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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第724話:ザクザクマテリアル

 フイィィーンシュパパパッ。


「素晴らしき宝箱の園に永遠の平穏あれかし!」

「姐御、今日のセリフはかなり格好いいでやすぜ」

「そお? オリジナルだからかなー。美少女精霊使いのセンスが溢れてしまう」


 アハハと笑い合う。

 今日もまたザクザク宝箱のクエストに、貢物を宝箱ごと回収しに来た。

 心と懐を豊かにしてくれる、実に幸せなクエストだなあ。


「昨日手に入れた素材の詰め合わせと新規レア素材『オリハルコン』があったからさ。先にアルアさんとこ行く手はあったけどねえ」

「マテリアルが溜まったところでキャリアすればいいね」

「ある程度はそーなんだけどさ。この前の時、すごくたくさん素材溜めちゃってたじゃん? 運ぶの結構大変だったんだよね。こまめに持っていく方がいいなーって思ったよ」


 アルアさんには輸出用のパワーカード『ウォームプレート』の生産を頼んでいる。

 エルマやラルフ君からの供給もあるだろうけど、どれくらい素材の余裕があるかを確認するためにも、ちょこちょこ顔を出しといた方がいい気もするのだ。


「……今のはフラグのような気がします」

「え?」


 クララが真剣な顔してるぞ?


「どゆこと?」

「例えば全部の宝箱から素材の詰め合わせが出るとか」

「クララがいらんこと言ったから、確定フラグになった気がする。もうこんなの素材の詰め合わせが出まくるに決まってる」


 最近ほとんどフラグ回収してるからなー。

 ダンテとアトムが顔を見合わせてるがな。


「メニーメニーマテリアルね?」

「多分ね」

「素材、悪くないでやすぜ?」

「まあね。運ぶのがめんどくちゃいだけ」


 大量に交換ポイントがつくし、結構なおゼゼにもなる。

 アルアさんのところも、素材はあればあっただけいいだろうしな。

 『ウォームプレート』を大量に生産してもらうこと以外でも、ゼンさんやエルマがパワーカードの研究したいってことがあると思うから、素材の数はかなり必要になる。

 新しいものを生み出してくれる研究は大事なので、可能な限りフォローしたい。


「今日の宝箱は、っと」


 いつもと変わらず四個ずつ四列に並んでいる。


「ノーマルね?」

「美少女精霊使いの曇りなきなまこで見る限り、特別変わったところないねえ」

「何ですか、曇りなきなまこって」

「もちろん正解は曇りなきまなこなんだけどさ。今日ちょっとエンタメ風味が足りないかと思って」


 アリスとイシュトバーンさんの邂逅が、もうちょっとドラマチックとゆーかセクハラチックになる予定だったのに、期待外れだったから。

 しかし宝箱も最近ちょっと変わった趣向を見せることが多いんだが、今日は一見普通だな?


「あっ、近寄るとすごく変な臭いがします!」

「何だよもー。あったま悪いことしてきたなー」


 臭いで当たりハズレを嗅ぎ分けてるとでも思ってるのだろうか?

 宝箱に近付いてみる。


「……変な臭いだけど、メッチャ臭いわけではないな?」

「悪くないでやすぜ」


 クセのあるミント系といった感じか。

 こーゆーハーブティーがあったら、それはそれでありみたいな。


「主催者は何のためにこんなことしてくるのかわからん」

「メイビー、エンターテインメントね」

「あたし達の興味を引こうと思ったのかな?」


 主催者のあたし達に対するおもてなしの心と捉えるべきらしい。

 なるほど今までの金色の宝箱を一つ混ぜとくやつにしても、小さい宝箱にする試みにしても、言われてみればこちらを楽しませようとする意図があったかもしれない。

 もう一つ楽しむには至らないけれども、これは主催者のセンスが悪いから諦めろとゆーことか。


「おもてなしだったなら貶して悪かったなー。謝罪の意味を込めて銅鑼を鳴らそう」

「「「了解!」」」

「グオングオングオングオングオングオーン!」×四。


 うむ、素晴らしい音と唸り。

 十分あたし達の謝罪の念は伝わっただろう。

 この銅鑼を鳴らすと細かいことがどうでもよくなるなあ。


「さーて、今日も宝箱開けてくよー。五つずつお願いね」

「ボス、どれがヒットトレジャーボックスね?」

「奥から二列目の左から二個目だよ」


 うちの子達がめいめいに宝箱を見て、開け始める。


「通常素材詰め合わせです!」

「通常素材の詰め合わせだぜ!」

「コモンマテリアルの詰め合わせね!」

「予定通りフラグ回収かー」


 ま、いいや。

 今日は素材ザクザクの日だ。


「通常素材詰め合わせです!」

「通常素材の詰め合わせだぜ!」

「コモンマテリアルの詰め合わせね!」

「通常素材詰め合わせです!」

「通常素材の詰め合わせだぜ!」

「コモンマテリアルの詰め合わせね!」

「通常素材詰め合わせです!」

「通常素材の詰め合わせだぜ!」

「コモンマテリアルの詰め合わせね!」

「通常素材詰め合わせです!」

「通常素材の詰め合わせだぜ!」

「コモンマテリアルの詰め合わせね!」

「グオングオングオングオングオングオーン!」

「はーい、しゅ~りょ~! 今日は大変たくさんの素材をゲットすることができました。これもクエストの主催者とクララのフラグのおかげです。感謝!」


 クララが解せぬ顔晒してるけど。

 クララのこういう顔珍しいな。


「今日は検証は必要なさそうかな?」

「あっ、ユー様。これ『レディーススリッパ』ですよ」


 植物系の素材らしい。

 珍しいと言うほどでもないが、分布域が限られているため、今まであたし達が手に入れることができなかったものだという。

 そういえば以前アルアさんが、生物系の素材は案外多いみたいなこと言ってた気がする。


「ふーん。まだまだ出会えていないものはあるんだなあ」

「でも、交換レート表でまだ交換できないパワーカードは、さほど多くありやせんぜ」

「アトムの言う通りだ。素材の種類ってまだまだあるんだっけ?」

「本にはたくさん記載されています」

「楽しみだなあ」


 パワーカードに向かない素材もあるのかもしれないが、『大王結石』みたいに持って行くことを想定してなくて、あとから交換レート表に加わるカードもありそうだ。

 ドーラで入手できない素材を使用するパワーカードなんかないだろうし。

 ならばパワーカードもまだまだ進歩する余地があるなあ。


「よーし、今日も儲かった! 最後にガンガンして帰ろう!」

「「「了解!」」」


 皆で思いっきりガンガン鳴らしまくった後、転移の玉を起動し帰宅した。

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