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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第789話:三人娘の絵は描き上がった

「エルメッチャ見てるじゃん。気に入った?」

「それはもう!」


 食いつくように自分の描かれた絵を見ているエルの様子でわかるけれども。

 コケシがボソッと言う。


「ないはずのものがあります」

「ないのに、描かれてもいないのにあるねえ」

「謎です」

「謎技術だねえ」


 コケシがさっきから何度も首捻ってるのがおかしい。

 さっきからないのないの言ってるのに、エルはエルで絵に夢中で聞いてない。

 これが平和か。


「あたしメキスさんとこ行ってくるね」

「ああ」


 畑の方へ。


「おーい、メキスさーん!」

「おう」


 しげしげとあたしを見つめるメキスさん。

 いやん。


「……本当に簡単にレベルを戻せるものなんだな」

「昨日魔境に行ってレベル上げしてきたんだ。あっ、あたし今、レベル一〇一なんだよ」

「一〇一? 聞いたことないぞ?」

「レベル上限が一五〇になる固有能力が発現したんだって。あたしには嬉しい能力だった」

「レベル上限が一五〇? 固有能力が発現? そんなことがあるのか……」


 あるんだよ。

 メキスさん呆然としてるけど。


「ドラマチックな刺激を受けると、固有能力増えることがあるみたいだよ。何かあたしは段々増えてくんだよね」

「ちょっと待て、君の固有能力って何なんだ? 秘密じゃなければ教えてくれ。興味がある」

「『精霊使い』でしょ? 沈黙・麻痺・睡眠に耐性があるっていう『自然抵抗』、気合でどんみたいなスキル習得する『発気術』、すごくカンがいい『閃き』、運のパラメーター爆上げの『ゴールデンラッキー』、最後がさっきの『限突一五〇』。合わせて六つ」

「六つ? 稀に複数持ちの人間がいることは知っているが……」


 メキスさんも固有能力を重視するタイプの人みたいだ。

 達観したように言うメキスさん。


「君には逆らわないことにするよ」

「やだなー。逆らったら許さないぞ?」


 アハハと笑い合う。


「で、どうしたんだ? ルキウス皇子殿下に何かあったか?」

「いや、違うの。魔宝玉稼いできたから、またこれ資金にしてよ」

「大丈夫だぞ? この前もらった魔宝玉をパワーカードに換え、隊員を塔に入れて稼いでいるからな」

「熱心だね」


 考えてみりゃ、農繁期以外忙しいわけじゃないしな。


「魔物退治もいい腕試しになるものだ。レベルが上がりやすいのがいい。むしろドーラでは対人戦闘訓練より魔物退治が重要だろうしな」

「パワーカード使ってるのか。元々持ってた武器は返してもらえてないの?」

「いや、あるが、必ずしも魔物退治に向いているわけでもないからな。それに目的はアイテムと肉の回収だから、軽くて嵩張らないパワーカードの方が有利だ」


 合理的な判断だけど、使い慣れた武器だろうになあ。


「ま、せっかく持ってきたから魔宝玉ももらってよ」

「おいおい」

「何なら、もっとパワーカード購入して冒険者活動活発にしてよ。一生懸命働いてくれると、ドーラの経済が回るからありがたいんだ」

「ハハッ、わかった。せっかくだからもらっておく」


 うんうん、お任せだな。


「ああ、ダイコンの種だが、試しに少し蒔いてみたぞ。まだ結果はわからんが」

「この前言い忘れたけど、あのダイコン葉っぱが大きく広がるんだよ。普通のダイコンより間隔がいるかも」

「ほう? まあいい、試験栽培だからな。二ヶ月だったか? 一サイクル種まで育ててみて、本格的に栽培に取りかかる」

「お願いしまーす」


 うむ、メキスさんは単なる軍人じゃなくて生活力もあるから大丈夫だな。

 部下に農家の子も多いみたいだし。


「じゃ、さいなら」

「またな」


 さて、リリーの絵はどうなったかな。

 ん? あのでっかい身体は……。


「バルバロスさん、こんにちはー」

「ガハハ、ユーラシアまで来たか」


 エルのパーティー、レイカのパーティーに囲まれてニコニコじゃねーか。

 ……ある方の精霊使いと言うと揉めることを理解しているのか、ユーラシア呼びになってる。


「『アトラスの冒険者』の新人にアドバイスしてくれてありがとう。彼女迷ってたんだけどさ、働いてくれることになったよ」

「ああ、クルクルの女子だな。全く信用できないのどうのと言っていたのだが、ついにか。『アトラスの冒険者』になって損はないからな」

「だよねえ。ところでクルクルってどこなの? 場所知らなくて」

「こことカトマスのちょうど中間くらいに位置する自由開拓民集落だ」


 するとあたしの名前のついた自由開拓民集落の近くかな?

 ん、ハオラン何?

 モゾモゾしてるけど?


「オレの家があるところだ」

「クルクルはハオランの出身地だったかー」


 出身地は黄の民の村になるのかな?

 じゃあ何て言うべきだ?

 まあ細けえことはいーんだよ。


「冒険者になったの、誰だ?」

「ボニーってタレ目の子だよ」

「同い年だ」


 へー、ボニーとハオランってタメなんだ。

 あれ? じゃあハオランってあたしとタメか年下なんだ?

 身体デカいし、二つ三つ上かと思ってたよ。

 エルが聞いてくる。


「どんな子なんだい?」

「ツッコミ属性の子だよ」

「そうでなくて」


 エンタメ特性じゃなくて、冒険者としてどうかってことですかそうですか。


「敏捷性高めの物理アタッカーだよ。『アトラスの冒険者』って、入ってくる時まるで初心者の子も多くて脱落しやすいんだけど、ボニーはレベル三だったから多分問題ないと思う」

「塔の村にも来るかもしれないね」

「十分あり得るな」

「……」


 ハオランの無言は読みにくいな。

 レイカが言う。


「今日は悪魔の子は来てないのかい?」

「ヴィル? 置いてきた。イシュトバーンさんが絵描いてると、観衆が熱狂して変な雰囲気になるじゃん? あの感情を吸うと悪酔いしちゃうからさ」


 バアルだとどうなるんだろ?

 やっぱり調子悪くなりそうだが。


「よし、でき上がりだ。皇女殿下、お疲れだったな」

「うむ、ありがとうなのだ!」

「うおおおおおお!」

「画伯! 画伯! 画伯! 画伯!」


 精悍な感じが十分表現されていて格好いい。

 リリーはレイカほどじゃないが割とあるからな。

 それが強調されるポーズで、安定のえっちさ加減。

 バルバロスさん食い入るように見てるし。


「ごくろうさまでーす」

「おう、少し肩が凝ったな」

「己が揉んでやろう」

「こらバルバロス! オレが男に肩を揉まれて喜ぶとでも思ってるのか!」


 安定のイシュトバーンさんにアハハと笑い合う。


「食堂行こー」

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