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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第766話:こんなのがゴロゴロいてたまるか

「精霊に悪魔か。ほーん」

「よろしくお願いしますぬ!」


 お肉を食べながら、再びサブローさん、クロードさん、ディオ君と話す。

 せっかくなのでヴィルも呼んでみた。

 おいしいお肉を食べてりゃ幸せとゆー現世の不文律とゆーか大原則があるので、初見の悪魔がいたって大体機嫌はいいだろ。

 それよかクロードさんのテンションが若干高いわ。

 黒の民は悪魔好きだなあ。


「ドーラでは精霊や悪魔は多いのかい?」

「どーなんだろ? 他所の国のことよく知らないからな?」

「精霊や悪魔を飼ってるなんてのは精霊使いだけだ」

「クロードさんなりの褒め言葉なんだよねえ?」

「そう捉えて構わんぞ。お互いの精神衛生のためだ」

「微妙に喜べないなー」


 うちの子達は皆いい子だぞ?

 サブローさんが満足そうだ。


「要するに精霊使いの嬢ちゃんは出色の冒険者で、ドーラ政府首脳とも関わりがあるってことなんだな? ようやく理解したぜ。ドーラには嬢ちゃんみたいなのがゴロゴロいるのかと、勘違いするところだった」

「こんなのがゴロゴロいてたまるか」

「ねえ、本当に褒めてくれてるんだよね?」


 もう一つニュアンスはわからんけど、クロードさんの言う通り、あたしみたいな美少女はゴロゴロいないわ。

 希少価値が薄れるわ。

 ディオ君が笑う。


「ユーラシアさん。ドーラの海の特殊性については、移民の方に注意しておくのがよいのでは?」

「あっ、ディオ君賢いな。よく気がついたね」

「ドーラの近海が魚人の領域だとは聞いてる。が、どこまで本当なんだ?」


 サブローさんが不安そうな顔になる。


「ドーラ近海が魚人の支配下にあって、迂闊に入ると行方不明になるのは本当だ」

「レイノスに海岸線と垂直に入港する以外はアウトだよ。例えばその辺の岸から舟出すと沈められるから要注意だよ」

「舟はダメか。釣りとか網は?」

「陸に足が着いているならセーフ」

「魚人達が向こうから攻めてくることは?」

「過去ドーラで魚人が攻めてきた例はないと記憶している」

「間違いないんだな?」

「海の女王に直接確認してるから大丈夫だよ」

「「「えっ?」」」


 三人が驚く。


「精霊使いは海の王国にまで顔が利くのか?」

「あたしは海の女王と友達なんだ。女王もお肉好きでさ。時々お肉持って遊びに行くの。地上で狩れるお肉と海獣のお肉は違うそーで」

「そうだったんですか」

「地上と海底が争ってるんじゃねえなら、舟も認めてくれりゃいいのになあ」


 サブローさんが残念そうだ。

 気持ちはわかる。


「海の王国の方にも事情があってさ。同じ魚人でも女王の支配下にない敵対勢力があるんだよ。敵に備えたパトロールが必要なんだって」

「ほーん?」

「で、パトロール隊は頭が弱くて融通が利かないから、海の一族の領域内に入った者は自動的に攻撃されちゃうの。女王にも事後報告しかなされないから、とりなすこともできないって」

「ふうむ、そういう事情があったのか……」

「知りませんでした」

「長年ドーラに住んでても知らないことなのかい?」


 うーん、常識の違いもあるんだろうが。

 あたしも女王に招待されるまで、海の王国については伝承レベルのことしか知らなかったしな?


「ドーラで海についてはタブーだな。元々が暗黒大陸と呼ばれていたこともある」

「うん。魚もあんまり食べないんだよ。最近状況変わりつつあるけど」

「魚食べねえのかよ? いや、海の支配者を恐れてて舟すら出せないんじゃそうなるか」

「別に魚獲ることを禁止されてるんじゃないからね。さっきも言ったように陸地に足が接してりゃいいから、釣りしたり網で獲ったりするのはオーケー。海に落ちないようにすることだけ注意して。ただし潮が引いた時水がなくなるところまでは陸扱いだから入ってもいいよ」

「相当厄介で厳密なルールだな。皆にはよく言い聞かせとくぜ」

「お願いしまーす」


 うむ、ドーラ人はあんまり海に近付かないから問題はなかったが、今後トラブルが多くなるかもしれない。

 移民には注意喚起必須だな。


「ところで帝国本土では、ドーラはどう思われてるの? 何で移民として来たがるのかな? 今年一年で一万人くらい来るって話なんだよ」


 これはぜひとも生の声を聞いておきたかったことなのだ。


「昔から移住先として、海外植民地の中では一番人気だぜ? あ、いや、もう植民地じゃなかったな」


 サブローさんが笑う。


「何せ肥沃で温暖で広大ってことで、元々移住するならドーラだなって空気はあったんだ。ところが近年はドーラとの交流が制限されてただろ? どうしちまったんだ? って良くも悪くも注目浴びてたところに……」

「独立かー」

「独立は結構なインパクトだったな。帝国の軛から解き放たれて、特にアウトローや聖火教徒の間では熱い視線を浴びてる」

「アウトローはいらんのだけど」


 帝国から独立したっていう事実は、外から見ると相当大きいみたいだな。

 中から見りゃ統治機構の弱さが露呈しただけだけれども。

 となると今は単なるブームで、今年ほどの爆発的な人口流入が来年以降も続くわけではないのか?

 もっとも月一〇〇〇人までに制限してるようだから何とも。


「ハハッ、まあ希望者が多いから、素行の悪い者の移民申請はなかなか通らないぜ」

「じゃないと困るわ。ドーラは流刑地じゃないわ」


 どうしようもないやつが来たらドラゴンのエサにしちゃうけれども。

 もう一つ聞いておく。


「帝国から出て行きたい人が多いのは何でなの?」

「身分が定まっていて浮かぶ瀬がないからじゃねえかな。それこそ平民が立身出世を願えば、軍に入るしか道がねえ。魔法でも使えりゃ別だが。もっとも人口からすりゃ多いわけじゃねえと思うぜ?」


 クロードさんとディオ君が頷く。


「ドーラに身分制度はないんだろ?」

「厳密に言うとないわけじゃないんだ。でも王とか貴族とかはないねえ。今帝国の第四皇子が新しい大使としてドーラに来てるんだけど、あたし頭っからタメ口だよ」

「ああ、丸顔のルキウス殿下か。港で出迎えてくれたな。間近で見たのは初めてだが、あれほど立派な人物だったとは」


 プリンスの固有能力『威厳』が効いてるからこその感想だろう。


「あっ、リリー皇女もいたろ? 何でだ?」


 メキスさんの話では、リリーは帝国に帰る可能性があるとのことだった。

 ぼかしておくか。

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