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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!  作者: 満原こもじ


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第707話:『ウォームプレート』を注文

 フイィィーンシュパパパッ。


「アルアさーん、こんにちはー……って、あれ?」

「はいよ、アンタはいつも元気だね」

「師匠。こんにちは」


 パワーカード大好きっ子アトムを連れてアルアさんのパワーカード工房に来たが、何故かラルフ君パーティーがいる。

 関係ある冒険者が出入りしてくれるのは嬉しいことではあるが?


「ラルフ君達とここで会うのは初めてだよねえ。いいことしてここを紹介されたの? それとも悪いことして聞きだしたの?」

「師匠お!」


 ラルフ君の絶叫芸は割と好き。

 まあここはギルドの指定工房だって話だから、いてもおかしくはないか。

 アルアさんが説明してくれる。


「いや、カード需要が多くなってきて、このままだと素材が足りなくなりそうなんだよ。それでパワーカードを装備として必要としている冒険者は、なるべくこっちへ回してくれって、ギルドに申し入れたのさ」

「自分達もこちらへの転送魔法陣が設置される『地図の石板』を、ポロックさんからいただきまして」


 なーるほど。

 冒険者の持って来る素材を買い取って交換ポイントをつけるとゆー、あたし達に適用してるサービスを広げようということか。


「うんうん、工房が活気付くねえ。ところでアルアさん、お土産のお肉だよ」

「おや、ありがとうよ。いつもすまないねえ」

「で、ラルフ君達はどうする? お年寄りから奪って自分達もお肉お土産にする?」

「「「「そんなことできませんよ!」」」」


 アハハ感心感心。

 もしラルフ君達がお土産持ってくって言ったら、うちから追加のお肉を持ってきたけどな。


「素材の換金お願いしまーす」

「はいよ」


 残り交換ポイントは八五六となる。

 今どうしても欲しいカードはないので、交換はしないけれども。


「塔の村はコルム兄が欲しいだけ素材使って、残りは村が売却みたいなシステムになってるんだよ」

「向こうは冒険者の数も多いんだろう?」

「多いね」

「じゃあ素材が足りなくなることはなさそうだね」


 素材の数が足りなくなることはないだろう。

 ただ向こうの冒険者は全体的にレベルが低いからな?

 低層階で手に入る素材ばっかりで、高層でしか得られない素材とかは足りなくなりがちなんじゃないだろうか。

 あるいは塔のダンジョンでは出ない素材とかもありそう。


「向こうは向こうで、素材の種類が偏るってことは起こるんじゃないかなあ?」

「ふうん、どこも苦労はあるんだねえ」

「こっちは素材買い取りになっちゃうから、需要と供給が難しくなっちゃわない?」


 レア素材はコルム兄が個人でキープしてるっぽいけどな。


「個人の工房だから仕方ないねえ。こっちの素材買い取りが過剰になったら、ギルドで素材を売却してもらうよ」


 となれば交換ポイント目当ての冒険者からは不満が出るだろう。

 そもそもギルドにて一五〇〇ゴールドで販売してるパワーカードはより安い価格で卸してるんだろうし、ここはコルム兄のところと比べてよほど利ザヤが小さい。


 いや、そーでもないか。

 塔の村は村の利益になってるみたいなことを聞いた気がするわ。

 利益引かれてるはず。


「……例の『ウォームプレート』のカード、一ヶ月後までに一〇〇枚を上限に製造しただけ一枚一五〇〇ゴールドで買い取るって言ったら、経営楽になるかな?」

「「「「一〇〇枚?」」」」


 驚くラルフ君パーティー。

 いや、何であんた達が驚くのよ?


「ありがたい話だが……」

「来月末には帝国との貿易が正常化するんだって。ただ来月末までに間に合いそーなドーラからの輸出品って、実はあんまりないんだ。魔宝玉とコショウくらいで」

「かかかっ。独立前と全然変わらないねえ」

「で、『ウォームプレート』を輸出したいの。素材の供給が多くなるようだったら協力してもらえないかな? 塔の村のコルム兄にも同じ条件で発注出してるんだ」

「こっちからお願いしたいくらいだよ。でも帝国の連中は、パワーカードなんか知らないだろう? 売れるのかい?」

「新大使としてドーラに来てるルキウス皇子に、使用感のレポート書いてもらってるんだ。帝国は人口多いし、二〇〇枚くらい問題なく売れちゃうな」


 多分ね。

 プリンスが贔屓にしてる商人さんに会うことができたら売り込みたいもんだ。


「そういうことなら請けようじゃないか」

「やたっ! 手付けに三万ゴールド払っとくね。貿易開始時期で納期がちょっと前後すると思うけど、決定したら伝えに来るよ」

「わかったよ」


 よし、アルアさんの工房からも『ウォームプレート』確保できるぞ!

 アルアさんの儲けも大きくなるだろうしな。

 ラルフ君が考えつつ言う。


「師匠、本来こういうことは政府がやるべきなのでは? 師匠の個人的負担が大き過ぎませんか?」

「ラルフ君の言う通りだな。本当なら政府が納期を定めて、しっかり買い取るシステムが望ましいね。あたしの負担どうこうより信用の問題でね」

「だったら……」

「でも残念ながら今のドーラ行政府には余裕がないな。どれほどの税収を確保できるかわかんないから人を増やせない上に、独立の混乱と移民の受け入れで一杯一杯だもん。『アトラスの冒険者』は行政府支持の建前だぞ。やれるところはやってあげようよ」


 ちゃんと聞いてるかな?

 ヨハンさんにもそー言っとくんだぞ?

 商人連合で輸出品を取りまとめたっていいんだ。

 しかし商人が強くなり過ぎるのなら、いずれ力を削がなきゃいけなくなるだろうが。


「アタシはアンタの方が、新政府よりも信用できるよ」

「ありがたくて涙ちょちょぎれるねえ」


 軽い笑い。


「ところでラルフ君。緑の民の方は問題ないの?」

「特段問題なく。師匠には新人輸送隊員のレベリングしていただいたそうで」

「レベリングはあたしの役目だからいいんだよ。エルマに手伝ってもらったんだ」

「アンタ、いろんなことしてるんだねえ」

「暇だと却って疲れちゃうから、何かしてたいんだよね。どーしてだろ?」

「伝説の踊り続けないと死ぬ靴でも履いてるんじゃないかい?」

「おっと悲劇のヒロインいただきます!」


 アハハと笑い合う。

 毎日よく動き回ってるから睡眠の質がいい気がする。


「アルアさんさよなら。あったかカードお願いしまーす。ラルフ君達もさいなら」

「また来るんだよ」

「「「「お気をつけて!」」」」


 転移の玉を起動し帰宅する。

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