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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第780話:バアル美術館の構想

「ごちそーさまっ! もー入んない!」

「私も入んない!」

「ダブルで入んないぬ!」


 あ、ヴィルそれは新しいパターンだね。

 イシュトバーンさん家の御飯はおいしいし満足するまで食べさせてくれるし、しかもタダだ。

 これが桃源郷か。


「満足していただいて何よりだぜ」

「例の宝箱クエストの主催はバアルだったんだ」

「だろうな。あれほどの逸品を揃えられる存在となると、ごく限られる」


 イシュトバーンさんもある程度見当ついてたみたい。

 バアルはすごいやつではある。


「だから今日持って来たやつが最後のお宝だよ」

「どれ、見せてみろ」


 絵や彫刻を見ていくイシュトバーンさん。


「ほお、最後だけあって素晴らしいな」

「そうであろう!」


 得意げなバアル。

 価値が高いってことかな?

 ペペさんはひっくり返りながらウマの像見てるし。

 ペペさんはどーやったらあの小さな身体に入るんだ? って首かしげざるを得ないほど食べるけど、今日はマジで限界まで詰め込んでるっぽいな。

 お腹ぽんぽんだもん。


「美術館にはバアルの名前をつけようかな」

「いいんじゃねえか? 悪魔が寄贈したってことなら、まさか品の出所で文句言うやつはいねえだろう」

「美術館であるか?」

「うん、外国から観光客を呼ぶのに、あんたがくれた絵や彫刻作品を飾った美術館を作ろうかって話してたの。誇り高き大悪魔の名を冠するのに相応しいでしょ?」

「その通りである!」

「じゃあバアル美術館にしよう。ドーラにはおゼゼがないから構想実現はいつになるかわかんないけど、完成したら名前借りるよ」

「光栄である!」


 イシュトバーンさんがニヤニヤしている。

 あたしがバアルをどう扱ってるか理解したようだ。

 バアルは悪い子だけど、そんなに悪い子じゃないぞ?

 あれ? 矛盾してるな。

 まあ細けえことはいーんだよ。


「これ、素敵な杖ねえ」


 大杖をしげしげと眺めるペペさん。

 ペペさんが今愛用している杖も、身体からするとアンバランスなくらい大きい。

 よっぽどデカい杖が好きなんだな。


「じゃあペペさんにあげるよ」

「えっ、いいの?」

「うん、いいよ。イシュトバーンさん、これはどういう杖なの?」

「物理攻撃を念頭においてるな。攻撃力と魔法力がかなり上がる大杖だぜ。杖にしちゃ珍しく、自動修復機能付きだ」

「おー図らずもペペさんにピッタリだった」


 ん? バアルが首かしげてるけど。


「かなりの値打ちものであるぞ? タダでくれてしまうのであるか?」

「タダでくれてしまうねえ。あたしには必要のないものだし、実用品は誰かに使ってもらったほうがいいよ」

「ふむ、貴女は気前がいいのであるな」

「安心するのは早い。取立ては世界一厳しいぞー!」

「ひっひえええええええええええ!」


 アハハ。

 変な声出すな、小物め。


「この魔法剣は大したもんだ。斬撃の他、衝波と闇属性が付与されてる。伝説クラスと言っていいな」

「へー、衝波属性付きか。人形系を簡単に倒せるいい武器だねえ」


 闇属性も人間が扱うのは難しいって話だった。

 そう考えるとメッチャすごい魔法剣だな。

 さすがイシュトバーンさんが伝説クラスって言うだけあるわ。

 これは誰にあげるのがいいかな?

 ソル君は人形系を倒せるスキルを持ってるから、パーティーバランス的に炎の魔法剣の方がいいと思うし。


「ああ? 『呪いの振り子』じゃねえか。ある意味伝説のアイテムだぜ。こんなもんまであるのか」

「すごいマジックアイテムなんだ? 相手に催眠をかけられるって、バアルに教えてもらったけど」

「油断してると、かけたはずの側まで催眠にかかっちまって解けなくなるという欠陥品だぜ?」

「マジかよ」


 どーも気になるアイテムだと思ったら、ひどいにもほどがある。

 妖刀もだけど、世の中にはろくでもないものがあるなあ。


「ほお、これはいい。『ネクタルの甕』じゃねえか」

「中に液体を入れてスイッチを押すと、同じものが湧き出るであってる?」

「ああ。『ファントマイト』他のレア素材をふんだんに使った、世界最高のマジックアイテムの一つだな。使い方に腹案があるか?」

「んー、魔法の葉青汁と肥料を溶かした水とどっちがいいかなと思って」

「その二択なのかよ!」


 あれ、驚くようなことだったか?

 まー肥料を溶かした水は畑が大きいと使いづらいかなと思ってたけど。


「魔法の葉青汁を並々と湛えて、人々を恐怖に陥れるのはやっぱ違う? 犯罪抑止効果満点だと思ったんだけど」

「いや、あのお茶でいいじゃねえか」

「超すごいお茶? え、活躍の場面が少なくない?」

「あんたが実用重視だとは知ってたが……」


 ふうと珍しくため息を吐くイシュトバーンさん。


「お宝にはお宝に相応しい仕事をさせてやれよ」

「そお?」


 お宝に相応しい仕事と言われると、確かに超すごいお茶が湧くのがいいなあ。

 じゃあとりあえず行政府にでも置いて使ってもらうか。

 いや、行政府ではそれこそ一部の人にしか恩恵がないか。 

 あれで超すごいお茶キャンペーンをして広めても……ほぼ全量輸出に回すんだったな。


 ま、使い方はおいおい考えりゃいいか。

 甕は逃げやしない。


「このナップザックは『アイテムボックス』と呼ばれてるものの一種だな。亜空間にものを収納できるグッズだ」

「無限にものが入るっぽいんだけど、普通に使っちゃって大丈夫なものなのかな?」

「問題ないぜ。でも入れ過ぎると取り出したいものがどれだかわからなくなって、収拾つかなくなるから注意だ」

「うん、わかった」


 保管に用いるのはやめた方がよさそう。

 原則的に探索に行く時だけ使うことにするか。


「お? ペペちゃん寝ちまったか」

「あ、ヴィルもだ」


 眠気を吸うとヴィルも眠くなっちゃうのかな。

 バアルもこっくりこっくりしてるし。

 何か可愛いな。


「起こすと可哀そうだから、ここで寝かせといていいかな? 明日の朝に迎えに来るよ」

「おう、わかった」

「面白いでしょ、バアル」

「ハハッ、あんたなら上手く扱えるだろ」

「今日、聖火教礼拝堂から行政府からあちこち回って、許しを得てきたんだ」

「当然玩具にするんだな?」

「当然玩具にするんだよ」


 アハハと笑い合う。


「じゃ、イシュトバーンさん、ごちそうさま」

「おう、明朝な」


 転移の玉を起動し帰宅する。

 ヴィルが寝ちゃったから、今日はサイナスさんとことの通信はなし、と。

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