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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第759話:あたしが完全に不意を突かれるとは

 フイィィーンシュパパパッ。


「今望んでいるものを手にして、何の得があろうか? 得に決まってるじゃないか。明日は明日望んでいるものを手に入れるのだ!」

「後半のセリフは姐御っぽいでやすね」

「うん、後ろの方はオリジナル」


 アハハ、毎日充実している幸せの永久機関。

 今日もまたザクザク宝箱のクエストを楽しみに来た。


「すっかりお馴染みのクエストになったねえ」

「ユー様がそう言い出すとなると、ボチボチこのクエストも終了ですか?」

「クララはやるね。あと数回じゃないかな。カンだけど。残念だねえ」


 うちの子達も悲しそうな顔になる。

 あたしのカンが当たることを知ってるからな。


「まあクエスト終わっても銅鑼はここに置いといてさ。時々鳴らしに来ればいいよね」

「次のクエストもメイビープレジャーね。魔境もまだまだインタレスティングね」

「ダンテの言う通りだ!」


 最近以前ほど魔境行かなくなっちゃったから、物足りない気は確かにする。

 うちのパーティーが魔宝玉狩りしないと、ギルドが儲かんないしな?

 ってのは置いといて……。


「今日の宝箱は……」

「一目瞭然でしょ。とゆーか一聞瞭然?」


 見た感じ一六個の宝箱が普通に並んでいるのだが、おどろおどろしげな音がするのだ。

 何これ?

 少々変な音がしたってあたしの判断は狂わないとゆーのに。


「また著しくあったま悪いことしてきたなー」

「エンターテインメントかもしれやせんぜ?」

「エンターテインメントを旗印にすれば何でも許されると思うのは間違いだぞ?」

「ユー様、そのセリフは自分に刺さりませんか?」

「乙女チックメンタルは大概のことを跳ね返すから平気」


 ダンテが乙女チックとは、って顔してやがる。

 失礼な。

 清らかな乙女の典型が目の前にいるだろ。


「クララ。確認するけど、これマンドラゴラの呻き声とかじゃないよね?」


 うちのパーティーには今まで縁がなかったけど、マンドラゴラは有名なレア薬草だ。

 引き抜くと悲鳴を上げて、まともに聞くと死んでしまうこともあるそうな。

 もっともレベルカンストで状態異常耐性も高くなってるはずのあたし達が聞いたところで、どうってことはないだろうが。


「違いますね」

「姐御。これ、中身じゃなくて箱が唸ってやすぜ」

「マジか」


 してみるとやはり主催者があたし達をもてなそうとしているのか?


「主催者の感性はよくわからんけれども、中身で応えてくれればいいや。おかしな音よりガンガンする方が重要だと思う人っ!」

「「「はい!」」」

「グオングオングオングオングオングオーン!」×四。


 いやあ素晴らしい。

 呻く箱も何故か黙ってしまったぞ?


「トゥデイはどのトレジャーボックスがストライクね?」

「えーと、あれ? 一六の宝箱中の四つが当たりだぞ?」


 四行四列で並ぶ宝箱の内、外周の八個はふつーだけど、中の四個が当たりだ。

 どーゆーことだろ?

 またルールの変更かな?

 クララが言う。


「立札に追加の記述がありますよ」


 附則:稀鏡の月二六日の『ザクザク宝箱! 一六の魅惑!』イベントについて。

 ハズレの宝箱が四つあります。

 内三つは魔物が出現しますが、宝物も入っています。

 宝物は魔物のドロップアイテムとして出現します。

 真のハズレは一つだけです。


「ははあ、なるほど? 凝ってきたね。音はダミーだったか」

「ボス、トゥルーストライクはわかるね?」


 これは難しいな。

 四つの宝箱はどれもかなりヤバそーな気配がするが……。


「……手前側の左だね。とりあえず周りの一二個の宝箱は開けちゃおう」

「「「了解!」」」


 絵が四枚、現金五〇〇〇ゴールドが四つ、彫刻が二つ、コモン素材詰め合わせが二つという結果だった。

 中身は今までの傾向と変わってることはないな。


「ユー様、残りの四つの宝箱を放置して帰るという手はありますが、どうします?」

「一個残して帰る時の四倍の精神的負担をあたしにかける作戦だと思うから、やすやすと思い通りになってやるのは癪だね」

「アハハ、そうですか」


 クララの言うこともよくわかるんだが、ここで引くと明日から全部魔物入りにしてきそうだしな。

 すげえ面倒だ。


「カードは対ウィッカーマン戦に準じた編成で。ダンテは『ミスターフリーザ』も装備しといて。『豊穣祈念』いらないから、全力で倒すよ」

「「「了解!」」」


 当たり宝箱を開けると同時に魔力が働く。

 転送だ!


「ボス! アナザーワールドね!」

「亜空間の中の実空間か。専用の戦場を用意してくれるとは盛り上げてくれるねえ」

「未確認の巨人です! おそらくダイダラボッチの上級近縁種!」

「お初の魔物かあ。レアドロップを知りたくなっちゃう罠だな?」


 レッツファイッ!

 クララの勇者の旋律! ダンテのアダマスフリーズダブル! あたしのハヤブサ斬り・零式! 両方クリティカル! 『あやかし鏡』の効果でもう一度ハヤブサ斬り・零式!  一発クリティカル! アトムのコピー! あたしの攻撃を繰り返す。ハヤブサ斬り・零式! 両方クリティカル! もう一度ハヤブサ斬り・零式! 両方クリティカル!


「クワアアアアアアアァァァァァァァァァァ!」


 青白い巨体のダイダラボッチ近縁種が膝を突き、ゆっくり倒れる!

 と同時に元の宝部屋に戻された。


「うまい仕組みだね。これならこの部屋がズタボロになる心配はない」


 うちの子達も頷く。

 青白いダイダラボッチは、赤の女王(仮称)を除くどの魔物よりもヒットポイントが多かったと思う。

 でもレア素材『巨人樫の幹』を三つも落としていった上、宝箱ももらえちゃう。

 どんないいものが入っていることやら。

 開けるぞー。


「ぎゃーやられたっ!」


 どーして魔法の葉?

 そーゆー流れじゃなかったぞ?

 あたしが完全に不意を突かれるとは。

 笑い事じゃないわ。

 段々主催者も手強くなるなあ。


 残り二つの宝箱からは、カオナシとかいうなかなかすごいアンデッドとブラックデモンズドラゴンがそれぞれ出現、普通に倒した。

 宝箱からは現金五〇〇〇ゴールドと魔道の時計を手に入れる。


「しゅ~りょ~! 今日もたくさんのお宝をゲットできました。主催者に感謝!」


 今日は特筆すべきお宝はなかった。

 時計はクララが気に入っているから使おうかな。

 クララは比較的時間に忠実な子だからか、元々時計が欲しかったみたい。

 気の赴くまま銅鑼を鳴らし、転移の玉を起動し帰宅した。

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