慌しげな感想になっちゃうけれども。

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