表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
74/2453

第74話:ヒントを辿れ!

「チェスナットがシーズンだったね」

「おう、クリ以外はまだ時期が早えな」


 アンセリを見送ってから、留守番のアトムとダンテの話を聞く。

 二人はクリをゴッソリ拾ってきてくれていた。

 嬉しいなあ。

 甘味は貴重だもんな。


「うん、ありがとう。二、三日寝かせたら茹でて食べよう」


 レイノスでの出来事をアトムとダンテに話し、今後どうするかを話し合う。

 主に謎の『大掃除』についてなのだが。


「……とゆーわけで、レイノス西門の隊長さんの言うことからすると、七日以内に何かありそう」

「焦りますねえ」

「クララが言うと全然焦って聞こえないんだよな」

「セブンデイズ……」

「準備ったってなあ。レベル上げしかねーんじゃねえか?」

「とにかくあたし達のやれることをやろうよ。明日は本のダンジョン、明後日はバエちゃんとこかな」

「ユー様。ギルドに行かないことで、必要な情報を得られないかもしれないリスクがあります。それはよろしいですか?」


 さすがクララ。

 あたしも考えないではないポイントなんだが。


「今の段階ではあたし達の持ってる情報のが多いでしょ? それ以上のことはギリギリになってからでも遅くないと思う」


 アトムが発言する。


「本のクエストを完了して、次のクエストが来ないとは決まっちゃいねえ。姐御、やはり本のクエストが優先ですぜ」

「うん。あのダンジョン、知り得た限りでは特に新しいパワーカードは必要なさそう。だけど新しい素材も手に入れたから、どんなカードと交換できるかは確認しといてもいいと思う」


 全員頷く。


「イシンバエワさんが何か御存じかもしれません」

「バエちゃんは仕組んでる側だと思うんだよな。聞くのは危険な気がする」

「ユー様なら聞き出せるんじゃないですか?」

「そーゆー視点か。尻尾出したら突っ込んでみようか」


 ん? ダンテ何?


「あの肥溜めガール……」

「ほこら守りの村のマーシャ?」


 『肥溜めガール』って相当なパワーワードだなおい。

 さすがオレンジ髪だけのことはある。

 関係ないけど。


「占い師って言ってたね。インビジブルなものが見えるかもしれないね」

「……なるほど」


 あり得る、ダンテやるじゃないか。

 ほこら守りの村へ行くべし。

 御神体クエストのクリアから三日。

 マーシャの穢れ(物理)が抜けるには、まだちょっと早いかな?


「よし、明日謎の本のクエストが片付いたら、明後日はほこら守りの村とバエちゃんとこだね。あとは展開次第。今日はここまで」


          ◇


 ――――――――――二二日目。


 早々に家の仕事を終え、本のダンジョンへ行く。

 すぐにレベルが上がり、あたしとクララとアトムは一四、ダンテは一三となった。

 今回は誰もスキル覚えなかったな。

 レベルが低い内はよく習得するものなので、ちょっと損した感じ。

 あたし達が成長した証拠であるのかも知れないが。


「クララ、この辺でコブタは処理の限界かな?」

「そうですね」

「よーし、肉狩りはここまでにして、次のフロア行くよっ!」

「「「了解!」」」」


 各種オブジェクトが散在するフロアで、赤い本『トリセツ』を開く。


 正しく辿れ。

 左上の本から。


「本ってあれだよねえ?」


 左手奥にある黒く分厚い本を指差す。


「マジックパワーを感じるね」

「またいきなりどこかへ転送されちゃかなわねえが」


 まあでも開いてみるしかなさそうだなあ。

 すると触っただけで本が語りだした。

 ほう、こういう仕掛けか。


 本はね、多くの知識が含まれているよ。

 本はね、紙でできているよ。

 じゃんけんではね、紙は……に勝てるんだ。


「答えは石、ですよねえ」

「謎の答えを追って、オブジェクトを順に触っていくってことかな?」


 散らばるオブジェクトの中に、石というか岩がある。

 次はあれらしいな。

 触るとやはり石が語りだす。


 大きい大きい丸い石。

 転がして、下に落とそう。


「『下に落とす』、がヒントだとすると、あの階段かな?」

「他に答えらしいものがねえでやす」


 階段もどうやらオブジェクト扱いのようだ。

 触ると次のヒントを聞くことができた。


 まだまだ下には降りられない。

 のんびり座って過ごそうよ。


「ノーヒントね?」

「いや、『座って』がヒントでしょう。あの青い椅子を」


 腰が痛くなってきたよ。

 ロボットくんにマッサージ。


「これ、間違えたらどうなるんでやすかねえ?」

「こらアトム、変なフラグ立てない!」


 まさかチャレンジは一回限りなんてことはないだろ。

 ロボット、つまりカラクリ人形にタッチ。


 私はロボットだけれども。

 立ち入り禁止の場所がある。


「立ち入り禁止?」


 入っちゃいけない系のオブジェクトなんかあったかな?

 ここでカンの出番なのか?


「今までのオブジェクトアゲインてこともあり得るね」

「確かに。困っちゃうなあ」

「あ、ユー様、このロープ『立ち入り禁止』の札がついてます」


 解決ズバッと。


 ここは危ない、立ち入り禁止。

 それとも剣で切り裂くかい?


「これは簡単、この剣だね」


 我を抜くのは勇者のみ。

 クマの勇者は今いずこ。


「おーおー、伝説の剣みたいなこと言いだしたぞ?」

「誰だよクマの勇者」


 これはわかりやすいな。

 クマのぬいぐるみに触る。


 クマと言えどもぬいぐるみ。

 火にはとっても弱いんだ。


「これどっちだろうね?」


 火のついたキャンドルと消火器が残ってるのだ。


「ストレートにファイアキャンドルだと思うね」


 よし、キャンドルに。


 荒々しくロウソクを灯せ。

 消せないほどの勢いになれば、奴の出番はもうすぐだ。


「熱っ!」


 こら、『荒々しく』『消せないほどの勢い』を後出しすんな。

 おかげで火傷したじゃないか。

 クララが『ヒール』をかけてくれた。


「消火器だわな、間違いねえ」


 うんうん、消火器に触る。


 消火剤の泡に埋もれた生首。

 道は彼が語るだろう。


 生首て。

 確かに頭像が残ってるけれども。


「『道は彼が語る』ということは、これで最後でしょうか?」

「でも生首喋るのかー。気分的にやだなー」


 生首にデコピン。


 コングラッチュレーション!

 緑よ、本となれ!


 最後のオブジェクトだった植木が消え、机とその上に乗った本が出現した。


「コングラッチュレーションだ! やったね!」

「魔力を感じる青い本。転送本の可能性大ですぜ」

「うん。でももうちょっと余韻に浸らせてくれてもバチ当たんないぞ?」


 本を開く。

 やはり転送本か。

 魔力の奔流が身体を包む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ