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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第776話:ハゲ上がったであるな

 フイィィーンシュパパパッ。

 塔の村にやって来た。

 ラッキー、三人娘が揃ってる。

 これくらいの時間ならリリーが起きてくる頃だとは思ったけど。


「おーい、エル! レイカ! リリー!」

「「「ユーラシア!」」」

「ちょうどよかった。絵を描かせてもらいたいんだけど、いつがいいかな?」


 レイカが言う。


「私はいつでも……ん? ユーラシア、ちょっと萎んだか?」

「萎んでもエルよりあるわい」

「何の話だ!」


 エルが激昂し、コケシがアップを始めたところへ、黒服が割って入る。

 ちょっと残念だが、今日は無乳シンドロームに対する特効薬のヴィルを連れてきてないからいーや。


「ユーラシア様、レベルが?」

「うん、この子捕まえるのに必要でさ。帝国の第二皇子のバックにいて、ドーラとの戦争を画策した悪魔バアルだよ」

「「「「「「「「!」」」」」」」」


 籠を見せると全員が驚く。

 ヴィルを連れてないのはバアルの籠を持ってきてるので。

 まだイマイチ二人の関係を測りかねてるからな。

 徐々に慣らしていこうと思う。


「全レベルをコストにする特殊な魔法を使わざるを得なかったんだ。もう大した悪さできないように誓わせたから大丈夫だよ」

「大丈夫って、レベルは重要だろう?」

「ぬしのいいところがなくなってしまったではないか」

「失礼だな。レベル以外にもあたしのいいところなんてたくさんあるだろーが。美貌とか愛嬌とか気品とか清楚とか可憐とか」


 こら、大笑いすんな。

 失礼なやつらめ。


「ま、レベルは明日上げるからいいんだ」

「簡単に言うなあ」

「レベル上げはうちのパーティーの専売特許だからね。で、絵はいつがいいかな?」

「絵師殿の都合はどうなんだい?」

「イシュトバーンさんは暇を持て余してるから、いつでもいいくらいだよ」

「では明日以外ならいいんだな? 明後日午前中はどうだ?」

「ボクもそれでいい」

「我もよいぞ」


 イシュトバーンさんは大体一人三〇分くらいで描く。

 疲労も計算に入れなきゃいけないのかもしれないけど、一日二枚は大丈夫だったな。

 三人娘描かせてもらう時は当然一日三枚と考えてるだろうから、問題ないだろ。


「じゃ、明後日の九~一〇時くらいに来るね。リリー起きられる?」

「努力はするぞ」

「叩き起こすぞ?」


 アハハと皆で笑う。

 ま、いーや。

 どうせリリーの絵描くのは最後だし。


「じゃねー。探索頑張って」

「おう」「またね」「さらばだ」


 皆が塔へ向かう。

 さてあたしは光る頭にも用があるのだ。

 どこだ? いた。


「おーい、じっちゃーん!」

「ユーラシアか。何じゃ、騒々しい」

「見て、バアル捕まえたんだ!」


 思わず籠を覗き込むデス爺。


「ふむ、大手柄じゃ」

「灰の民の族長であるな。元族長か。ハゲ上がったであるな」

「おおう、ストレートだね。ハゲ上がってないじっちゃんは想像できないわ。昔はどんな感じだった?」

「繊細なストレートの髪でおかっぱ頭であったである」


 あれ? 孫のアレクと似たような感じだったのか。

 アレクハゲ上がっちゃう疑惑再燃。


「して、ワシのところへバアルを持ってきたということは、亜空間を永遠に漂う藻屑にしてしまえということじゃな?」

「ひええええええええ!」

「バアル、安心しなさい」

「安心できるであるか?」

「あたしから一日離れると消滅しちゃうって聞いたじゃないか。永遠に漂う藻屑にはならないよ。明日にはあぼーん」

「ひええええええええ! な、何が安心であるかっ!」


 冗談だとゆーのに。

 あんたのみっともない悲鳴は何とかならんものか。


「じっちゃん、バアルはうちの知恵袋として飼っとくことにしたんだ」

「知恵袋?」


 デス爺の目がやや細くなる。

 そうそう、バアルの情報は重要なんだよ。


「大掛かりな悪さはしないって誓わせたから大丈夫だよ」

「誓わせられたである」

「ほら、じっちゃんにも謝っときなさい」

「ごめんなさい」

「ふむ……まあいいじゃろう」

「やったあ! よかったね」

「よかったである!」


 こういうとこ無邪気だなー。


「メキスさんにも報告しときたいな。でもお腹減っちゃった。食堂行こうよ。あっ、そーだ! 海水取り込んで塩にする設備の転移吸入口考えといてよ。早めに塩を生産しないといけないみたいなんだ」


          ◇


「ははーん、バアルはやっぱり大悪魔だなー」

「ハッハッハッ、吾を崇めるがよい!」


 ちょうど食堂にメキスさんがいたので合流した。

 悪魔バアルと知って警戒したけど、おだてりゃ喋る軽い性格を理解したのか、何ともむず痒いような顔をしている。

 ついでに言うと魚フライと蒸し肉の盛り合わせは美味い。


「じゃ、移民の待遇の方に大悪魔は関与してないんだ?」

「うむ、吾はみみっちいことは好きではないである」

「あんたの性格からすると、せこいことはしないだろーな」

「単なる事務手続きの遅れと考えるべきであろう」

「じゃあそこに第二皇子のプリンスルキウスに対する意図は含まれていたと思う?」


 バアルが小首をかしげる。

 ……案外そういうの可愛いな、おい。


「出国税か。どうであろう? ドミティウスは計算のできる男である。ルキウスに対して嫌がらせしたいのは山々であるが、自らの評判を落とすようなマネをするであろうか?」

「大悪魔の見解はわかった。ありがとう」

「うむ!」


 メキスさんが言う。


「……知らなかった。ドミティウス殿下がバアル殿からも情報を得ていたとは」


 ハハッ、メキスさんったら殿呼びになってるわ。


「ドミティウスは抜け目がないである。利用できるものは何でも利用するのである」

「バアル殿の言う通りだな。となると……」


 出国税を簡単に撤廃すると、対ドーラ強硬派から突き上げを食うってことがあって慎重になってたかもしれない。

 でもメキスさんとバアルという情報収集の両輪をもがれて、第二皇子のアクションリアクションが遅くなっている可能性もあるな。

 とゆーかバアルからドーラの情報が入ると思ってたのに、バアルはあたしへの復讐にかかりきりになって連絡してなかったんだろ。

 この話はパラキアスさんやプリンスにも聞かせた方がいい。

 デス爺とメキスさんに目配せする。


「今、バアルがしたことのお詫びにあちこち回ってるんだ。今から行政府行くけど、じっちゃんとメキスさんも来る?」

「まいろう」

「うむ、行く」

「ちょっと待って。ヴィルで連絡しとく」

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